鬼束ちひろさんの歌い方、歌唱力を解説


こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

今回は、鬼束ちひろさんを取り上げたいと思います。
今回も歌声解説リクエストいただきました。ありがとうございます。

鬼束ちひろさんと言えば。
「月光」のイメージが強いんじゃないかと。
僕もそう思っていました。

この記事を書くにあたって、YouTubeで
過去に出演されていた番組なんかをいろいろ見てたんですが。

なんか、キャラすごいっすね。

ここには動画も挙げませんし、
どうのこうの言うつもりもありませんが。
なんかとにかく、すごいキャラですね。
ちょっと何言ってるかわからないレベル。。
いわゆる、破天荒なキャラ、と言えばいいでしょうか。

そういえば、Twitterですさまじく過激な発言をして
ちょっとニュースになったこともありました。

そんな危うさも兼ね備えつつ、
でも考えさせられる歌詞を書ける才能も持ちつつ。
良くも悪くも「アーティスト」という感じですね。

そんな鬼束ちひろさんの歌声解説。



月光

ということで、聞いてみましょう。
鬼束ちひろ「月光」

鬼束ちひろさんの歌唱力1 重厚な声

鬼束ちひろさんの歌声の一番の特徴は、その声質です。

口の奥で少しこもらせてから出すような、
重厚な歌声です。

それが、このゆったりとしたテンポと
訴えかけてくるような歌詞に相まって
強い説得力を出しているように聞こえます。

真似したくなる声ですよね。
・・・そうでもないですか?

同じような声を出そうと思うと、
口の奥の方を開けながら、
舌の根元の方をすこしだけ上に持ち上げて空洞を狭めてあげると
ちょっと似たような声になるかと思います。

やりすぎると、声が前に出てこずに
こもっただけの声になるのでダメですけどね。

鬼束ちひろさんの歌唱力2 十分な声量

先ほどの声質の話に続くのですが。
少しこもらせているような声質になりながら、
十分な声量を確保しているのも特徴的です。

「こもらせる」という「味付け」は最小限にして
声を前に出す、という意識がしっかりと出ている感じです。

ただ重たくなるわけではなく、
きちんと訴えかけてくるのは、
声をきちんと響かせて前に出てきているから、です。

声の響きに関してはこちらの記事も参考にどうぞ。

響きを意識すると歌が上手くなる!声の仕組みを知って、響かせ方のコツをつかもう

鬼束ちひろさんの歌唱力3 息のコントロール・表現

個人的に、久しぶりに鬼束ちひろさんの歌を聞かせていただいたんですが。
上手いな、というのが正直な感想です。

この歌声解説というシリーズでいろんな歌手の方を書いてきて、
なるべく「歌が上手い」という単純な表現は避けてきたんですが。

なんというか、歌が上手い。

その要因の一つだと思われるのが、息のコントロールです。

どこがどう、と言われると説明しづらいのですが。。
なんというか、ここをこう表現しよう、という意図が
そのまま声になって出てきているような感じがします。

「意図」がそのまま「体現」できている(ように聞こえる)
という点で、歌が上手い、と表現しています。

ひとつ具体的に挙げると。
0:12「I’m 『gods』 child」
『gods』だけものすごく息を抜いてきてます。

すべてを同じような発声で出してしまうことによって
平坦でベタっとした印象になるのを防ごうとしたのか、
『gods』という言葉を強調したかったのか。
いずれにせよ、インパクトのある表現になっています。

あと、1:11あたりからのAメロ途中のフレーズ
「倒れそうになるのを」

他のフレーズよりもすこし息を抜き気味で変化をつけてますが、
息を抜きすぎて芯が無くならないぐらいの加減で収めています。

また最後の「を」の伸ばし方も、
だんだん息を抜くような声に変化するように伸ばして
かつ最後までしっかりと声を出している。
こういうことやると、最後まで声が続かずに切れてしまうことがあるのですが、
細い声をしっかりと最後まで出している。

などなど。
細かすぎて説明していくと野暮になりますが、
とにかくコントロールがうまい、
という感想を抱いたわけですよ、僕は。

鬼束ちひろさんの歌声を例えると

毎度おなじみ、
鬼束ちひろさんの歌声を何かに例えてみようのコーナーです。
誰得なコーナーですね。

「波立つ海」というのはいかがでしょうか。

時に穏やかだけど、ときに力強く。
色んな表情を見せる海の波。

たまに飲み込まれて、沈められるときもありそうですが。
考えさせられてへこんでも
逆に自然の雄大さに感動を味わうこともありそう。

どちらかというと、夜の海っぽいですよね。
月光だからというわけでもないですが、
日中、晴れてキラキラ光る水面がきれいな感じよりも、
薄暗い中に月光だけが光ってきれいなんだけど
いつ荒れるか分からないような不気味さも兼ね備えつつ。

まとめ

ということで、鬼束ちひろさんの歌声解説でした。

歌声のコントロールが上手くて
説得力のある歌唱力の持ち主です。

喋ると結構クセの強いキャラですが。。
そこら辺のギャップも、ハマる人にはハマるのではないでしょうか。

それではまたー。

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