96.歌の表現力向上にも!ボーカルにこそ弾き語りのススメ
こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。
今回は、弾き語りのススメ、というテーマで書いてみようかと。
え、ギターとかピアノとか弾けないし。。。
とお思いかもしれませんが。
楽器演奏が上手くなれ、と言うつもりもないですし、
人前で弾かなければならない、と言うつもりもないです。
ただ、弾き語りを経験しておくと、何かと役に立つんじゃない?
ということを書いてみようかと思います。
96.1.弾き語りとは?
弾き語りとは何ぞや。
いや、まぁ、わかりますよね。
楽器を弾きながら歌うことを、弾き語りと言います。
主にギターもしくはピアノを弾きながら、一人で演奏することを指します。
ウクレレでもアコーディオンでも、なんでもいいんですけどね。
この、一人で演奏している、というのが今回のポイント。
一人でやるがゆえに難しい。
一人でやるがゆえに考えることがある。
そういう話です。
96.2.楽器が演奏できるということの意義
楽器が演奏できると何がいいのか。
- かっこいい
- 便利
- ほかの楽器の考え方がわかる
はい。
そんな感じなんですけど、かっこいいとか便利とかは、正直どっちでもいいんです(ぇ
確かに、楽器弾きながら歌えた方が「デキる奴」感が出ますけど。
バンドがいなかったりカラオケ音源が無くても、楽器一つあれば伴奏つきで歌えて便利ですけど。
今回はそんなことはどっちでもいいです。
ほかの楽器の考え方がわかる
これに注目していきましょう。
96.3.ほかの楽器の考え方がわかる?
弾き語りをすると、ほかの楽器の考えていることがわかりやすくなる。
と言ったものの、ほかの楽器の考えていることってなんだ?
- テンポをキッチリ刻めているか
- いかにリズム感を出すとボーカルが歌いやすいか
- コードを切り替える位置はどこか
- ボーカルと絡むことができるところはどこか
などなど。
そんな細かいことまで考えてないよ、とか、いやもっと別のこと考えてるよ、とか、
色々あるかもしれませんが、とりあえず上記のようなことが考えられるかと。
テンポをキッチリ刻めているか
ちょっと乱暴な言い方をしますが、ほかの楽器が鳴っている中で歌う場合には、ボーカルはテンポキープをあまり主体的に考えません
基本的には他の楽器(主にドラム)がテンポをキープしているので、それに乗っかる感じ。
もしズレたら、ほかの楽器を聞いて戻せばいいわけです。
でも、弾き語りだと、そうはいきません。
いま走ってしまった、遅れてしまった、というのを自分で気づいて自分で立て直す必要があります。
すると自然と、テンポをキープしなければ、という意識ができます。
先ほど、もしズレたら他の楽器を聞いて戻せばいい、と書きましたが、
そもそも、そのスタンスで続けていることが良いことだとは言えません。
基本は他の楽器に乗っかるのですが、そこからちゃんとズレないように乗りこなすのはボーカルの仕事です。
自分で弾き語りをすることで、その意識がより明確になる、ということです。
逆に、わざとテンポをずらす(溜めたりする)のも、弾き語りをするなら自分だけの役割です。
どこでどのぐらい溜めるのが効果的か、考える必要も出てきますね。
いかにリズム感を出すとボーカルが歌いやすいか
例えば、ギター弾き語りでspitz「運命の人」を弾くとしましょう。
ギターのパターンを二つ並べてみます。
コード進行は一緒ですが、リズムパターンが違います。
さて、どちらが歌いやすいでしょう。
前半は4分でジャンジャン鳴らしてるだけ。
後半は間で少し刻んでるパターンです。
まあ、普通に聞くと、後半の刻んでるパターンの方が歌いやすいですね。
乗りやすいというか。
歌うとこんな感じです。
前半、リズムが単調なので、なんとなくまっすぐダラっと伸ばすように歌ってしまいました。
後半の方が聞いていてリズム感もあっていいかと思います。
自分で弾き語りしなくても、どんなパターンがいいかはギター屋さんやピアノ屋さんにリクエストできるかもしれませんが、
自分でやって考えてみると、あれこれではおかしいな・・・等いろんな気づきができたり、
こんなパターンもあるんだ!と知ることができたりします。
いままで楽器隊に乗せられてただけだったのが、
自分から乗っていくこともできるようになるかと。
コードを切り替える位置はどこか
これ、挙げたものの、ちょっと微妙だったかもしれない。。
でも書いておきます。
通常、ボーカルがコード進行がどうなっているかを気にする場面は、あまりありません。
そんなに必要ないですからね。それで音をとるわけではないので。
ただ、コードがどこで切り替わっているか、ぐらいのことでも意識できれば、
音程の取り方、アドリブの効かせ方に関わってくるのではないかと。
ただ単にメロディを覚えて歌うだけだと、
周りの楽器の音程感、コード感とあっているかどうかを曖昧にしがちなのではないかと。
そのため、多少音が外れていてもあまり気にしないことにつながってしまうのではないかと。
「いまAmだな」「F#が鳴ってる」とか、具体的なコード名までわからなくてもいいと思いますが、
違うコードに切り替わった、いま俺はそこから外れてるぞ?とか、
意識するだけでも音程の取り方が変わってくるのではないかと。
ボーカルと絡むことができるところはどこか
例えば、ボーカルがいなくなるフレーズで寂しいので、
ちょっとしたオカズをちょこちょこ弾いてみようか、とか。
ストロークを多めにしてギターが主張してみようか、とか。
ここはボーカルと楽器のリズムが一緒だから、一体になって歌ってる感じになるな、とか。
曲の終わり際、例えば、
「かみさま~~」ジャーン。
のようにギターで締めるのであれば、その時の絡み具合とか。
ボーカルと他の楽器が絡むところは多々あります。
弾き語りをしていると、より気付きやすくなるのではないかと思いますし、
逆に、絡ませてやろうとアレンジをすることも可能です。
まとめ
ということで、弾き語りのススメでした。
弾き語りをすることで、他の楽器がやっていることを知ることになります。
それが巡り巡って、ボーカルが歌うのにどう影響するのか、
自分で考えるきっかけになるかと思います。
そういう意味で、弾き語りのススメということですね。
別に上手くなくてもいいし、人前で披露しなくてもいいので、
こっそり練習してみてもいいと思います。
安ーいギターとか買ってさ。
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— でんすけᔦꙬᔨボイストレーナー (@densuke_snail) March 9, 2018
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