93.流行り言葉に捉われない!あいまいな用語に惑わされない練習を

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こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

今回は、流行り言葉に必要以上に捉われないようにしよう、というテーマで書いてみようと思います。

ボイストレーニングの世界は、特に定義が曖昧な言葉が流行りやすい世界ではないかと思います。
それらに対して、どういうスタンスで対応すればいいのか。

僕なりの解釈ではありますが、書いてみたいと思います。



93.1.流行り言葉のようなもの、とは?

僕が本格的にボイストレーニングのことを勉強し始めて、一番わからなかった話は、声区の話と、ミックスボイスの話です。

関連する記事もいくつか書きましたが。

75.ボイトレ理論をひも解く!声区についての話

26.高い声が出せる?ミックスボイスの出し方を身につけよう

この辺りでも書きましたが、声区をどのように分けるのかというのは、人によって解釈が様々です。
また、「ミックスボイス」という言葉は、人によって意味合いが違って使われている言葉のようです。

僕のところに来てた生徒さんで、「以前に通ってたトレーナーさんからは、高音がミックスっぽくなって弱々しくなっちゃってる、って指摘されたんです」なんてことを教えてくれた人がいました。
・・・おかしいな。ミックスボイスって、「いい声」の代名詞なのでは??

それぐらい、人によって解釈が違う言葉があります。
ボイトレの世界はややこしや。。

93.2.流行り言葉の定義はあいまいになりやすい

僕も、言葉が流行ること自体は否定しません。
みんながその言葉を理解できていれば、それで。

・・・そう、みんながその言葉を理解できていればです。

「言葉」というのは、なにかしらの物体や現象、概念に対して、一言で言いあらわせるように名前をつけたものです。

たとえば、世の中に「音楽」という言葉がなかったとしたら?

「なんか耳から聞こえてくる、いろんな楽器がなってて混ざり合って心地いい感じに聞こえる、たまに不協和音とか聞こえてくるけどそれもいい味になる、あれ、あれ聞きたい!」
などと毎回言わないといけなくなります。
面倒ですね。

そういうものをまとめて「音楽」という名前をつけておくと、何かと便利です。
「ちょっと音楽聞こうよ」
さっきの長文が、たった一言で済んじゃう!

それと同じように、「ミックスボイス」という名前を誰かが作ったわけですね。
「高音でもいい声出せる、あの声」を「ミックスボイス」と呼ぼう。と。

それはいいんですが、その「ミックスボイス」という言葉の定義が曖昧であったりすると、その言葉の解釈が人によって違ってしまうという現象が起きてしまいます。

ある人は、裏声と地声を混ぜた声だ、という。
ある人は、そもそも混ぜることなんてできない、という。
別の人は、それミドルボイスっていうのと一緒だよ、という。
更には、高音で弱々しいからミックスボイスだね、という。

どうしてこういうことになるのか。

93.3.なんで解釈の違いが出てくるのか

なんでこんなことが起こるのか。

  • 定義があいまいなまま言葉が作られた
  • 言葉の解釈を、使う人たちが間違えた

という両面が考えられると思います。

そもそも、ボイストレーニングというものの性質上、声を出す仕組み、というものの理解があいまいになってしまう、ということが大きな原因の一つだと思います。

声という楽器は、人間の体を使って発声されるもの。
では、体のどの部分が作用して、どの筋肉が運動して、どこが音響効果を生み出して・・・
という部分、人体の動きが人の目で見てわかんないですよね。

今でこそ色んな研究が進んで、

  • 息を吐く強さで音量が変わる
  • 音程の変化によって必要な息の強さが変わる
  • 声帯が震えることで音が出る
  • 声帯の形態、硬さや締め具合で音程や音質をコントロールしてる
  • 声帯から口までの空洞の形によって音の響き方が変化する

などなどの要素で人間の声が作られる、ということはわかってきています。

それはわかったとして。
じゃあ実際、僕が、あるいは誰かが、思ったような声を出そうとして、
どうすればいいんだろう。

息をあと5ml多めに吐いて!とか
声帯をあと2mmほど締めて!とか
そんなこと言われても。。。ということになります。

だから、ボイストレーニングで使われる言葉は、どうしてもあいまい、というか概念的な言葉になってしまいます。
「お腹から声出して!」とか
「頭のてっぺんから抜けるような声を!」とか
「大きく口を開けてあくびするように!」とか。

言ってることは間違っていないはずなんですけど、それだけやってすぐに声が出るものでもない。
もっと具体的に、このボタン押したら声出る!みたいなのないの?

そこで「このボタン」というわかりやすいポイントをみんなが探そうとします。
探そう、というか、作り出そうとします。

そうしてできた言葉が、「ミックスボイス」だったりするわけですね。

まあ、「ミックスボイス」という言葉がそんな経緯で作られたのかどうかの実際のところはわかりませんが、
あいまいな概念から無理やりわかりやすさを作ろうとすると、どうしても言葉に実態が伴わないことになります。

93.4.流行り言葉にどう対応すればいいの?

まずは、その言葉が具体的にどういう意味を持っているのか、どういうことを言わんとしている言葉なのか、をきちんとチェックすることが大事だと思います。

あとは、言葉の持つイメージに捉われないこと。
ミックスボイスさえ出せれば、歌は上手くなるんだ!というのは幻想です。
高音は出せるようになるかもしれませんが。
歌がうまいって、高音が出せるだけではないですよね。

あまりにわかりにくい言葉であれば、それに触れないでおくというのも大事かもしれません。
それってどういう意味なの?とか、どう捉えればいいの?という解釈を考えることに時間を費やしすぎると、他にやりたい練習ができなくなってしまうことも考えられますし。

93.5.「ミックスボイス」が悪いわけじゃない

あ、なんか今回の記事、ミックスボイスが悪者みたいな感じになっちゃいましたけど、そういうわけじゃないんですよ。

ミックスボイスという言葉を使って、有効なトレーニングを考えてる人もいますからね。
あいまいなまま、なんとなく使われていることがダメなので。

まとめ

ということで、流行り言葉に惑わされない!という話でした。

流行り言葉は、どうしても定義があいまいになりやすいので、
イメージ先行してないか、どういう意味でその言葉が使われているのか、をしっかり吟味して使っていきましょう。

ちなみに、なんでこんな記事を書き始めたかというと、
こんなブログ記事があったからです。

同じようなことが、ギター界でもあるんだなあと思ったので、触発されて記事を書いてみました。

正しい解釈を見極めて、いい練習をして、いい歌を歌いたいものですね。

それではまた!


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