【ボイトレ書評】歌声の科学

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歌が上手くなるためのボイトレ本書評。

今回ご紹介するのはこんな本。
歌声の科学

著者:ヨハン・スンドベリ 他2名
出版:東京電機大学出版局



ざっくりした説明

「声」を科学的に研究した本。
以上です。

いろいろな計測データを列挙し、ときに他の論文から抜粋し、
それに対する考察をひたすら列挙している、という、
声が出ている仕組みを科学的に分析した本です。

本の内容について

とにかく読みにくい!
グラフが大量に出てくるのですが、それぞれの数値が何の数字なのか、
なんのためにこのデータを計測しようとしたのか、
そのあたりを理解しながら読むのに非常に苦労します。

また、声を科学的に分析している、という内容にとどまるため、
つまるところ、どうやってトレーニングをしたらいい、という話は出てきません。

代わりに、実際に一般的に行われているボイトレの内容を引用して、
この実験結果と整合しているよね、していないよね、という例は示してくれています。
なので、トレーニング方法を考えるヒントにはなると思います。

この本でわかったこと

この本で最もポイントとされている点は、
ものすごーくざっくりまとめると

  • 声の質はすべて「フォルマント」で決まる
  • フォルマントを変えるには声道、声門下圧を変化させるべし

ということ、だと思います。

「フォルマント」とは、人の声に含まれる周波数成分のうち、
突出して大きく含まれる周波数のピークのこと。

例えば、僕の声の周波数成分を抽出したグラフ。
36_2_spectrum
これでいうと、だいたい200Hzよりちょい手前の箇所、500Hz前後、1kHz前後あたりなどでピークがありますね。
このピークのことを「フォルマント」と呼びます。

フォルマントがどの周波数に、どの程度あるのか、というのが
声の質や、母音、子音の発音を決めているとの事。

そしてそのフォルマントを変化させるのが、
声道の形と、声門下圧です。

声道とは、声帯から口にかけて、声が通る通り道のこと。
声道の形を変えるというのは、いわゆるのどぼとけを上げ下げしてみたり、
舌の位置を変えてみたり、口を開けたり閉じたりすることで、
いずれも声の通り道の形が変わることで、音の響き方が変わり、フォルマントが変わるということ。

声門下圧とは、要するに息を吐こうとする力。
実際には声帯がせき止めているので圧力をかける=息がたくさん出る
と単純にむすびつかないけれど。
声門下圧に対して、声帯が適切に息をせき止めることができれば、
そして適切に隙間から息を出すことができれば
きちんとした音が鳴ってくれる、はず。

どんな人におすすめ?

ボイストレーナーが目を通し、声の仕組みを考えるための本かと思います。
あるいは、声のことを科学的に考えながら訓練したいんだ!というアツい人向け。

いままで教わったり実践してきたボイトレはどういう科学的根拠があるんだろう、
と照らし合わせながら読むと面白い発見があったりするかもしれません。

ということで、気になった方はどうぞ。


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