【歌声解説】菅田将暉さんの歌い方、歌唱力を解説


こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

今回は、菅田将暉さんを取り上げてみたいと思います。
「すだまさき」さんですね。
いまや、ドラマ、映画、CMで引っ張りだこ俳優。
タコ俳優ですよ、まったく。

大阪出身ということで。
箕面ですか。そうですか。
大阪と言えばたこ焼きですね。
タコ俳優ですよ、まったく。

大阪人の僕としては、
大阪出身というだけで勝手に親近感を覚えるわけです。
僕だけですかね?
タコ俳優ですよ、まったく。(関係ない

そんなわけで。
auのCMで「鬼ちゃん」役で出演している菅田将暉さん。
最近、歌も出して注目されていますね。
その歌声を解説してみようと思います。



見たこともない景色

では聞いてみます。
菅田将暉「見たこともない景色」

 

菅田将暉さんの歌唱力1 低音が渋い

菅田将暉さんの歌い方、低音部分が渋い。
そう、僕は思います。
表現力がいろいろと見て取れる感じです。

例えば、0:15からの出だし
「どうしてそんなに走れるの」
ここだけでも、彼のポテンシャルの高さがうかがえます。

そもそも、低音って意外と安定させにくいのですが、
そのしんどさをまったく感じさせない歌い方。
安定してます。

また、低音ならではのガラガラっとしたノイズ。
雰囲気を作ろうとして狙わないと上手く混ざりません。

そして、「『は』しれるの」の『は』の息の抜き方。
吐息のように息をしっかり抜きつつも
ちゃんと『は』の発音を効かせている。
こういう小細工のコントロールもできています。

個人的に気になるのは、
「走れ『る』の」の『る』
ここだけ巻き舌になっているところです。

ぶっきらぼうな雰囲気を出そうとしたのか、
それともまちがって巻き舌になったのか。

他の箇所では巻き舌が出てこないので、
「なっちゃった」パターンじゃないかと思います。
それでもOKという判断で、音源として残ったのかしら。
経緯はわかりませんが、
僕、個人的には、この表現にちょっと違和感を感じてます。

でも逆に言えば、巻き舌も表現力のひとつとして使えるんだよ、
というアピールとも考えられるかと。
色んな声を出し分けられますよ、という。

そんなこんな、いろいろあるので、
この出だしのフレーズだけを見ても、
彼の表現力、ポテンシャルの高さが見て取れます。

菅田将暉さんの歌唱力2 必死だけど必死に聞こえない

全体を通して、かなり必死に歌ってるように思われます。

「いや、そうでもないんじゃない?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、何となく聞いていると、必死な感じじゃなく聞こえます。

なにが必死っぽいのか、解説してみますと。

0:25あたりからのBメロ
「僕『た』ちの声が」の『た』のあたり。
この声、少し硬さがあると思いませんか?
頑張って「ロックっぽさ」を出そうとして
無理して出している声に聞こえます。

その後、0:30あたりからのフレーズ
「泥だらけで進んで 傷だらけでもがくの」
すこしだけですが、
たどたどしくてリズムに乗りきれない感じ。

特に「もがくの」あたりを
頑張ってリズムに乗せようとして押し込んだ感じ。

あと、0:50あたりからのサビのフレーズ
「日本の太陽に未来照らされて」
全体的に、必死に歌ってます。
『太陽』あたりが音程が高いのですが、
それより音程が下がる『照らされて』も
引きずられて頑張ってる感じになってます。

・・・さて。
なんだか菅田将暉をディスっているように見えますが、そういうわけではなく。

ポイントなのは、
「必死にやってる」けど、意外と安定している
という菅田将暉さんの歌唱力の高さです。

この「必死な」歌い方をすると、どうしても崩れてしまいがち。
高音が出なかったり、その高音の後で音を外してしまったり、
曲調と合わない声が出てしまったり。

なんですが、崩れないだけの基礎力を持っているだけに、
必死に歌っても崩れない、のが
菅田将暉さんのすごいところです。

これを「必死じゃないんだけど、必死に聞こえる歌い方」
ができるようになると、歌手になれます。
わざと発音を崩したり、声を歪ませたり、
いわゆる「ロック」っぽい歌い方を
「必死じゃなく、テクニックでやる」と。

・・・いや、歌手じゃないんだから、できなくてもいいんですけどね。

いずれにしても、
「自分が表現したい方向性」の表現を
「自分が持ってる力を必死に出して表現する」
という所が
この曲の魅力の一つになっているように思われます。

菅田将暉さんの歌声を例えると

菅田将暉さんの歌声を何かに例えてみようのコーナーです。

「若手バンドのボーカル」です。

なんか、そのままな感じやん。

いや、でも、若手バンドのボーカルで、こんな感じの人、いそうですよね。
それぐらい菅田将暉さんが歌っている歌に違和感が少ないというか、
もうあと一歩のことができたら、上手い歌手になれそう!
ぐらいのポジションにいる感じ。

曲の内容にしても、「若手バンドのボーカル」っぽい。
フレッシュで勢いのある感じですね。

まとめ

ということで、菅田将暉さんの歌声解説でした。

本業が歌手じゃない人の解説は初めてですが。
興味本位でちょっと聞いてみたら、意外とやるやん!
と思ったので、記事にしてみました。

俳優としてもかなり実力を評価されていますが、
歌手としてもなかなかいいんじゃないでしょうか。
マルチな人ですね。
タコ俳優ですよ、まったく。(何が

それではまたー。

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2 thoughts on “【歌声解説】菅田将暉さんの歌い方、歌唱力を解説”

  1. 匿名 says:

    CDじゃない修正前の歌声聴いたらすごく無理してる感がでてて、音痴ですよ。
    菅田くんの音楽収録のところをテレビで放送してて、「こんなに音痴な人でも上手に聴こえるように修正されるのか」って驚きました。
    なのに、世間はみんな上手い上手い言うてるからモヤモヤしてます。だからコメントしちゃいました。役者の菅田将暉くんは好きなんですけどね

    1. densuke says:

      コメントありがとうございます。

      確かに。音源になっているものは少なからず修正されていることがほとんどです。
      もうちょっと細かく言うと、
      ・ピッチ補正で音程を修正されている
      ・リバーブ、コーラスなどのエフェクトできれいに加工されている
      ・何度も録りなおして良いところを使っている
      といった感じ。

      どれだけ修正しても無理してる感が完全に消せるものではない、というのは
      記事の中で指摘した通りではありますが、
      音程やリズムが「妙なズレ」を起こしているかどうかは
      音源だけを聞いていても分からないところではあります。

      「こういう表現をしたい」という表現に着地させて「音源」にまとめるのは
      菅田将暉さん本人の力量によるもの、プラス
      レコーディングやミックスのエンジニアさん達の力量も合わせて
      「菅田将暉」という作品が出来上がっている、という理解をして頂ければいいのかと思います。

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