72.フェイクっぽくためて、ずらして歌おう!キムタクに学ぶシンコペーション

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こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

今回はフェイクっぽい「ため方」、「ずらし方」ということでお送りします。
もう自分では結構上手くなってきた気がするし、そろそろ普通に歌うだけでは面白くなくなってきたなー、とお考えのあなた。
いや、私はそんなに上手くないけど、でもせっかくだし上手そうに歌ってみたいなあ、とお考えのあなたも。
ちょっとカッコいいっぽく見える歌い方、やってみましょう。

今回はズバり、キムタク風、です。
以前、木村拓哉から学ぶ!みたいな記事を書いた時にも触れましたが、木村くんはこれでもかとばかりにためて、ずらしてきます。
実際にどうやったらカッコよくためて、ずらすことができるのか。解説してみます。



72.1.とりあえず聞いてみましょう

まあ、とりあえず聞いてみましょうか。
SMAPの「世界に一つだけの花」
0:56あたりからと、2:36あたりから
それぞれ、1番、2番のAメロの後半を歌っています。

72.2.キムタクはどう歌っているのか

先ほどの動画の0:56あたりから始まる、1番のAメロ後半。
木村拓哉パートを譜面にしてみました。

まずは途中まで。
上が普通に歌う場合の譜面、下がキムタク風の譜面です。
72_01_sekai1

赤くなっているところが、ためている、ずらしているところです。
細かい解説はあとにして、とりあえず後半の方も見ておきましょう。

72_02_sekai2

半分以上赤いやないか!キムタクどないなっとるんや!

72.3.シンコペーション

はい、落ち着きましょう。
では解説してみまーす。

まずは前半のこっち。
72_01_sekai1

音で聞いてみるとこんな感じです。まずは普通のバージョン。

つづいてキムタクバージョン。

これ、キムタクが何をやっているのかというと。
シンコペーションです!

シ、シンコ・・・?マダムシンコ?

いえ、シンコペーションです。

以前、リズムを解説したこちらの記事で、
強拍弱拍という言葉を書きましたが、
この強弱の役割をわざとずらすことをシンコペーションと言います。

じつは、ノーマルバージョンのほうがシンコペーションしていて、それをキムタクが元に戻している、という感じです。
どういうことかというと。

先ほどの譜面を、あえて十六分音符で書き直してみると。
72_07_sekai1_omoteura

こんな感じです。
ノーマル版を見ると、「ことも」の「と」、「しない」の「な」が、それぞれ表拍と裏拍の間に来ています。

強拍、弱拍の話をすると、
ざっくり言って、表拍>裏拍>その間の拍、という順番に弱くなっていくという決まりがあるのですが、
発音の出だしが、あえて「その間の拍」から始まって、表拍までつながっています。

つまり、弱い拍で始まって、強い拍まで音が続いている。
こういうパターンをシンコペーションといいます。
本来は強拍から音が始まるはずなのに、それをずらしている印象になるんですね。
正確には他にもパターンがあるので、シンコペーションの一種、と言ったほうがいいかもしれません。

さて、それに対してキムタク版を見てみると、
「ことも」の「と」、「しない」の「な」が、それぞれ表拍、裏拍に来ています。
シンコペーションが回避されているのですね。

正確に言うと、「しない」の「な」は裏拍から始まって、そのまま表拍まで伸ばしているので、これはこれでシンコペーションです。
ただズレ方が変わった、と言った方がいいかもです。

では、後半の方も見ておきましょうか。
72_02_sekai2

普通のバージョンの音。

キムタクバージョンの音。

もうめんどくさくなったので十六分音符で書き直しませんが。。
バケツの「なか」:元々強拍から始まっていた音を、少し早めて弱拍から始めている
ほこらし「げに」:元々強拍から始まっていた音を、少し遅めて弱拍から始めている
という、シンコペーションに変えたパターンです。

逆に。
しゃんと「むねを」、「はって」いる、の2箇所は元々弱拍から始まっていた音を、少し早めて強拍から始めている
という、シンコペーションを回避したパターンです。

じつは結構いろんなパターンをやっているんですね。

72.4.で、どうやったらできるようになるの?

理屈はわかったけど、それってどうやったらできるようになるの?という話。
まあ、理屈がわかれば後は練習だよね、ということなんですが。

まずは、表、裏、付点音符のリズム、それぞれが、どんなリズム感になっているのかを覚えてしまいましょう。
こちらの発声練習音源にて、リズム練習用の音源があるので、
それぞれメトロノームに合わせるとどういう風に聞こえるのかを感じて覚えてしまってください。

で、シンコペーションを見つけたら、つまり裏拍から始まる音や、さらにその間(十六分音符の音)を見つけたら、
一度、お近くの表拍、裏拍にずらしてみてください。
・・・カッコよくないところも多々あると思いますが、カッコいいところだけ採用しましょう。

どんなところをずらしたらカッコいいかがわかるには慣れが必要だとは思いますが。
何度も試してやってみて体で覚えてしまう、というのが結局のところ答えなのだと思います。

まとめ

ということで、ため方、ずらし方の話でした。

シンコペーションをしたり、しなかったりするのがため、ずらしの理屈です。
ちょっとややこしい話かもしれませんが、楽譜を見て音を聞いて、理屈 + 感覚で覚えてしまいましょう。

覚えたら、あとは実践あるのみです。
実際に似たようなフレーズを自分で歌ってみて、カッコいいかな?どうかな?とチェックしてみましょう。
最初はよくわからないかもしれませんが、次第に慣れてきますよ。


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