困ったら繰り返してみる?言葉を繰り返すことで強い意志が生まれる!


こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

「いい詞を書く方法」シリーズ。
今回は、繰り返し、をテーマにします。
英語で「リフレイン」とも呼ばれますが。

人としゃべったりするときに同じ内容を繰り返してしまったりすると、
「なんで同じこと言ったの?」
とか
「大事なことなので二度言いましたよ」
とかになるわけですけれども。

ちょっと、そうした反応をされるぐらい、
「言葉を繰り返す」という行為には意味があります。

今回はそんなお話。



言葉を繰り返してみる

とりあえずやってみましょうか。

~~~~~~~~~~
「決意」

ちっぽけな僕だけど
いったい何ができるのか
ずっと ずっと
頭をひねって考えた

この両腕になんて
大した力はないけど
僕は 僕は
大きく息を吸い込んだ

いつか
あの空を飛んでいく
きっと
あの雲を超えていく
~~~~~~~~~~

こんな感じでどうでしょうか。
何かを決意した「僕」の話です。

いくつか繰り返しの言葉を使っているので、
どんな効果があるのか見てみようと思います。

同じ言葉を繰り返す「反復法」

まずは、「ずっと」という言葉。
2回繰り返してますね。
こんな感じで、同じ言葉を繰り返すことを「反復法」といいます。

「ずっと」が1回だけよりも、
「ずっと ずっと」と2回になった方が、
長い間、じっくりと考えたんだな、という印象になります。

特にこういう、時間のながさ、とか、量や質など、
程度を表す言葉を繰り返すことが多いかと。
「とても、とても」とか。
「たくさん、たくさん」とか。

で、もうひとつ。
「僕は 僕は」というのも出てきましたね。

これは、先ほどのフレーズで「ずっと」を2回繰り返していたので、
それと合わせるように繰り返した、という「反復の反復」みたいなところもあります。

また、「ちっぽけな」僕だけど、大きな決意をするんだ!という強い意思が
「僕は」の繰り返しの中に込められている、そんな印象もありませんか?

ほんとに小さな僕、大した力もない僕、
そんな僕だけど、、、そんな僕だけどっ!
みたいな。

まさに、「大事なことなので二度言いましたよ」ということです。

似たような言葉を繰り返す「対句」

そしてもうひとつ。最後のフレーズも、繰り返しです。

~~~~~~~~~~
いつか
あの空を飛んでいく
きっと
あの雲を超えていく
~~~~~~~~~~

「空を飛んでいく」のも、「雲を超えていく」のも、
だいたい意味としては同じ意味です。
どちらも空に関係するし、雲を超えるにも飛ばないといけないので。

こういう、おおよそ同じ意味のフレーズを繰り返すことを
対句」といいます。
単純に同じ言葉を繰り返すのではなく、
同じような意味の言葉を繰り返す、そんな技法です。

まったく同じ言葉で繰り返しちゃってもいいんですけどね。
するとこんな感じになります。

~~~~~~~~~~
いつか
あの空を飛んでいく
いつか
あの空を飛んでいく
~~~~~~~~~~

なんか、「はいはい、わかった、わかった」みたいになりません?
一行まるごと繰り返すと、ちょっと重たくなるというか。

でも、ここはぜひとも強調したい。
大事なことなので二度言いたい!
というときに、少し表現を変えて繰り返すと、
重たくもならず、でも意図が強調される。

「いつか あの空を飛んでいく」の1回だけだと
すぐ終わってしまう感じがしてなんとなく寂しいので、
もう一度「きっと あの雲を超えていく」と加えておくことで
いい具合に余韻も残してくれる、ということです。

・・・自分で解説してると、
即興ながら良い歌詞が書けた気になってきますねw

大きなくくりで見る「対句」

さて、「対句」について考えると、もうひとつ。

冒頭の
「ちっぽけな僕だけど いったい何ができるのか」
という部分と、
「この両腕になんて 大した力はないけど」
というところ。

この長いフレーズを「対句」と呼ぶのか、と言われると、
僕も国語の先生じゃないので厳密にはわからないですが。。
まぁ、似たような意味を持たせていることからすれば、「対句」みたいなもの、だと考えられると思います。

で、これはある意味「歌詞」の特徴だと思うのですが。
歌詞の特性上、Aメロを2回繰り返したりとか、
1番と2番で同じメロディを繰り返していたりとか。
音楽として繰り返すことが多いのが「歌詞」の特徴です。

そこで。
同じメロディを繰り返す部分、
そのすべてに「僕はちっぽけだ」という意味のフレーズを入れてあげる。

今回の例のように
「ちっぽけな僕だけど いったい何ができるのか」
「この両腕になんて 大した力はないけど」
と、「僕はちっぽけ」と思わせるフレーズを入れてあげる。

そうすると、曲全体を通して「僕はちっぽけ」という印象を付けることができる。
繰り返すことによって、印象が強くなるわけですね。
んで、その後に、「それでも大きく息を吸い込んで決意するんだ!」としてあげると、
「ちっぽけな僕でも、やるぞ!」ということが表現できるわけです。

思いっきり「ちっぽけ」を強調した後に
「それでもやるぞ!」と反旗を翻す僕。
すると、「がんばれ、がんばれ!」と応援したくなりませんか?
なりますよね、なりますよねっ!!

・・・うわ、なに、即興で書いた詞なのに、名作じゃない!?(自惚れ

まとめ

ということで、「繰り返す」ということの威力についてでした。

端的に言っちゃうと、強調する、ということなんですけど。
ただ強調すると言っても、
「すごく長い」などの「程度」を強調したり、
もう一度繰り返すことで余韻を残したり、
何度も何度も言うことで印象を強くしたり
そんな効果があるということです。

なんか歌詞が思いつかないな、と思ったら、
とりあえず同じようなフレーズを繰り返しておくだけでも
何らかの効果、何らかの意味が生まれる場合がありますので
やってみてください。

それではまたー。

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