75.ボイトレ理論をひも解く!声区についての話

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こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

先日、Twitter経由でこういう記事を見つけまして。
三声区っていう考え方って、ほんとに必要なの?というつぶやき。

それに触発されて、今回は声区(せいく)、という言葉について書いてみようと思います。
みなさんは声区という言葉、聞いたことはあるでしょうか?
ネットでボイトレのことを調べたりするとよく出てくる言葉なので、知っている方もいらっしゃるかもしれません。

簡単に言うと、低い音程、高い音程それぞれで声の出し方が変わっていくので、その声を分類しよう、ということです。

この言葉、なんだかわかりにくいし、いろんな情報があってよくわかんない、という印象を持っている方もいらっしゃるかも知れません。
今回は、そんな声区について、僕の持論も交えて書いてみたいと思います。



75.1.声区とは何か

みなさん、地声と裏声、というのはわかりますね?
低めの音程、出しやすい音程あたりで出す声が地声、高い音程でちょっと鋭い音を出すのは裏声。

この二種類に分類することを二声区と言います。
・・・色を変えましたが、覚えるほどの言葉ではないです。声区が二個あるから二声区、というだけのことです。

要は、違う声の出し方をする区間、これを声区といいます。
mid2Fまでは地声だけど、それより高いと裏声になっちゃうわー、という場合、
mid2Fまでの音域を地声の声区と定義し、
それより高い音域は裏声の声区と定義する、ということです。
当然ながら、人によって出せる声の高さが違うので、声区も人によって違います。

ちなみに、音程の名前(mid2F)がよくわからない方は
こちらの解説もどうぞ

75.2.三声区、四声区・・・

じゃあ、その声区って何個あるの?という話。
この話、実は非常にややこしいのです。
なぜなら、人によって言うことが違うから。

三声区

三声区を語っている人としては、ここのブログが図入りでわかりやすかった。

要するに、裏声と地声の間に「ミドルボイス」(人によっては中高音域とか呼ぶ)と呼ばれる、自然で力強い高音が出せる声が存在するんだよ、という考え方です。
これが出せるようにすれば、低音も高音も、ミドルボイスが橋渡しになってつなぎ目が自然になってどの音域でも出せるようになるよ!ということ。
これがちまたで噂のミックスボイスという理論です。

地声と裏声については、声の出し方、声帯の使い方が明確に違うことが、科学的にも確認されているそうです。
ここでは簡潔に書きますが、声帯を柔らかいまま振動させるのが地声、
声帯を硬くして、細かい振動をさせて高い声を出すのが裏声です。

地声 → 声帯がだんだん硬くなる → 裏声
という変遷をたどる、と考えると、だんだん硬くしていっている間の声をミドルボイスと呼ぶべきなのだと思います。
・・・たぶんね。
たぶんというのは、このあたりの科学的な解説をあまり見かけないので。。僕が調べきれないだけなんだろうか。。
地声と裏声の出し方の違いだけから考えると、上記のように考えるのが自然な気がしています。

また、ミックスボイスについては、うちのブログでも一度、こちらの記事で取り上げました。
このときにも書きましたが、ミックスボイスという言葉がそもそも人によって定義が異なっていたりします。

このように、科学的にほんとにそうなのか?という疑問が残ってしまうのと、人によってはもっとややこしいことを言い出したりしていまいち統一された見解が無いように思えるので、僕は個人的にこの「ミックスボイス」という理論を使うのがあまり好きではないのです。
単純に、地声と裏声、両方しっかりした声が出せるようにしましょうね、ということは言いますけど。

四声区

四声区を語る人、「れみぼいす」さん。

これは、地声と裏声の二声区に、超高音区と超低音区を追加したものです。
超高音区はホイッスルボイス、超低音区はエッジボイス、をそれぞれ声区として追加しているのです。

ホイッスルボイスとは、裏声でも出せないすっげぇ高い声です。
ホイッスルボイスは出せる人が本当に限られるのと、
飛び道具感が強くて、通常歌の表現として使うというよりも、すげぇ!高い!と驚かせる用途にしか使えないのではないかと思うので、
うちのブログでは今後も取り扱わないと思います。

エッジボイスとは、低音にどんどん下げていくと出てくる「ア゛ア゛ア゛・・・」というざらざら、ぶつぶつした声のことです。
こちらの記事でも一度取り上げたことがあります。
印象を付けるテクニックとして通常の声と混ぜて使う人もいるので、取り入れていってみても良いと思います。

六声区

六声区というのも見かけます。

先ほど、地声と裏声のちがいとして、
声帯を柔らかいままにしとくか、硬くするかという違いがある、と書きました。
もう一つ、音程を変える際には、声帯を振動させる長さも微妙に変化しているんですね。
この六声区では、その硬さと長さの組み合わせを考えてやろう、ということ。

つまり、声帯を柔らかい、硬いの2パターンに分ける。
長い、ちょっと短い、短いの3パターンに分ける。
これで、2×3で6通りになるので、六声区、ということですね。

理屈はわかるのですが、そこまで細かいこと考えて声出せるんだろうか、という不安と、
声帯が振動する長さについて、一部削減、大部分削減となっていますが、なぜこの2か所だけが分類されているのかがよくわからない。
この長さを分類する明確な基準がある?声帯の長さは連続的に変わるのではないのか?
という疑問があります。

75.3.結局、どの考え方がいいの?

色々挙げてみましたし、たぶんほかにも色んな理論を提唱されている方もいるとは思いますが、
結局どの考え方が正しくて、どの考え方がいいのか。

極論ですが、どの考え方も間違っているわけではないと思います。
声区というのは、便宜上名前を付けるために分類しているものなので、別にどれでもいいじゃない、と僕は思っています。

ただ、各トレーナーさんやブログさんによって、説明するための理論をそれぞれ構築されているわけで、
そのために何声区で分ける考え方が必要なんだ、というのであれば、それを理解して練習すればいい思います。

僕は、シンプルに地声と裏声、という言い方しかあまり使いません。
それだけでも、力み方や響かせ方、声色の変化によって色んな声が出せるので、むやみに分類を増やしてもしょうがないかなと。

75.4.根底はおなじだったりする

各声区の理論について、見た目は違いますが、根底で言っていることは実は同じだったりもします。

例えば、ミックスボイスの話。
地声と裏声の間のミドルボイスを出せるようにすると、きれいにつながるよ、という話でした。

僕も、ミドルボイスやミックスボイスという言葉は使わないものの、
地声ではしんどいけど裏声にするほどでもない音域があることは教えたりします(喚声点といいます)
じゃあ地声でもっと高いところを出せるように、裏声ではもっと低いところまで出せるように、
と練習していったりします。

これは、ミドルボイスやミックスボイスという呼び方をしていないだけで、やりたいことは似ています。
ただ、ミドルボイス、と明確に分類することに僕が疑問を感じているだけです。

また、六声区の話。
声帯の柔らかい、硬いの2パターンと、長さを3パターンに分類したものでした。

先ほどの文章の中で若干の疑問を呈してはいましたが、
硬さを変えることで地声、裏声が切り替わっていることや、
声帯の長さを変えることで音程を変えていることは、僕としても異論はありません。
(正確に言うと声帯の厚さも関係していますが、それについても異論はありません。ここでは記載省略していますが。)

あとは、それを分類する必要があるのかどうか、という部分に僕が疑問を感じているだけです。
分類するのに明らかな切り替わりがあったり、基準があったりするのであれば納得するのですが。
ブログをすべて読んだわけではないので僕が理解していないだけかも知れませんが、
おそらく、六声区に分けることで説明できること、わかりやすいことがあるのだろうなと想像しています。

まとめ

ということで、声区の分類について書いてみました。

色んな説がありますが、それぞれの「流派」みたいなものだと思えばいいのかと。
それぞれに理論を構築されているので、その理論を信じて練習してもらえればいいのだと思います。

個人的には、小難しいことを考えても声は出せないんじゃないかなぁ、と思っているので、シンプルに二声区で教えています。

この手の話はややこしいので、僕も理解できていないところがあるかもしれません。。
なにか間違っているところがあれば、ぜひ教えてください。


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