【歌声解説】back number 清水依与吏さんの歌い方、歌唱力を解説 編集
こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。
今回は、back numberを取り上げてみたいと思います。
いま最も勢いのあるスリーピースバンド。
切ないラブソングと言えばback number。
CMやドラマ、映画のタイアップ曲として
一度は耳にしたことがある方も多いのではないかと。
そんなback numberのギターボーカルが、清水依与吏さん。
清水依与吏。
「いより」と読むそうです。
清水依与吏さんの歌声解説です。
ハッピーエンド
それでは早速聞いてみます。
back number「ハッピーエンド」
back number 清水依与吏さんの歌唱力1 しゃくりとフォール
最近、「歌声解説」シリーズをよく書いているのですが、
どのアーティストさんにも共通しているのが
多かれ少なかれ、しゃくり、フォールを入れて歌っていること、です。
清水依与吏さんも例に漏れず。
シンガーさんの特徴の見分け方というか、わかりやすさのひとつが、
このしゃくりとフォールの入れ具合、かと思います。
清水依与吏さんの場合。
例えば0:22あたりの出だしのフレーズ
「さ『よ』ならが 『の』どの奥に」
ぐっと下げた音程から「さ『⤴よ』ならが 『⤴の』どの奥に」
という具合。
また、同じくそのフレーズから続けて
「のどの奥『に』 つっかえてしまっ『て』」
ここで軽くフォールしています。
「のどの奥『に⤵』 つっかえてしまっ『て⤵』」
という感じですね。
少しじっくりと時間をかけてしゃくり、フォールをするので、
ねっとりと、少し気だるい雰囲気が出ます。
特に、切ない歌詞が印象的なback numberですから、
歌詞の印象をべっとりと塗り付けてくる、
そんな感じもしますね。
しゃくり、フォールに関してはこちらの記事も参考に。
テクニックを身につけ歌唱力を上げよう!しゃくり編
テクニックを身につけて歌唱力を上げよう!フォール編
back number 清水依与吏さんの歌唱力2 歌詞が聞こえる発音
しゃくり、フォールを特徴的に出したい、と歌ってしまうと、
発音がこもりがちになることがよくあります。
が、それだと歌詞がぼやけてしまう。
back numberは特に歌詞を聞かせるべき楽曲が多いので、
きれいに発音して、聞かせる歌い方をする必要があります。
清水依与吏さんの場合、しゃくり、フォールを多用しつつも、
発音がくずれて聞きづらくはなっていません。
ポイントは、母音をはっきりと発音すること。
特に、しゃくり時には、母音があいまいになることが多いです。
大げさと思うぐらいに、口を母音の形に合わせて動かす、
というのも有効なことです。
例えば、0:40あたりからのフレーズ
「見つかるのはあなたを 好きなわた『し』だけ」
のところ。
この『し』を発音するときに、
清水依与吏さんの口元が、大げさに「い」の形になっているのがわかりますか?
もちろん、MVなので録音した声と同期してはいないのですが、
イメージとしては、これぐらい意識をして発音してもいいよ、ということです。
発音に関しては、こちらの記事もどうぞ。
日本語の発音は大丈夫?日本語の歌詞こそきれいに発音しよう
back number 清水依与吏さんの歌唱力3 すぐに裏声にいく
裏声を有効的に使っているのも、ひとつの特徴です。
例えば、サビのフレーズ、1:32あたりから。
「それだけ言って 『キスをして』」
が全部裏声ですね。
音程としてはmid2G#、hiAあたりが出てきていますね。
(※音名mid2G#、hiAについてはこちらへ)
確かに、ラクに出せる音域ではないので、
人によっては裏声にしたほうがいい、という場合もあるかもしれません。
で、清水依与吏さんの場合、高い音程に行くと、
すぐに裏声に逃げる、というイメージが僕にはあります。
例えばほかの曲でいうと、「クリスマスソング」
サビの途中、1:26あたり「『い』いよー」というところ
その後のフレーズも
「そんなこと自分で わ『かっ』てるよ」
いずれも裏声ですね。
「いいよー」はmid2G#、
「わかってるよ」はhiA、hiBが出てきます。
ところがその後、
1:36からのフレーズ「し『か』たないよなあ」
ここはhiAまで上がっているけど地声です。
なので、決して高い音が出せない、というわけではないのですが、
表現の方法として裏声を選んでいる、ということが言えるかと。
back numberは、恋をして弱気になったり、
わざと強がって見せる男性を描いていることが多い、と僕は思っています。
クリスマスソングは、まさにそんな曲。
そこで、強がっているけど実は弱い、
めめしい部分があらわになってしまっている、
そんな表現をするために「裏声」を選ぶ、という選択。
裏声に「逃げる」と言いましたが、
逃げるのは別に悪いことではありません。
それが表現として狙ったものであるならなおさら。
サビの高音に、あえて裏声を当てる選択をすることで、
切ない雰囲気がより強調されてくる。
back numberの歌作りのポイントのひとつだと思います。
まとめ
ということで、back number清水依与吏さんの歌声解説でした。
気だるい雰囲気のしゃくり、フォールを入れつつも
発音をしっかりとしているため、歌詞が印象に残る。
必要なところで裏声を効かせることによって
さらにback numberの世界観を損なわずに歌いこなしている。
といったところです。
みなさんがカラオケなどで歌うときも、世界観を大事に。
月並みな表現をすると、感情をこめて歌うというのが大事かと。
伝えたいんだ、この気持ち!という姿勢で。
伝えたい、なら、どう歌えば伝わるのか、
それを考えながら歌ってみて頂ければと思います。
それではまたー。
あなたの歌声、解説します!
「ココナラ」でお手軽ボイトレ承り中詳しくは↓こちらから↓
ご意見、質問はこちらからもどうぞ
激遅で流行りに乗って、質問箱作ってみました。
— でんすけᔦꙬᔨボイストレーナー (@densuke_snail) March 9, 2018
ボイトレのことからスプラトゥーンのこと、個人的なことなど、お気軽にどうぞ。
でんすけᔦꙬᔨボイストレーナーの質問箱です https://t.co/Dgyv9Ah19f #質問箱 #peing