相手に自由に想像させろ!比喩表現、メタファーの役割と使い方


こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

「いい詞を書く方法」シリーズ、
今回は、比喩表現、メタファーについて。

前回の記事でも、比喩表現を取り上げました。
主に、直喩と隠喩の違いについて。

http://dn-voice.info/lyrics-theory/13-simile-metaphor/

今回は、メタファーを使って例えると、何が良いの?どういう効果があるの?という話です。



なぜ人は例えたがるのか

なんのためにメタファーを使うのか、という話ですが。
そもそも、何かを例えると、どういう効果があるの?

  • なんか、かっこいい
  • 読み手側に「この作者、わかってるな」と思わせる
  • 読み手側に「どういうことだろう」と考えさせ、想像させる
  • 例えたものが内包する意味を利用できる

というところでしょうか。

かっこいい比喩

例えば。
「君は会社のダメなところを知ってしまった」
という文があったとして。
これをメタファーを使って書くと

「君は闇の深淵を知ってしまった」

となったりします。
・・・なんか、かっこよくないですか?
ちょっと中二病っぽいけど。

ただ素直に、その事象について説明するより、
何かに例えて言い換えることで、言葉の響きとしてかっこいい言葉に変えることができます。
あえて難しい言葉を使うと、よりそれっぽい。

「わかってるな」と思わせる

例えば、「冬から春にかけての時期」を表現したいとして。

「椿の落ちるころ」

と例えてみたとしましょう。

すると、読み手としては、
「椿が落ちるのは冬から春にかけてだ。作者は知ってるな」とか
「椿が枯れるのは『落ちる』と表現する。知ってるな」とか。
そんな風に思うはず。
(椿は、花がちょっとずつ枯れ落ちていくのではなく、花全体がポロリと落ちてしまうためです)

知識をひけらかしたい、ということではなく。
ある程度の知識を持っている、と認識されることで、
言葉に説得力が生まれる、という効果もあります。

知っている知識は積極的に使っていきましょう。

読み手に想像させる

例えば。

「僕は怪物だ」

と書き始めたとします。

この時点で、読み手としては
なんか悪いことをしでかしたのかな?
心根が悪いと言いたいのかな?
見た目が怪物みたいにブサイクなのかな?
実際に怪物を主人公にしているのかな?
怪物くんかな?

と、いろんな想像を巡らせます。

そのあとで、こんな風に続いていきます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
僕は怪物だ
ビスケットをバリバリ
チョコレートをムシャムシャ
ポテトチップをザクザク
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

なんだ、怪物みたいにお菓子を大量に食ってんのか、となります。

言ってしまえぱ、
「俺、お菓子めっちゃ食べてる」
と言いたいだけなんですけど、
怪物みたいにお菓子食べてる、という表現を冒頭に持ってきて
「僕は怪物」
と始めることで、興味をかきたてることができます。
いわゆる「ツカミ」というやつですね。

ちなみに、お菓子を大量に食ってる怪物といえば、この人。

内包する意味を利用する

例えば、ナースのことを「白衣の天使」なんて言ったりしますやんか。

「天使」という言葉には、
清純で、潔白で、可愛らしい、救ってくれる、優しい、などなどの意味が含まれています。

天使って、実際には存在しないし、みんな見たこともないはず。(絵に描かれたものは見たことあるかもしれないけど)
想像上のモノだからこそ、勝手なイメージが湧いてくる、という側面もあると思いますが。

いずれにしても、ナースのことを
「清純で潔白で優しくて、僕のことを救ってくれる可愛い女の子(はぁと」と長々と書くよりも、
「マジ天使!」と言えば一言で済むし、
その方がイメージが湧きやすい。

「天使」という言葉にまつわるイメージを利用しましょうということです。

端的に言い切るメタファー、長く引き延ばすメタファー

先ほどまでは、端的に別の言葉で表現する、という例を挙げてきましたが、
逆に、あるモノを長々と別の表現で表す、という発想をしてみてもいいと思います。

例えばなんでもいいんですが、「はさみ」を例にとると。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ぎらっと鋭く輝いて
次の獲物を狙ってる
二手に分かれてとらえたものは
切ってみせよう真っ二つ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「はさみ」を表現しようとすると、そんな文章が書けるわけです。

先ほどまで挙げていた比喩表現では、
「天使」のように別の言葉を使うことで、その言葉が持つ意味やイメージを想像させる、ということをやっていたわけですが。
今回の「はさみ」の例では、「はさみ」が持つイメージを言葉にして書き出すことで、「はさみ」という言葉を使わずに「はさみ」を表現しています。

言葉というのは、意味を閉じ込めたカプセルみたいなもので。
「天使」という言葉には、清純、潔白、可愛い、優しいなどなどの意味が凝縮されています。
比喩表現というのは、そのひと粒のカプセルを使うわけです。

逆に考えると、
そのカプセルを割って、凝縮した意味を取り出したのが、先ほどの「はさみ」の例です。

意味をひとつの言葉に凝縮させるのか、
カプセルを開けて中身を書き出すのか。
この辺のさじ加減が、比喩表現の使い方のキモのひとつになるのだろうと思います。

まとめ

ということで、比喩表現、メタファーの役割、使い方についてでした。

メタファーを使えると、なんかかっこいいイメージになったり、
説得力が産まれたり、想像を喚起させます。

ひとつの言葉が、色々な意味を持っているからこそ、なせる技です。
逆に、「色々な意味」を引き出してあげて、それをそのまま言葉にしてみても、表現として面白いものができるかもしれません。

言葉は「カプセル」のようなもの。

それではまたー。


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