【ボイトレ書評】声の科学: 歌う医師があなたの声をデザインする

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歌が上手くなるためのボイトレ本書評。

今回ご紹介するのはこんな本。
声の科学: 歌う医師があなたの声をデザインする

著者:斉田 晴仁
出版:音楽之友社



ざっくりした説明

2016年7月発行!かなり最近の本です。

以前紹介した「歌声の科学」という本と系統は同じで、発声に関する筋肉や関節、声帯の仕組みなどを科学的に説明している本です。

ちょっと読むのが大変ですが、なるべく分かりやすく書かれているのが印象的。
特に、各章にマークがつけてあって、
「これは読んどいた方がいい!」という章と
「これはまあ参考程度に」という章を目安として分類してくれてるのがなかなか面白いなと思いました。

写真の多さ、説明の詳しさがポイント

科学的な内容につっこんでいく本は、どうしても分かりにくくなりがちで、とっつきにくい印象を持ってしまって読むのをやめがち。

この本はなるべくわかりやすくなるように、
章立ても見やすく、写真(時にはカラー)を多用したり、グラフなどの説明もなるべく詳しく書こうとされている印象をうけました。
それでもやっぱり読みにくさはあるのですが。。ずいぶんマイルドになっているかと。

特に写真でいうと、声帯の動きをストロボで連続撮影カラーのハイスピードカメラで撮影したものを載せてくれていて、なかなか興味深い内容でした。
※コメントでご指摘頂いたので修正しました。

ボイスマップという方法が提唱されてます

人の声を評価する指標として、ボイスマップ、というものを提唱されています。

すごく簡単に言っちゃうと、
「息を吐く量」と「声帯の締め具合(≒声の高さ)」のバランスのマップと、
「口の奥を開けるか前を開けるか」と「息を漏らすか漏らさないか」のマップ、
この二つで、声の評価をしてあげよう、ということです。

一つ目のマップ「息を吐く量」と「声帯の締め具合(≒声の高さ)」から、
音程を変えるごとに必要な息の量が微妙に変化するため、コントロールが必要であること、
息を出しすぎると息漏れ声になること、
裏声では地声よりも息の量が必要であること
等がわかります。

もう一つのマップ「口の奥を開けるか前を開けるか」と「息を漏らすか漏らさないか」では、
口の開け方と息の漏れ具合など微妙な変化で声色を変えて表現を付けることができる、ということがわかります。

以前、「声色を変えよう」という記事を書きましたが、それに通じるものがあるかと思います。

47.表現力の幅を広げよう!かんたんに声色を変えて声を出す方法

どんな人におすすめ?

声について科学的に知りたかったけど、そういう本って難しそう・・・
と思っている方には、読みやすくなっている本だと思います。

また、最近発行された本でもあるので、最新の分析結果を見てみたい人にもおススメかも。

ということで、気になった方はどうぞ。

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ご意見、質問はこちらからもどうぞ
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3 thoughts on “【ボイトレ書評】声の科学: 歌う医師があなたの声をデザインする”

  1. 斉田 晴仁 says:

    本書を取り上げていただき、また好意的な書評をお書きいただき感謝いたします。
    声帯振動の写真は、ストロボではなく 書籍ではおそらく世界初(日本初は明らか)の カラーハイスピードカメラによる画像です。
    耳鼻咽喉科専門医の教科書にもない、2000-3000コマ/秒の貴重な画像です。
    ホイッスルボイス画像は 耳鼻科専門医も知らず世界初と思われます。
    歌う方のために、世界初のさまざまな実験も多数行いわかりやすく説明しました。
    本書を役立てていただき、声の健康を保ち 皆さまが望むような声になる事を願っています。
    著者

    1. densuke says:

      ご本人からコメント下さり、大変恐縮です。
      ありがとうございます!

      声帯の写真、ストロボではないとのご指摘もありがとうございました。
      恥ずかしながらまだまだ多くの文献を読んでいるわけでもなく、ひと昔前の本ではストロボの写真がよく使われていた印象があったので、思い込みで書いておりました。。
      大変失礼しました。
      こういうところのツメの甘さは反省点です。

      ただ今回取り上げさせていただいた本自体は、写真も豊富で、内容もできるだけわかりやすく書かれており、非常に感銘を受けました。
      そのため、今回このように僭越ながら書評させていただいた次第です。

      斉田先生の研究の益々のご発展をお祈りいたします。私も勉強させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

      1. 斉田 晴仁 says:

        本書が お役に立てばうれしく思います。
        ご返事 ありがとうございました。
        斉田

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