改めて体の基礎知識。声帯と声の出る仕組みを知ろう


こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

今回は、「声帯」ってなに?
そして、声が出る仕組みとは?
という話です。

歌を歌う、声を出す、
何となくできるけれど、
実際のところ、どういう仕組みで声が出ているのか。

歌が上手くなるために、
最低限のことを知っておくのも必要なことです。
ぜひ読んでみて下さい。



声が出る仕組み?

声が出る、というのは、
どういう仕組みで成り立っていますか?

と質問されたら、
あなたならどう答えますか?

「え、喉で・・・」
というぐらいにしか答えられない方も割と多くて。
改めて、そこを考えてみましょうよ。

まず、声が出る大きな流れを2行で書いてみると

喉に声帯という器官がありまして、
声帯に息を通して、声帯が振動すると、音が出ます。

ということです。
簡単ですね。
ここまでは、答えられる人も多いです。

ただ、それだけでは足りません。
もうひとつポイントがあります。

声帯が振動するだけでは、音はそれほど大きくありません。
声が大きくなるには、まだ何かが必要です。

そのポイントが音響です。
音の響き。ですね。

声帯から、声が出てくる口までの間、
ちょっと距離がありますね。
その喉、口の中で、音が響く。
そして音が大きくなる。
これがポイントです。

まとめると、
声帯を振動させて、
それが喉や口の中で響いて大きくなる。
これが、声が出る仕組みです。

声帯のしくみ

ボイストレーニングをやっていく上では
ここまでのことだけでも知っておけば十分ではないかと思うのですが。
せっかくなので、もう少し深掘りしてみようと思います。

まずは、声帯とはなにか、という話から。

声帯は、のどにあります。
この辺。

のどぼとけの奥あたりにあります。

で、声帯を上から見るとこんな形をしています。

Wikipediaの画像を日本語に直してみました。
一応辞書で翻訳したので
たぶんあってると思いますが・・・

真ん中の黒いところが
気管」ですね。
呼吸するときに空気が通ってくる管です。

その両サイドにある「声帯」が
気管を通ってくる空気で振動して
音が鳴るわけですね。

そのほか、いろいろな部分の名前が書いてありますが、
細かいところは、いいです。
とりあえずこんな形してる、というのが分かってもらえれば。

声帯の震え方

声帯が振動すると音が出るのはわかった。
じゃぁ、どういう風に振動するのか。

上の図でいうと。
声帯の間に空気を送り込むと、
左右の声帯が高速で閉じたり開いたりします。
その振動で音が発生する、という感じですね。

イメージがわかりにくい方は、
実際に声帯が振動している動画をご覧ください。
生の声帯の映像なので、
気持ち悪いと思われる方はお気を付けを。

声帯の振動を動画で見る

で、この動画でわかることは
・音が低くなると、声帯が短くなる(緩めてる)
・音が高くなると、声帯が長くなる(引っ張ってる)
・裏声になると、声帯を硬くして振動させてる
という感じ。

先ほどの動画、1:22あたりからがわかりやすいですが、
音を下げていくと声帯が短くなっていくのがわかります。

ギターの弦などを想像するとわかりやすいですが、
チューニングのために弦の張りを弱くすると音が低くなる、
そんなイメージですね。
声帯の張りを緩めているため、結果的に短くなっているものと思われます。

裏声の場合、見た目だけではわかりにくいですが、
声帯を硬くして振動させることで、
さらに小刻みに振動させることができます。
なので、高音が出せるわけですね。

で、もう一個動画を。

声帯の振動動画その2

こちらですが、
ささやき声だと声帯の完全に閉じず、少し開いている、
というのが分かるかと。

声帯の伸ばし具合、
そして閉め具合によって、
出す音を変えることができる、ということですね。

声の響きの変化

もうひとつのポイント、声の響きについて。

音というのは、空気の振動です。
それも、いろんな周波数の振動が混ざってできています。

どの周波数の振動が、
どの程度まざっているのか、によって
音の聞こえ方、つまり音色が変わってきます。

詳しくは、こちらの記事も参考にどうぞ。
ボーカリストが理解しておくべき周波数帯のイコライジングの話

で、
先ほどから説明している声帯から発生した音(咽頭原音と呼ばれます)を、
のど、口の中で響かせることで、
周波数の混ざり方を変えることができるのです。

なので、
声色を変えたり、
発音を変えたりするためには、
口や喉の開け方を変える必要がある、ということです。

ためしに、
「あー」と声を出したまま、
そのまま口の形だけを「お」の形にしてみて下さい。
それだけで、「お」の発音に変わるはずです。

で、声帯と声の仕組みを知ったからなんなの?

なるほど、なんとなく仕組みは分かった。
で?

もう一度整理しておきますと、

声帯の動きによって
・音の高低
・地声、裏声
が変えられる、ということですね。

そして、のどや口の開け具合によって
・声色を変えられる
・発音を変えられる
というわけです。

なので、もしあなたの歌声に弱点がある場合、
それに対する対処法がそれぞれ違いますよ、という話です。

たとえば、発音が悪い、と言われたら。
むやみに大声を出して「なまむぎなまごめなまたまご!」
といったところで、改善するかどうかあやしいところ。

大事なのは、口の開け方です。
最初はゆっくりでもいいので、「口の開け方」に着目して
しっくりくる開け方はどこか、を探っていきましょう。

高い音が出ない!という場合は、
例えば「笑顔で歌いましょう」というメソッドがいいか、と言われると、
必ずしも的を得た解法ではないかもしれませんね。

精神的に余裕が出て楽に声が出せる、
という効果が無いとは言えませんが、
大事なのは、表情をどうするかではなく、
のど、声帯をどう動かすか、です。

こんな風にして、
からだの仕組みを理解しておくと
「ダメな声」の対処法がなんとなくでもわかることがあるはずです。
基礎知識をおろそかにしない方がいい、ということですね。

声帯、声の仕組みをさらに詳しく知りたい方へ

ここではかなりざっくりとした説明をしましたが、
もっと生理学的、解剖学的に詳しい説明は、
色んな本に載っていますので、こちらを参考にどうぞ。

読みやすい順に並べています。
下に行くほど読みにくいですが、内容は濃いです。

『歌手ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』の
僕の書評はこちら

「歌う医師があなたの声をデザインする」の
僕の書評はこちら

『うたうこと』の
僕の書評はこちら

『歌声の科学』の
僕の書評はこちら

まとめ

ということで、声帯と声の仕組みについて、でした。

ま、知らなくても、歌は歌えますけどね。
知っとくと、考えの幅が広がりますよ、ということです。

失敗した時に試行錯誤するにしても、
少しでも知識が多い方が考えやすいかと。

ポイントは、
声帯で音を発声させる、
で、のど、口で響かせてさらに音をつくる、
ということをやっているということです。

何となく声を出してみて、
自分の体がどう動いているのか確かめてみてもいいかもしれません。

それではまたー。


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