高橋優さんの歌い方、歌唱力を解説


こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

今回は高橋優さんを取り上げてみたいと思います。

高橋優さんといえば。
メッセージ性の強い歌詞と
訴えかけるような歌声が特徴のシンガーソングライター。

一番有名なのは「福笑い」の歌詞の一節でしょうか。
「きっとこの世界の共通言語は英語じゃなくて笑顔だと思う」

最近では、夏の甲子園のテーマソングを作るなど
さまざまなタイアップもついている、
そんな高橋優さんの歌声解説。



高橋優「虹」

それでは聞いてみます。
高橋優「虹」

 

ジャケ写のサンドアートのメイキング映像らしいですよ。

高橋優さんの歌唱力その1 心地よいノイズ混じりの声

人間、しゃべってる声も歌っている声も、
いずれも個人個人で違う「ノイズ」が混ざっていることがありますが、
高橋優さんの場合も、高橋優さんならではのノイズが混ざった声になっています。

特に、高音に差し掛かってもずっと地声で歌っていることから、
サビでのキャッチ-なメロディーになっても
心地よいノイズが含まれた声をしっかりと絞り出してくれています。

3:13あたりBメロのフレーズ
「ついさっき派手に転んだばっかで笑『わ』れてるし」
の『わ』あたり、すこし声が歪みはじめてます。

その直後の「『あ』っちこっち痛むけど」
『あ』もかなりノイジーですね。

こういう声、
声帯の少しだけ上に仮声帯という部分があって、
ここを締めて振動させることで、
通常の声にノイズをプラスすることができる、と言われています。

極端なたとえをすると、
咳払いの時のような「ん゛、ん゛ーー」という音が混ざって
ノイジーな声になっているのですが。

ある程度ねらってこの声を出しているわけですね。
ノイズを混ぜすぎると聞き苦しい声になりますが、
軽く、味付け程度に入れていくと、
独特の個性が出た、聞きごたえのある声になります。

高橋優さんの歌唱力その2 高い地声

3:27あたりのサビのフレーズ「あの空より『あ』おく」
この『あ』の音程がhiAです。(hiAなどの音名に関してはこちら

かなり高いので地声で出すのは難しい音程なのですが、
すこし低い音程からしゃくり上げてしっかり高音に届かせています。
しゃくりはごく短く、ねっとりしすぎない程度。
かなり早いスピードで高音に当てにいっています。

これ、慣れていない人だと、
しゃくりが長すぎて、ねっとりとしながら高音へ上がっちゃう、
もしくは、結局高音に届かない、
という結果になります。

高音を地声で出しつつ、
ノイズも少し混ぜながらだす、となると
息の圧力、息を吐くいきおいが必要になります。

一気に圧力をかけて息を吐けないとしゃくりが長くなってしまうし、
圧力が足りないと高音に届かない、ということになります。

高橋優さんの場合、この息を吐くということがしっかりできているがゆえに、
これだけの高音も安定して地声で歌えるのと、
力強い歌声を出すことができるものと思われます。

高橋優さんの歌唱力その3 息継ぎの少なさ

高橋優さんの楽曲は、ブレスをする場所が極端に少ないです。

歌詞をつめこんでいるために
セリフのように言葉を歌っていることも原因のひとつではあると思いますが。

たとえば3:00あたりからのフレーズ
「空気読んで言葉飲んだ 自分じゃない自分がうずきだしてきたんなら 前へ」
ここ、「うずきだしてきたんなら」までがAメロ、
「前へ」はBメロと呼ばれる部分になると思うのですが。

通常であれば、AメロとBメロの間は一息ぐらいブレスが入れられるものですが、
この曲はそんなもん、ありません!

というように、通常ブレスしたくなる箇所でブレスを入れていない、
高橋優さんの歌い方というか、作曲するメロディの特徴です。

歌い手としてはしんどいわけですが、
「空気読んで言葉飲んだ 自分じゃない自分がうずきだしてきたんなら 前へ」
まで一息で歌い切ることによって、勢いをつけたままBメロに入れる。
軽快なノリを殺すことなくBメロまで雰囲気を残せる。
そういう効果があるように思われます。

また、4:03あたりからのサビの終わり際のフレーズ
「こぼれた涙に日が差せば虹がかかるよー」
ここ、実際に歌ってみると、かなりしんどいはずです。

直前の「それを起こしに行くんだろ」の後のブレスも短いので、
一瞬で息を吸って、長ぜりふ
「こぼれた涙に日が差せば虹がかかるよー」
です。
鬼かよ。

歌い手泣かせの曲ですが、
それを歌いこなせるだけの息のコントロールができる高橋優さん、ということです。
これができることで、聞きごたえのある歌詞を
勢いをつけたままストレートに聞き手に送り込んでくることができる。

高橋優さんの歌詞の内容の良さもさることながら、
歌い方によって、歌詞がより活かされている、ということだと思います。

ちなみに、この曲をカラオケで歌おうとする場合は、
自分は息が続くのかどうかをしっかり確認しておく方がよいと思います。
続かないのであれば、どこか無理やり区切ってブレスをする箇所を決めておきましょう。

まとめ

ということで、高橋優さんの歌声解説でした。

全然関係ないですが、
ちょっとだけ嵐の櫻井くんが眼鏡かけたっぽい顔ですよね。
嵐と高橋優、入れ替わってても気づかれない説。

高橋優っぽいノイズを乗せた声を出せること、
息をコントロールして勢いのある声をだせること、
息継ぎを少なくしてまくし立てるように歌うこと、
それが高橋優さんの歌い方の魅力になっているようです。

アツい言葉を歌うシンガーソングライター
これからも期待です!

それではまたー。

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