62.歌の表現力向上に!ADSRの概念を参考に声色づくりを。
こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。
今回は、ADSRという概念を知ってもらおうと思って解説します。
なにそれおいしいの?という方。
この機会に、覚えてみてください。
ボーカルの話でADSRを持ち出してくるような人は、きっとあまりいないはず。
僕が初めてかもしれません。ウヘヘ。
いや、そんな大した話じゃないんですけどね。
ボーカルの表現力を考えるうえで参考になればと思います。
52.1.そもそもADSRってなによ
ADSRとは。
これだあ!
これです。
- Attack:音の立ち上がり。音量がいきなり最大で発生するのか、ゆっくり最大に向かうのか
- Decay:音の減衰。最大音量になった音が、どれくらいの時間でSustainレベルまで減衰するか
- Sustain:減衰後の音量。Decayタイムが経過してからは、この音量で保持し続ける
- Release:余韻。鍵盤を離してから音が残り続ける時間
という感じです。
これ、シンセサイザーで音色を作るときに使われる概念で、
ADSRそれぞれのパラメーターを調整することで狙った音を作ろうというものです。
シンセサイザーであるがゆえに、Releaseの説明に「鍵盤を離して」なんていう一文があるわけですね。
52.2.実際にADSRをいじるとどう聞こえるのか
動画にまとめてみたので、ご覧くださいませ。
ざっくりと言葉でニュアンスを伝えようとすると、こんな感じでしょうか。
- Attack:遅くすると、音の出だしのアタック感がなくなり丸くなった印象になる
- Decay:減衰を早くすると小気味よく、もしくはぶつ切れに聞こえる。Sustainと併せて使うといい感じ。
- Sustain:音を伸ばすとバイオリンなどのストリングス系などの雰囲気。音を伸ばさないとボンゴ、マラカスなど鳴らした瞬間に音が消える打楽器系の雰囲気。
- Release:ギター、ピアノなど、実際に弾いてからしばらく音が残る楽器の表現に使う
52.3.ADSRを歌に応用する
んで、これをどう歌に活かすのか。
すべてそのまま取り入れられるわけではないと思いますが、
音の成り立ちをADSRに分解して考えることができるんだ、ということを知っておくと
いろいろ応用させて考えやすくなるかと思います。
こちらも動画にしてみました。
一番わかりやすいのは、Attackですね。
音の出だしを、いきなり出すのか、柔らかく出すのかによって印象が変わります。
DecayとSustainによる音の減衰について、動画ではレガートとスタッカートみたいな感じになってますが、
実際の歌のなかでは、もう少し繊細な表現になっていくかと。
Releaseについては、ボーカルは鍵盤を押す、離すという概念がないので正確には違いますが、
音の終わり際をどれだけ伸ばすのか、ビブラートをかけるのか、といった部分の調整になるかと。
まとめ
ということで、ADSRの概念をボーカルに当てはめてみる、という話でした。
音の出だし、音を減衰させるのか、終わり際をどうするのか。
ひとつひとつの音に対して、このあたりを意識して声を出すようにすると
表現力がまたひとつレベルアップするかもしれません。
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— でんすけᔦꙬᔨボイストレーナー (@densuke_snail) March 9, 2018
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