音を形に。擬声語(オノマトペ)で独自の世界観を表現しよう


こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

今回は擬声語(オノマトペ)について。

オノマトペってなに?という方も、
ああ、オノマトペね、という方も。
小野、マトぺさん?・・・誰?という方も。

ご覧ください。



オノマトってなんやねん

擬声語、オノマトペとは、
音を言葉にしたものです。

例えば。
バンバン、ゴーゴー、バシャーン、ズドドド・・・
など。

よく、赤ちゃんに話しかける時に使われますね。
ブーブー走ってるねー、とか。(車のこと)
チュンチュン来たよー、とか。(スズメのこと)

「車」とか「スズメ」とか名前がまだわからない幼児でも、
ブーブーなる車の音とか、
チュンチュンなくスズメの声とか、
イメージだけで伝えられるため、この言葉が使われている、と考えられます。

このように、言葉の音の響きを使って、「音」を表現する技法。
これが擬声語、オノマトペです。

ほかにも結構いろいろあって、
ワンワン、にゃーにゃー、ポクポク、ブンブン、
ジャージャー、どかどか、ガタガタ、・・・まだまだたくさん。
日常生活でもよく使われる、ある意味ありふれた言葉です。

ちなみに、擬音語と表記する場合もありますが、
基本的には同じ意味だとされています。
強いて言うなら、
ひとや動物の声:ぺちゃくちゃ、わんわん、チュンチュン
などを擬声語、
そのほかの音:ポクポク、ガタガタ
などを擬音語
と分ける場合があるようですが、あまり明確な使い分けをされている場合も少ないようですし、ひとまとめでいいと思います。

擬声語と擬態語

先ほど、擬声語と擬音語が出てきましたが、
もうひとつ違いがわかりにくい言葉として、擬声語擬態語というものがあります。
擬声語は「音」を表現しているのに対して、
擬態語は「状態」とか「状況」、「見た目」などを表現します。

擬態語の例としては、例えば
もくもく、ぶくぶく、ほわほわ、よれよれ・・・
など。

擬声語と、形は似てますよね。
同じ言葉を繰り返している感じといい。

さきほど、擬声語の例で「ジャージャー」を挙げましたが、
これ、結構微妙な表現だと思っていて。
「ジャージャー」って、水が流れる様子だと思うんですけど、
たしかに、蛇口を思いっきりひねって水を出すと「ジャー」と音がします。

でも、例えば。
「ジャージャー流れていく」とかいう表現をする時、
水の音としての「ジャー」だけではなく、
どんどん流れていくよ、という「状況」を表す可能性があります。

・・・実際、日常的には、「ジャンジャン流れていく」とか
少しだけ形を変えて使うことが多いかもしれませんが、
もし「ジャージャー流れていく」と表現されたら、
水の「音」のイメージと相まって、どんどん流れていく「状況」を想像すると思うのです。

いちおう、擬声語と擬態語は別のものとして分類されますが、
イメージを喚起する言葉」である、ということは共通した特徴だよ、ということが言いたかったわけです。
言葉を使う側としては、あまり意識しなくてもいい区別なんじゃないかと。

ありきたりじゃないオノマトペ

擬声語、オノマトペのことを語ると、
僕は必ずこの詩を思い出すんですよね。

中原中也の「サーカス」という詩。
教科書にも載ってたと思いますが。

幾時代かがありまして
茶色い戦争ありました

幾時代かがありまして
冬は疾風吹きました

幾時代かがありまして
今夜此処での一と殷盛り(ひとさかり)
今夜此処での一と殷盛り

サーカス小屋は高い梁
そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ

頭倒(あたまさか)さに手を垂れて
汚れ木綿(もめん)の屋蓋(やね)のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

それの近くの白い灯(ひ)が
安値(やす)いリボンと息を吐き

観客様はみな鰯
咽喉(のんど)が鳴ります牡蠣殻(かきがら)と
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

屋外(やがい)は真ッ闇(くら) 闇の闇
夜は劫々と更けまする
落下傘奴(らっかがさめ)のノスタルジアと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

はい。
「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」ですね。
まさに「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」です。

僕は小学校だったか中学校だったかでこれを見たときに、
「あ、変な人だな」と思いましたもの。
こんな言葉を思いつく人は、変人か天才しかいないと。

擬声語なのか擬態語なのかもよくわかりませんが、
空中ブランコが揺れている音、あるいは様子が
中原中也にはそう聞こえた or そう見えたんでしょう。

こんな感じで、普段よく使われるオノマトペとはかけ離れて、
独自の表現を生み出すときにもオノマトペが使われます。
ただ、なんというか「飛び道具」感がすごいので、
「なんだこれは!」という斬新な印象を与えたいときに限るかもしれません。

オノマトペを使ってみる

じゃぁ、実際に使ってみますか。

~~~~~~~~~~
ガタンゴトンと人々運び
ガタンゴトンとすれ違う
ガタンゴトンと疲れも見せず
ガタンゴトンとまっすぐに
~~~~~~~~~~

はい。こんな感じで。

一言も「電車」って言ってないですけど、
電車のことです。わかりますかね。

こんな感じで、擬声語だけで「そのもの」を表現することもできます。
電車を「想像させる」ことで、何か意味ありげな印象を与える感じ。

もうひとつ。独自オノマトペみたいなものを。

~~~~~~~~~~
ズドーン ドカーン
ドドドバシュン
ケモケモリンケモケモリンケモケモ
ユオシャラーン
~~~~~~~~~~

・・・あ、変な人じゃないですよ!!!

ちょっと、ゲームセンターの中にいるのを想像して、
色んな音が混ざって鳴っている様子を表現するとどうなるかなと思ってやってみました。

・・・飛び道具感がすごいでしょ?

こういうのを、POPな感じで仕上げてるのが、
きゃりーぱみゅぱみゅ、だったりするんだと思います。
正確に言うと、作詞は中田ヤスタカさんですけど。

「PONPONPON」という曲の一部を抜粋。

PONPONうぇいうぇいうぇい
PONPONうぇいPONうぇいPONPON
うぇいうぇいPONPONPON
うぇいうぇいPONうぇいPONうぇいうぇい

・・・歌詞だけ見るとヤバいヤツですけどね。

でも、なんかポンポン跳ねている様子と、語感の良さ。
なんかちょっと、口に出して読んでみたくなる感じがありませんか?
これが、「独自のオノマトペ」の威力なんだと、僕は思うわけです。

まとめ

ということで、擬声語、オノマトペでした。

本来的には「音」を言葉で表現するものですが、
言葉の響きとか、音の持つイメージなども考え合わせて
独特の表現を創ることも可能です。

あまりに自由度の高い表現方法なので使いにくいですが。
日常をオノマトペに置き換えながら考えていると
面白い表現が見つかる可能性もあります。

それではまたー。

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