あなたの言葉は新鮮ですか?手垢のついた言葉、ついてない言葉


こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

「いい詞を書く方法」シリーズ。
今回は「手垢のついた言葉」というテーマです。

手垢がついている、とは、斬新でない、という意味ではありますが、
手垢がついている言葉、ついてない言葉では、
読んでいる相手に与える印象も変わってきます。

あなたは、手垢の付いた言葉を使いますか?
それとも、付いていない言葉?

今回はそんなお話。



時代的に新しいか古いか

「手垢のついた言葉」を言葉で説明すると
古臭い、とか、使い古された、という意味になりますが。

単純に古い、という意味でもないわけです。

例えば、
「今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。」
とか言われたら、逆に斬新!ってなりませんか?
「竹取物語」の冒頭、古典的な日本語を使っていますが、
これを「手垢のついた言葉」という表現はしません。

逆に。
「安心してください、穿いてますよ!」
・・・どうでしょう。
人にもよるかもしれませんが、「古っ!」ってなりません?
(安村さんすいません)

いや、でね。
「安心してください」のフレーズは、2015年なんです。
竹取物語は、数百年前のもの。

単純に時間的に「古い」「新しい」という問題ではなく。
「飽きた」「飽きてない」が問題なんです。
(安村さんすいません)

手垢がついている、というのは、
すでにみんなが飽きるぐらい使ったよね、ということ。

でも、時代が過ぎると、手垢も落ちてくることがあります。
竹取物語のような古典的な日本語までいくと逆に斬新なのは、
手垢がつきまくってみんな見向きもしなかったから、
いったん手垢が落ちて、新しく見える、という現象です。

イメージが付いているかどうか

もうひとつ、「手垢」という言葉の意味として
イメージが付いているかどうかということも挙げられるかと。

例えば、「ゲスの極み」という言葉。
もともとは「最低なヤツの中でも、最低のヤツだな」という意味で
お笑いコンビのハマカーンがネタ中に使っていた言葉です。

ある意味「漫才のネタに使われる」という「手垢」がついていた言葉ですが。
この言葉が、とある人のおかげで(せいで?)
「不倫をする最低なヤツ」というようなイメージに変わりました。
・・・べっとりと「手垢」がついたわけです。

このように、同じ言葉であっても、
世間のイメージ、読んでいる人のイメージが違ってしまうことも多々あります。
これが「手垢」のもう一つの意味。
言葉の持つイメージですね。

「愛」という言葉一つをとっても。
あたたかい家庭を想像する人もいれば
男女二人の熱い関係を想像する人もいる。
もっとどろどろした昼ドラのイメージの人もいれば
永遠なんてないよね、という冷めた人もいるかもしれない。

数多く使われている言葉は、
言い換えると、色んな「手垢」が付いた言葉でもあります。
そういう言葉をいかに使うかがポイント。

手垢が付いているかどうかの見極めが大事

歌詞を書くとき。
言葉に「手垢がついているかどうか」という見極めが大事なときがあります。

手垢がついているからダメ、というわけではなく。
ついていない方がいい、というわけでもなく。
やりたい方向性に応じて使い分けたい、という話です。

たとえば。
「君のハートをゲットだぜ!」とか言ったりすると。

これ、ポケモンの決め台詞ですよね。
というイメージを利用することができます。

「君のハートを奪うんだ」と書くよりも
「君のハートをゲットだぜ!」とか
「君のハートをフライングゲット!」とか書くと、
すでに付いている「手垢」のイメージを含めて書くことができます。

逆に言うと、「手垢」のイメージが強すぎるとも言えます。
ポケモンだとか、AKBだとかのイメージが付くのは困る!
という場合は、これらの言葉を使わないようにするべきでしょう。

もっと一般的な言葉でも、
先ほど例に挙げた「愛」という言葉でも。
長い時代にわたって使い古されてきた言葉ですから、
いろんな「手垢」がついているわけです。

その中で、どの「手垢」を使いたいのか
あたたかい家庭なら、そういう「愛」を描写する必要が出てきます。
永遠なんてない、というなら、それに見合った描写を。

日常的に使われる言葉には、多かれ少なかれ「手垢」がついています。
それをどう見極めて使うか。
有効活用したいものです。

手垢が付いていない言葉

前回の記事で
人目を引く言葉を使え!小池都知事も有効活用するカタカナ言葉の威力
みたいなのを書きましたけど。

この「カタカナ言葉」というのは、
「まだ手垢が付いていない」言葉とも言えます。

あまり一般的に使われていない、新しい言葉。
元の意味はちゃんとあるので、調べれば意味はわかるのですが、
「手垢」がついていないので、よくわかりづらい。

こういった新しい言葉に、上手くイメージを付けることができれば、
ある意味、自分なりの「手垢」を付けることもできます。

例えば、「イノベーション」という言葉。
「新しいアイデア」のような意味なのですが、
普段使わない人にとってはわかりづらい言葉です。

これをこんな感じで。

「dn-voiceってボイトレのイノベーション起こしてるよね」
「ラジオも始めるというイノベーション起こしてる」
「というか、でんすけっていう名前がすでにイノベーション」
「dn-voice.infoから、dn-voice.イノベーションに名前を変えたら?」

などなど、ことあるごとにdn-voiceと絡めて「イノベーション」を使うと。
dn-voice=イノベーション、というイメージができる!
・・・かもしれません。

実際の例で行くと。
aikoの「カブトムシ」なんてどうでしょうか。

「カブトムシ」って、ただの虫。
ちょっと光沢があってかっこいい、男子小学生が憧れるヤツですが。

それを、「彼氏にくっついている女の子」というイメージに変えた。
それがaikoの「カブトムシ」です。

・・・「彼氏にくっついている女の子」というイメージは定着していないかもしれませんが。
「オレ、カブトムシ好きなんだよね」と言ったときに
「あ、aiko?あたしも!」「い、いや虫のほう・・・」
となるぐらいには、
カブトムシ=aikoのイメージ「手垢」がついたのではないかと思います。

まとめ

ということで、「手垢」がついた言葉、という話でした。

使い古されてみんなが「飽きた」かどうか。
あるいは、特定の「イメージ」が付いているかどうか。

これが「手垢」の意味です。

「手垢」が付いているからいい、悪いではなく。
付いているイメージをうまく使ったり、
逆に新しく「手垢」を付けたり、
うまく使いこなしたいものです。

こんなことを書くdn-voiceって、マジでイノベーションだよね!
(使い方が間違ってる)

それではまたー。


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