【歌声解説】星野源さんの歌い方、歌唱力を解説


こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

今回は、星野源さんを取り上げてみたいと思います。
メッセージにて、解説記事のリクエストいただきました。
ありがとうございます。

いまや超有名人になった星野源さん。
「逃げるは恥だが役に立つ」というドラマに主演し、
主題歌の「恋」が大ブレイクしましたね。

昔から「SAKEROCK」というバンドをやっていたり
役者としても活動されていたようです。
あと、本を書いてたりとかもする。
マルチタレントですね。

2012年から2013年にかけて、くも膜下出血で療養されていたことがあり、
復帰した際には大きな話題となりました。

僕自身、星野源さんをちゃんと知ったのはこの復帰の時。
タワレコで「おかえり星野源」的なPOPが飾られていて
「誰だろう星野源って?」と思っていました。

思っていたら、あれよあれよと売れっ子に。

そんな星野源さんの歌声解説。



では聞いてみましょう。
星野源「恋」

星野源さんの歌唱力1 高くない声

星野源さん、高音が出るタイプのシンガーさんではありません。

地声の最高音が、おそらくサビの
「胸のな『か』にあるもの」などのmid2F#です。
(mid2F#などの音名についての説明はこちら

低い音程ではありませんが、
最近のポップスの曲の傾向からすれば、それほど高い音程ではありません。

ちなみに、裏声の最高音が
「いつか『見え』なくなるもの」などの
hiA、mid2G#です。

おそらく、星野源さん自身が、
自分の声の出しやすい音域で作ったのだと思われます。

それが、結果的には功を奏したのか、
カラオケでも歌いやすい音域になっているかと。

地声でのmid2F#、男性にとってそこまで高くはないです。
慣れていない人はこれでも高いと思う人もいらっしゃいますが、
それでも、出せなくはない音程。
無理なく歌うことのできる歌だと思います。

ちなみに、星野源さんをリクエストいただいた方からのメッセージで、
「割と高音まで声質が変わらないように聞こえる」
とのご指摘がありましたが、
それはその通りだと思います。

なぜなら、意外とそこまで高音じゃないから。
なので、サビの最高音でも声質があまり変わらずに歌える。

星野源さんが、星野源というシンガーのために書いた曲。
なので、上手く出せる音域に収めたメロディを作った、
というところが、この曲のおさまりの良さの要因のひとつなんだと思います。

星野源さんの歌唱力2 しゃべってるかのような力の抜け具合

星野源さんの魅力の一つは、抜け感、だと思うのです。
この人の場合、歌っている声に、いい具合の抜け感がある気がします。

この動画、公式のYouTube動画であることもあって、
1:28から宣伝動画が流れるんですが。
ここでしゃべってる声と、歌ってる声、
そんなに大きく変わってないように思えませんか?

いや、歌ってるときの方が音程が上がっているので、
当然それに合わせて声を張っているように聞こえるのですが。
しゃべり声に含まれるちょっとしたザラザラ感、ノイズ感が、
しゃべりも歌声も似ている気がするのです。

要するに、歌だからと言って、特別気取った声を出していない

「割と高音まで声質が変わらないように聞こえる」
という要因のもうひとつに、
この「気取って歌っていない」ということがあるのではないかと。
そのためにも「出せる音域」で曲が作られている必要があるのだと思います。

星野源さんの歌唱力3 ぶっちゃけ、そんなに・・・?

・・・僕もボイストレーナーの端くれなので。
こういう声を聞くとつい
「鼻筋から抜けるような響きのある声にしたいね」とか
「歌の途中途中で声質を変えて表現を付けたいね」とか
なんかそれらしいことを言いたくなりそうなもんですが。

「そんなこと、どうでもいいんじゃない?
 俺、とりあえず歌うわ。」
みたいな歌い方をされて、
しかもそれが案外しっくり来てるもんだから
歌って難しいもんですよね。

あえて言っちゃいますが、
星野源さん、そんなに「上手くはない」んですよ。
たぶんもっと「上手く」歌おうとすれば
いろいろとやり方があるんだと思うのです。

でも、そこはどうでもいいんです。
星野源さんの曲、雰囲気、キャラクターに合った歌い方。
それが今の歌い方で、それがしっくりきている。
星野源さんが表現したい世界観に合っている。
それが正解なんだと思う。

ただし、最低限、
音程は合っている、リズムも取れている、声は張っている。
これだけはクリアしておいた方がいい、
というものはクリアされています。

そこで、先ほど挙げた「しゃべってるかのような」歌い方をする。
歌を歌っている、というよりも、
語りかけてきている」感じ。
それが、歌詞の深さと相まって、
聞いている人、見ている人に向かって、直接何かを訴えかけてくる。
そんな声です。

「どう?これ、いいっしょ?
俺もいいと思うんだよねー」
という感じを、星野源さん自ら語っちゃう感じ。
なんかすごい引き込まれる感じ。

星野源さんの歌声を例えると

星野源さんの歌声を何かに例えてみようのコーナーです。

「棒磁石」ってどうですかね。
こんなのね。

なんというか、「ぼくとつ」なつくりなので、
すごくオシャレとか、そういう感じじゃないんだけど。
ちゃんと紐につるせば方向は示してくれる。
砂鉄を集める、というマニアックな欲求も満たしてくれる。
冷蔵庫とかにもくっついてくれる。

磁石だから、科学的にちゃんと応用すれば
モーターだって回せるし、リニアだって走らせるかも。

そんな可能性が大いに秘められた「棒磁石」で、どうぞ。(どうぞ?

まとめ

ということで、星野源さんの歌声解説でした。

決して、すごく上手い、というシンガーさんではないですが、
自分の音域、自分のキャラをちゃんとわかって
それが映える曲のつくり方、歌い方をされているなと。

ちなみに、YouTube動画の最後の方にCDのCMがあるんですが、
ちょっとした小ネタになってて、気に入る人は気に入ります。
僕はこういうの、割ときらいじゃないよ。

それではまたー。


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