酸欠少女さユりさんの歌い方、歌唱力を解説


こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

今回はさユりさんの歌声解説を書いてみます。
2015年にデビューした若手シンガーソングライターさんです。

「酸欠少女」を付けるのが正式名称なのか?
「さユり」だけでいいのか?

たぶん、「酸欠少女」が苗字で「さユり」が名前なんでしょう。
そういうことにしておこう。

酸欠世代の象徴だから、「酸欠少女」という名前らしいですが。
酸欠世代っていうくくり方があるの?
なにその救急車が待機してそうな世代。

どうやら、二次元世界の「さゆり」というキャラも存在してて
MVでもアニメの「さゆり」と三次元の「さユり」が登場して
二次元も三次元もどちらも登場できるひと、らしい?
なにこれ、説明できてる?

そもそも、なんで真ん中の「ユ」だけカタカナなん?

そんな謎多き少女、酸欠少女さユりさんの歌声解説。



平行線

では聞いてみましょう。
さユり「平行線」

 

アニメ、ドラマを同時にやっていた「クズの本懐」とタイアップした曲です。

酸欠少女さユりさんの歌唱力1 甲高く響く声

出だしのフレーズ「太陽系を抜け出して」
最高音がhiC、その次に高いのがhiA#あたりです。
(hiCなどの音名の説明はこちら

女性としては、そこそこ高音。
すごく高いとまではいきませんが。

そう、すごく高いとまではいかないんです。
が、なんだか高く響いて脳に直接語り掛けてくるような声。
これがさユりさんの歌声の最大の特徴かと。

なんでこんな声になっているかというと、
すこし喉声っぽい、叫ぶような高音になっているためではないかと。

脳に響くような、耳に響くような高音になる場合、
口の奥の空間で音を反響させて音を大きくしているのではなく
力技で思い切って声を出していることが多いです。
さユりさんの場合も、すこしその傾向が。

こういう声は、のどにダメージが入りやすい反面、
耳につくような声で、訴えかけてくる印象を与えてきます。

これがもっと無理やり声を出している人になると
ほんとに金切り声みたいになってうるさいのですが・・・
さユりさんの場合は、それがいい具合に効いていて
説得力のある歌声になっているのだと思います。

あと、もうひとつはEQでのバランス調整も要因にあるのではないかと。

高めの周波数帯(5kHz以上?)を持ち上げてあげると
同じような効果を得られるかと思います。

このEQの調整のせいだと思うのですが、
息を吸うときの音、全体的にちょっと目立ちますね。

酸欠少女さユりさんの歌唱力2 発音の使い分け

基本的にははっきりと発音をしているさユりさんですが、
時折、甘い発音を使い分けています。

例えばわかりやすいのは
0:18あたり「のように『伸びている』」
すこしだけ発音がくずれて、甘い感じに。

1:00あたりのBメロのフレーズ
「『くちびる』から零れだす」
特に『びる』のあたり。
あからさまではないですが、微妙に丸い発音に。

特にこの曲は勢いよくザクザク歌っていく曲なので
あまりあからさまに発音を変えて、という感じでもないですが、
ところどころある静かなフレーズに対して
すこし意識を変えて発音しているのがわかります。

酸欠少女さユりさんの歌唱力3 ブレスが多い?

ブレス(息継ぎ)の回数、多い印象があります。
先ほど書いた通り、息を吸う音が目立っているせいもありますが。

例えば、0:13あたりのフレーズ
「私、と君の影、のように伸びている」
この読点(、)のところがブレスです。

あえて、なのか、息継ぎしてしまっているのか、判断はつきませんが、
一息でいきたくなるフレーズです。

あと、1:34あたりからの一番のサビのフレーズ
「描き、始めて見せるよ」
「私、と君の影に今手を伸ばす」
このブレス、いらないんじゃないかな。

というのも、ブレスするまでのフレーズが短すぎて、
「私」と言ってすぐに吸おうとすると、
まだ息が残っているのにさらに吸おうとするもんで
息が吸いにくくてしんどくなるはずなんです。

楽曲自体が、勢いがあってテンポも速い曲なので、
極力いろんな箇所で吸っておこう、ということなのか、
吸っとかないと後が持たなかったからという判断なのか。

いずれにしても、マネしてカラオケで歌おうとすると、
なんか息を吸うのがしんどい、という場合もあるかもしれません。
一息で歌うか、息を吸うのか、
しんどくない方を選んで歌ってみるとよいかと。

酸欠少女さユりさんの歌声を例えると

さユりさんの歌声を何かで例えてみようのコーナーです。

「平泳ぎ」みたいな。

息継ぎの音がやっぱりきになるんだよなー。
なんか、平泳ぎしてて息継ぎの時だけ顔が上がる、
あの感じを想像してしまいました。

でも、しっかりと一息で歌い切ってるところもあったりして
そこはそれ、平泳ぎのキックがうまくきまって
伸びのある泳ぎができているみたいな感じですやん。

余談ですが、僕自身、泳ぐなら平泳ぎが一番好きかも。
クロールの方がスピードが出てよさそうですが、
無駄な動きをせずにゆったり泳いでるイメージがあります。
いや、競泳のレベル高いのになると「ゆったりと」とも言ってられないんでしょうし、
平泳ぎ以外の泳ぎでも、無駄な動きはないんでしょうけど。

まとめ

ということで、酸欠少女さユりさんの歌声解説でした。

印象強く響いてくる声で、
すこし後ろ暗さもある歌詞をまっすぐこちらに打ち込んでくる、
そんな歌い方です。

平泳ぎの伸びのような歌声が
より自然にきれいに決まれば、
さらに刺さってくる歌い方ができるようになるんじゃないかと。

まだ20歳だそうですからね。
これからの成長を楽しみにするのと同時に、
酸欠にならないように心配してあげたいと思います。

いやほんと、酸欠世代ってなんなの?

それではまたー。

アルバムも出たみたいなんで注目です。

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One thought on “酸欠少女さユりさんの歌い方、歌唱力を解説”

  1. とり says:

    早速の解説ありがとうございます!
    アニソンで聴くような、
    勢いがある声はどうやって出しているんだろうと思っていたのですが、
    少し喉声が入ってるんですね。
    ブレスの多さも、解説を読んで初めて気が付きました。
    あの速さでブレスが多いって逆にすごいですね…!
    ブレスが苦手な私に少し分けて欲しいです。
    とても楽しい歌声解説をありがとうございました!

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