34.歌を上手く聞かせるためにマイクをよく知ろう!マイクの性能の話

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前回は、マイクの種類とその構造について書きました。

前回の記事はこちら

それを踏まえて、マイクの使い方・・・と行きたかったのですが、
もう少し説明しておこうと思ったことがありますので、今回はそれについて。

マイクの性能の話です。



34.1.マイクの性能ってどんなのがあるの?

マイクの性能でだいたい語られるものは、この3つぐらいでしょうか。

  • 入力感度
  • 指向性
  • 周波数特性

それぞれについて解説してみまーす。

34.2.マイクの入力感度

これは、マイクがどれだけ音を拾いやすいか、ということですね。
だいたい、[dB/Pa]という単位で語られます。

まぁ、ざっくりいうと、-20[dB/Pa]のマイクと、-40[db/Pa]のマイクがあったとしたら、
感度がいいのは-20[dB/Pa]のマイクです。

・・・あんまり物理とか習ってないし苦手!という方は、この単位が何者かがよくわからないかもしれませんが。。

dBとは、デシベル、といいます。
音を扱う話の流れの中では、音量の単位だと思ってもらればよいです。
dBは対数を使った単位なので、0dBを基準と仮定すると、10倍強い音は20dB、100倍強い音は40dB、1000倍強い音は60dB・・・となります。
逆に、10倍弱い音は-20dB、100倍弱い音は-40dB・・・です。

数学がわかる人には、
音量(dB) = 20 × log(対象の音圧 / 基準音圧)
と書くとわかりやすいでしょうか。

Paは、パスカル、つまり、気圧の単位ですね。
ピアノを強く引いたときに出る音(=気圧の変化)がだいたい1Paぐらい、なのだそうです。

ということで、さきほどの例えでいうと、-20[dB/Pa]の場合、
1Paの気圧の変化を、-20dBの音量ととらえてくれる、ということです。
-40[dB/Pa]の場合だと、
1Paの気圧の変化を、-40dBの音量ととらえてくれる、ということです。
つまり、-20[dB/Pa]のものと比べると、-40[db/Pa]のマイクは10倍弱い音に聞こえる、というわけですね。

34.3.指向性

突然ですが、みなさんはカラオケなどで、マイクを反対向きに持って歌ったことありますか?
ないですね。そうですよね。

実は、カラオケのマイクを反対向きに持って、おしりの方から声を出してあげると、
マイクは声をほとんど拾ってくれなくなります。

これが、指向性と呼ばれる特性です。

指向性の種類も、大きく分けると3つの種類があります。

  • 無指向性:全方位からの音を拾います
  • 単一指向性:正面からの音をよく拾います、側面や後方からの音はあまり拾いません
  • 双指向性:正面と後方からの音を拾います、側面からの音はあまり拾いません

単一指向性は、カーディオイド、とも言います。
その中でも、スーパーカーディオイド、ハイパーカーディオイド、ウルトラカーディオイド・・・
と種類がわかれるようですが、まあ、ここでは細かいことは言いません。
すっげー単一指向性、と思っていただければ、ほぼ大丈夫です。

それよりも、マイクのカタログに指向性を表すグラフ(ポーラーパターンと言います)がありますが、
あれの見方を説明しておきます。

こんなやつ。
34_1_polor

これは、ダイヤフラム(=振動板)の正面を0°、つまり、マイクの正面を0°、
マイクの後ろを180°として、
マイクの正面からどれだけの角度ずれると、感度がどれだけ下がってしまうのか、というのを表した図です。

34_2_diraction

で、グラフの青い線が、感度を示します。
グラフの円のより外側にあると、感度が高いということを示します。
中心に近づくほど、感度が低い、ということになります。

例えば、先ほどのグラフで言うと、0°から90°手前までぐらいは感度は一定ですが、
90°あたりから、青い線が円の中心に向かい始めています。(=感度が低くなる)
そして、150°から210°の間は、完全に円の中心にいる(=音を拾わない)
ということになります。

まあ、現実には「完全に音を拾わない」というのはありえないかもしれませんが、
一例として示しているということで。

34.4.周波数特性

最後は、周波数特性です。

こんな図。
34_3_freq

これは、どの周波数をどのぐらい拾ってくれるか、ということですね。
上の図でいうと、100Hz以下および10kHz以上だと感度が下がっていく、2kHzから10kHzあたりは感度が高い、という感じ。

ここでは周波数の詳しい話はしませんが、
すさまじく単純に、雑に言うと、
高い周波数をよく拾う=抜けがいい or キンキンした音になる
低い周波数をよく拾う=柔らかい温かみのある音 or こもってモソモソした音
となります。

どのあたりの周波数をよく拾ってくれるか、というのがマイクの音質を決めるものになります。
お好みの音を見つける参考にしていただければ。

34.5.で、結局どういうマイクがいいマイクなの?

そう、良いマイクとはなんぞや。
それは、

わかりません(!!!)

あ、ごめん、嘘。うそ、冗談だって。

まああながち冗談でもないのですが、
こればっかりは、用途によって大まかに決めて、そして実際に使ってみる
ということになるかと思います。

例えば、歌のレコーディングで使う場合は、
無指向性で感度が良いものが適しているでしょう。
防音施設で周りが静かなので、感度が高くてもノイズが乗りにくいからです。

ライブで使う場合は、
単一指向性で感度はそれほど高くなくてもいいのかもしれません。
周りでいろんな音が鳴っているので、雑音を拾わないようにしたいからです。

ラジオなどのように人が向かい合って喋るのを録音したいときは
双指向性のものがいいのかもしれません。
多くの人が喋るような討論を録りたい、となれば、
無指向性のマイクがよいでしょう。

ナレーションなどの録音をしたいときは
低めの周波数をよく拾って柔らかい印象を与えるものがいいのかもしれません。
逆に歌の場合は
中域から高めの周波数をよく拾って抜けのいい音がいいのかもしれません。

というように、それぞれの特性を知って、使う場面によって使い分けるのが良いです。
また、その人の声の特徴や、作りたい音楽の方向性にもよるでしょう。

ここまでで説明してきた、マイクの性能の話は、こうだから良い、悪い、というものではなく、
必要な場面に、必要なマイクを選ぶための判断基準、だと思ってください。

まとめ

マイクの性能の話として、以下のことを解説しました。

  • 入力感度
  • 指向性
  • 周波数特性

使いたい場面によって、より適したマイクを選んでみてください。
最終的には、つかってみて良し悪しが判断できるものかと思います。


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