詩と詞の違い。字脚を整えて歌詞にする方法


こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

「いい詞を書く方法」シリーズ。
今回は、字脚を整える、という話。

序論の記事でもご紹介しましたが、
字脚とは、音の数のことです。

いい詞を書く方法・序論、作詞の工程概要と、作詞って自由だ!って話

その記事から抜粋しますが、
例えば、「たとえば」だと、4つ。
た、と、え、ば。
ですね。

「レーシック」だと。これは5つ。
れ、え、し、っ、く
になります。

この「字脚」を整える、ということについて。



その前に、詩と歌詞の違い

と、本題に入る前に。
「詩」と「歌詞」の違いについて。

これは、なにか定義されているものでもなくて、
割といろんな人が色んな持論を展開されていたりしますが。

基本的には、「詩」と「歌詞」に違いはない、と思っていていいと思います。
基本的に、「詩」も「歌詞」も、自由な形で書けばいいものです。
「詩」にあるとされる、いわゆるテクニック的なものは、
そのまま「歌詞」にも応用されたりします。

ただ唯一違うのは、字脚を考える必要があるかどうかです。

「歌詞」は、メロディに乗せるように作らないといけません。
そのために、字脚を意識しないといけなくなります。

そんなわけで、歌に乗っかった「詩」のことを「歌詞」と呼ぶ、
そういう認識で、正しいんじゃないかと思います。

字脚が整ってる場合、整ってない場合

さて、じゃあ実際にメロディに歌詞を乗せてみましょう。
例えば、こんな短いメロディがあったとして。

これに、歌詞をつけてみます。
まずは、字脚が整っている例。
「このまま」という言葉を乗せてみました。

はい。いいですね。
「このまま」はこのままいきましょう。
君はこのままでいいんだ。

次、「冬の夜空」とか、なんか詩っぽいやん。
乗せてみましょう。

はい。無理やり入れ込んだ感じですね。
形にはなってるから悪くはないんですけど、
元のメロディを少し崩してしまいました。
音符が短くなってしまったので、場合によっては、せかせかしているイメージになってしまって、原曲のイメージに合わないかもしれません。

次。「まくら」とかにしてみましょう。
眠いからね。

うん、これも無理やり入れ込んだ感じですね。
最初の出だしの休符が長くなりすぎて、「っっ!まだ始まらないのっ!」となります。

あるいは、こんな感じになるかもしれません。

「まーくらー」ですね。
いいんですけど、これだと「まくら」と言ってるのか「真っ暗」と言ってるのか、区別がつきにくくなっちゃいます。

ということで、この例では、字脚が4の「このまま」がしっくりくることがわかりました。

字脚を整えるための方法

でも、どうしても「冬の夜空」が使いたいんだ!とか。
「まくら」が欲しい!低反発のやつ!とか。
そんなこともあるかと思います。

そんなときにはどうしたらいいか。

似たような意味の別の言葉に置き換える

まずは、別の言葉に置き換えてみましょう。

たとえば、「冬の夜空」。
寒い冬の夜空を表したいとして。

例えば「寒空」にしてしまえば、寒い空、冬の空だろうな、と想像はできます。
または、「冬空」にすれば、冬の空であることは明確です。
ともに字脚が4つなので、はまりますね。

また、「まくら」の場合。
例えば、眠いことを表現したいのであれば、まくらではなく「眠たい」とストレートに言っちゃうとか。
あるいは「そばがら」と、まくらの中身を書くことで、まくらを想像させるとか。

・・・そばがらはちょっと無理やりかもしれませんが、
いずれにしても、「そのもの」を想像させる言葉に置き換えてみる、という方法があるよ、ということです。

あえてはみ出してしまう

例えば、「冬の夜空」。
これを「寒空」や「冬空」に置き換えたとして。

いずれも「夜」のイメージがなくなってしまいますね。
そういう場合は、今回のメロディの前後にはみ出してしまってもいいかと。
「寒い夜 『冬空』 あなたを待つ」
という感じで、『冬空』のところが先ほどのメロディのところだと思ってくださいな。
「冬空」は字脚4つでハマりますし、前後で「夜」であることを説明できます。

あるいは「まくら」を「ねむたい」に置き換えた場合。
いっそ、前後にはみ出したところに「まくら」を使う手も。
「やわらかいまくら 『ねむたい』 ゆめのなかで会おう」
みたいな、さ。

接頭語をつけてしまう

字脚が足りない言葉の場合、接頭語などを付けてしまう手もあります。

「まくら」を「あのまくら」にするとか。

「あの」が付くことで、誰かのまくら、何かの意味があるまくら、
という意味になって、若干ニュアンスが変わりますが、
他の箇所で「これは思い出のまくらなんだよね」ということが説明できていたりすれば、「あのまくら」としても問題はないでしょう。

字脚が5つなので、結局はみ出していますが・・・
短いよりも長くして押し込んだ方がいい場合もあります。
この辺は、メロディとの兼ね合いになると思いますが。

いっそ別の言葉にする

先ほどの接頭語を付けるのと似ていますが、
例えば「まくら」を「かまくら」にしてしまうとか。

完全に意味が変わりますが、もういっそ全体の方向性を変えてしまった方が早い場合は、こんな力技もありますよ、ということで。

・・・そこまでやってしまうと、「がまぐち」でも「あめだま」でも、何でもええやないか、という話になってしまいますが。。
まぁ、せっかく「まくら」と言う言葉を思いついたので、それと響きが似た言葉が使えるといいんじゃないか、ということで。

まとめ

ということで、字脚を整える、という話でした。

歌詞はメロディに乗せないといけないので、
メロディに乗る字脚でないといけません。

思いついた言葉、表現したい言葉があるのに、字脚が合わない場合。
そのものを想像できる言葉に置き換えてみたり、
他の部分で補足説明ができるようにしたり、
接頭語を付けたり、いっそほかの言葉にしてしまったり。

字脚を整えるにもいろいろ手段があると思いますので、
参考にしていたければと思います。

それではまたー。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA