26.高い声が出せる?ミックスボイスの出し方を身につけよう

26_mixvoice

今回は、インターネットのボイストレーニング界隈でもよく取り上げられる
ミックスボイス」というものを取り上げてみたいと思います。

ボイストレーニングのことを勉強されている方は聞いたことがある単語かもしれません。
結局どういうものなんだろう、とか、
どうやったら出すことができるの?とか
いろいろ疑問が出てくるかと思いますので、僕なりに解説してみたいと思います。



26.1.「ミックスボイス」という言葉の定義

世の中で言われている「ミックスボイス」という言葉には、色んな意味が混在してしまっているようです。
ボイストレーニングのことを勉強されている方の中には、こっちの人とあっちの人の言っていることが違うのではないか、と思ったことのある方がいらっしゃるかもしれません。

だいたい、大きく分けると2つの意味で使われることが多いです。

  1. 高い音域の声を出すときに使う、きれいに響く声
  2. 低い音域から高い音域を続けて出していくときに、スムーズに音程を上げていけること

よく、高い声が出せる!という触れ込みで語られる場合の「ミックスボイス」というのは、1つ目の意味で使われています。

2つ目の意味は、ミックスボイスという声の出し方があるわけではない、という意味です。
低い音程と高い音程では、声の出し方が違ってくるので、それをスムーズに切り替えながら歌えること指します。
歌を聞いている側が、声の切り替えに気づかないぐらい自然に切り替えができているため、低い声と高い声がミックスされている!ということで「ミックスボイス」と呼ばれている、のだと思います。

この言葉については、実は決まった定義がされていないため、どちらかが間違っている、と言うわけではありません。
本来はどちらかに統一すべきなのだろうとは思いますが、今回は両方の考え方それぞれで考えてみようかと思います。

26.2.高い声が出せるミックスボイス

高い音域の声を出すときに使うきれいに響く声、これを「ミックスボイス」と言います!
という文脈で使われる場合、特別な発声方法としてミックスボイスが語られます。
なんというか、高い声が出せる魔法の声のようなものでしょうか。

これを「ミックスボイス」と呼ぶのが適切かどうか、という議論はさておき、
高い音域でもきれいに響く声が出したい、というポイントは間違いではないと思うので、ぜひ習得したいものです。

この場合、よく「ミックスボイスとは地声と裏声を混ぜたような声」という説明がなされます。
この説明は、なんとなく感覚がわかりにくいかなぁ、と私自身は思ってしまいます。
そもそも、地声と裏声は混ざり合うようなものなのか?学術的に(解剖学的に?)発声の仕組みが別なはずなのですが。

いずれにしても、言葉だけで説明すると非常にわかりにくいもののような感じがしますので、
実際にどうやったら出しやすいのか、という話をしてみたいと思います。

26.2.2.高い声が出せるミックスボイスの練習法

先ほどの説明が学術的に正しいかどうかの議論は一旦さておき、
ようするに高くきれいに響く声が出せればよいのですね。

よくあるのが、「ウィ(Wi)」や「キ(Ki)」、あるいは「ギ(Gi)」での発声練習です。
これらの発音は高い声を出しやすい発音ですので、高い音程を、声が裏返らないように出すようにしてみてください。
歌いたい歌の、一番高い音でやってみてもらえればと思います。
のどは力まないで!
どちらかというと、腹式呼吸でつかうお腹のあたりが支えになるイメージです。

「ウィ」などで声が出せたら、その感覚を覚えておいて、実際の歌詞で歌ってみてください。
少し出しやすくなりましたか?

このように、高い音を出しやすい発音というのがあるので、まずそれで感覚をつかんでおいて
それから実際の歌詞に置き換えてみると、わかりやすくなるのではないでしょうか。

26.3.スムーズに音程を上げていけるミックスボイス

さて次に、スムーズに音程を上げる、という意味でのミックスボイスを説明するには、
換声点(かんせいてん)」という言葉が必要になります。

例えば、ドレミファソラシド・・・と音程を上げて声を出していくと、
どこかで声が出しづらくなる音、あるいは声の出し方を変えたくなる音があると思います。
この音を「換声点」と呼びます。

この換声点を境にして、急に声の質が変わるのを防ぎましょう、というのがここでの「ミックスボイス」です。
例えば細い声になったり、キンキンする声になったり、無理やり力んで出す声になったり、
歌を聞いている側が、ここでちょっと声が変わったな、と思ってしまわないようにするわけですね。

先ほどの「高い声が出せるミックスボイス」が単発の音、あるいは高い音程のみをターゲットに考えていたのに対して、
今度は連続した音で、自然に音程を上げていく、という考え方をしています。

26.3.2.スムーズに音程を上げていけるミックスボイスの練習法

このミックスボイスの練習法としては、まずは音階をつけて発声練習をするということです。
「ドレミファソファミレド」や
「ドミソドソミド」(真ん中のドは高い方のドです)など
スケールに合わせて発声します。
このスケールを半音ずつ上げて練習してみてください。
「ハ(Ha)」でやったり、先ほど出てきた「ウィ(Wi)」でやるのもよいでしょう。

また、地声⇔裏声を行ったり来たりする発声も良いようです。
低い声から、高い裏声にいって、また低い声に帰ってくる感じです。
以前とりあげた裏声の回でも、
「裏声の練習方法」の項で練習例の音源を置いていますので、こんな感じ、という参考にしてもらえれば。

まとめ

「ミックスボイス」という言葉は、それぞれの場面で違った解釈で使われがちですが、
いずれにしても、高い声を無理なく出せるようにしたい、という思想に変わりはありません。

高い声を出す感覚を、出しやすい発音「ウィ」「キ」などでつかんでみてから
実際の歌詞に置き換えてみたり、

スケールの音階で少しずつ音程を上げながら発声することで
自然に低い声から高い声へ移動していく練習をしてみたり、

地声から裏声に行ったり来たりすることで
これまた高い声へ移動していく感覚をつかんでみたり、

といったアプローチから、高い声を出す練習をしていってみてください。

すぐにできるようになるものではないので、継続が力になるものです。
何事も、続けることが大事ですね。

補足

この記事は、「スタジオラグへおこしやす」というブログでも掲載していただきました。
よろしければそちらもご覧ください。

次回の記事では
より具体的なミックスボイスの練習方法を書きます。

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