【ボイトレ書評】うたうこと 発声器官の肉体的特質―歌声のひみつを解くかぎ【フースラー本】

booktop

歌が上手くなるためのボイトレ本書評。
今回はこの本。

うたうこと 発声器官の肉体的特質―歌声のひみつを解くかぎ

著者:フレデリック・フースラー / イヴォンヌ・ロッド・マーリング
翻訳:須永 義雄 / 大熊 文子
出版:音楽之友社



ざっくりした説明

僕がこの本を「書評」するのもおこがましいのですが。。
というぐらい、有名な本です。

通称「フースラー本」と呼ばれる、歌にかかわる人、特にボイストレーナーは必読の1冊、と言われるぐらいの定番の本とされています。

ボイストレーニングに興味のある方は、読んだことがないまでも、名前ぐらいは知っておいていい本です。

本の内容

人間が歌を歌う際に、どこの筋肉が使われているのか、ということを、
解剖図も使って、非常に詳細に書かれています。

そして、その筋肉の使い方を踏まえて、実際にどのように練習すれば声がでるのか、
もうちょっと正確に言うと、声を出すための筋肉を意識的に動かすことができるのか、が書かれています。

「アンザッツ」と名付けられた章がそれですが、
いわゆる「声の当て方」を使って発声をしていく方法を提唱されています。

「声をどこに当てるか」を意識すると、自然と声を出すための筋肉が動く、
それによって筋肉を自分で動かせるようになり、ひいては良い声で歌えるようになる、ということ。
例えば、裏声を鍛えたいときには、頭のてっぺんに声を当てるイメージで声を出す、とか。

歴史的な本、という側面

これまで(昔は?)ボイストレーニング、声楽と呼ばれる世界では色々な「流派」が乱立している背景があったようです。
それぞれの流派で、この声は出していい、いけない、この練習がいい、悪い、という意見が乱立していたようです。
(いまでも若干そういう傾向はありますが。。)

フースラーは、そのような状況はおかしい、と説いています。
ざっくり要約をすると、「歌を歌うことは個々人で違うことをやっているわけではなく、人間が等しく持っている構造を、自然に使うことで実現できる」というようなことを書かれています。
要するに、歌を歌うための器官は基本的にはだれでも持っていて、その使い方さえ学べば、誰でも歌えるようになる、ということです。

科学的に人体の動きを解析すれば、本来どのように体を使えば歌が歌えるのかは答えが一つに決まるんだ、ということですね。

日本では昭和62年に発行された本のようです。今から約30年前ですね。
少し古いですが、それでも30年前程度です。
結構最近まで、こういう科学的に分析した発声法、というようなものは確立されていなかったようですね。
そういう取り組みはこの本が最初というわけではないですが、ここまで詳細な研究結果がまとめられているということで、ボイトレ界の歴史に名を残す本、と言えそうです。

その分、小難しくて読みづらい

科学的な分析を交えた本であることもあって、
また、文体も固く、少し回りくどい表現も多いので、非常に読みにくい本です。

この本を読む前にちょっと気合を入れないと読めない本ではないかと。

どんな人におすすめ?

  • ボイストレーナーになる人、目指している人
  • 体の仕組みを知って、理論的に歌に向き合いたい人
  • 難しい本も気合を入れて読める人

読みづらい本ですが、内容は濃いです。

気になった方はどうぞ。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA