【ボイトレ書評】うまく歌える「からだ」のつかいかた:ソマティクスから導いた新声楽教本
こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。
歌が上手くなるためのボイトレ本書評。
今回はこの本。
うまく歌える「からだ」のつかいかた:ソマティクスから導いた新声楽教本
著者:川井 弘子
出版:誠信書房
ざっくりした説明
歌を歌うのに必要な体の知識、
喉や肩、背中まわりや下半身の筋肉、骨の仕組みなどを
イラストを交えて詳しく解説していると同時に、
それを踏まえて、実際に筋肉や体の動かし方を、
どのようにすれば有効に使えるのか、
具体的なエクササイズを紹介してくれます。
ちなみに、本のタイトルにもある「ソマティクス」とは、
「からだの使い方を学ぶ、研究する」というぐらいの意味、だそうで。
「ソマ(soma)」がギリシャ語で「からだ」の意味だそうです。
へー。
ソマティクス風に解釈するならば
よくボイストレーニングなどで語られる教え方
例えば「笑顔で歌おう」とか、「おしりを締めるように」とか。
それを、ソマティクス風に解釈すると、
具体的にはこういう体の動きを指しているのでは?
というような説明がいろいろと書かれています。
実際にボイストレーニングを受けて、
「その例えで言われてもよくわからないな」とか
「やってみたけど、どういう効果があるのか」とか
疑問に思った方は、
この本に答え、あるいは考えるヒントが書かれているかも。
自分のからだを「感じる」こと
いろいろと具体的なメソッドが紹介されていて面白いですが。
根源的な考え方は「自分のからだを『感じる』」のが大事だということ。
歌を歌う、というだけの行為でも、
口や喉のあたりだけを使っているのではなく、
肩やお腹周りの筋肉、
あるいは下半身の筋肉など、
全身を使って声を出している。
そのことを理解し、感じることができれば
それをどのように上手く使っていけばいいのかを
考えながら動くことができるはず。
実際に照会されているエクササイズの中でも、
軽く目を閉じて体の動きを感じながらやりましょう、とか、
手を当てて、動きを感じる「だけ」のエクササイズなど
自分の体を感じる、ということを主眼にしているものが多い印象です。
無理にコントロールしようとするのではなく、
からだの動きを知って、
その動きを、どうやって目的の動きに導いてあげるか。
そのヒントが書かれている本だと思います。
どんな人におすすめ?
けっこうおもしろい本だと思うので、
歌を学びたい、全ての方へ。
ボイストレーナーやってる人も、新しい教え方のヒントになりそうです。
また、歌に興味がない方も、軽く手に取ってみると面白いかも。
音楽やダンス、からだを使う作業をされている方、
自分の感覚を研ぎ澄ますヒントになるかもしれません。
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— でんすけᔦꙬᔨボイストレーナー (@densuke_snail) March 9, 2018
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