【歌声解説】エレファントカシマシ宮本浩次さんの歌唱力を解説


こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

歌声解説シリーズ、
今回は「エレファントカシマシ」のボーカル、宮本浩次さんを取り上げてみたいと思います。

コメントにて、解説リクエストをいただきました。
ありがとうございます。

エレファントカシマシ、略してエレカシ。
2017年の紅白歌合戦に出場して話題になりましたね。
デビュー30年にして初の紅白。

僕も見てましたが、なんか、ぐっと来ました。
エレカシ、いいよね。

そんなエレファントカシマシ、宮本浩次さんの歌声解説。



エレファントカシマシ「今宵の月のように」

エレカシといえばこの曲。
「今宵の月のように」

エレファントカシマシ宮本浩次さんの歌唱力1 低めの響き

宮本浩次さんの歌声、独特な雰囲気を持っていますよね。
その要因の一つは低めに響かせているということ。

ボイトレではよく
「頭から抜けるような声でー」とか
「口を大きく開けて声を響かせましょう!」とか言われるのですが、
その逆を行くパターンです。

少し口の中にこもらせるようにして声を出しています。

「頭から抜ける」ようにした方が楽に声が出しやすい、というセオリーなのですが、
そうすると、どうしても「軽い」声になりがち。

この曲のように、じっくりと語りかけてくるような歌に対しては、
もう少し重さのある声が欲しい。
そこで、この宮本さんの歌い方がしっくりくる、ということです。

エレファントカシマシ宮本浩次さんの歌唱力2 ひずみのある声

たとえば、
0:35あたりの「i- hi-」と叫ぶところとか。
少し声が割れているような感じになっているの、わかりますか。

これ、先ほどの「響きが低め」であることによって、
いわゆる「喉声」になりやすくなります。

のどに力が入って、高音を出す時にうまく出ない瞬間がある。
それがこの「声が割れているような音」につながります。

宮本さんの歌には、こういう割れたような声、
あるいはしわがれたような声が随所に出てきます。

エレファントカシマシ宮本浩次さんの歌唱力3 すこーしだけ外れた音

0:13あたり
「あふれる熱なみ

0:25あたり
「俺もま 輝くだろう」

この色を付けたようなところ、
ビミョーーに、音が外れてると思いません?

・・・僕も絶対音感があるわけじゃないから正確にはわかりませんが・・・
ほんとに微妙な音のズレって、どこが外れてるのかわかりづらいんですよね。

いや、僕の耳の正確性はともかくとして。
この微妙にずれてるように聞こえるというのがポイント。

がっつり音が外れていると、
単純に「なんだ音外してるじゃん」という気持ちになるんですが。
本当に微妙にだけ外れた音が聞こえてきたときって、
「おや?なんだろう?」と気になってしまう
もの。

これと同じような現象、シンセサイザーなどでときどき使われるのですが、
微分音(微分音階とも呼ばれる)といって、
微妙にチューニングをずらした音を鳴らすことで
ビミョーーに気持ち悪いんだけど、なんだかクセになる、
特徴的な響きを出すときに使われたりします。

・・・人間がこれを狙ってやるのは非常に難しいですし、
宮本さんも狙っているわけではないと思われるのですが、
声の響かせ方、力の入れ具合が、いい意味でのズレを生み出して
特徴的な歌声を形作っている、と僕は思うわけなのです。

エレファントカシマシ「俺たちの明日」

さて、もう一曲聞いてみます。
「俺たちの明日」

エレファントカシマシ宮本浩次さんの歌唱力4 絞り出すように上がっていく高音

「さあ!頑張ろうぜ!」のフレーズが耳に残るこの曲。
そのあとの「負けるなよそうさ 前の」のところ。

この「お」が高音になるのですが、
響きが低いまま、絞り出すように「ぅお!」と上がっていくので
叫び声をあげるような感じで高音が出てきます。

この高音への上がり方も、宮本さんの特徴のひとつ。

響きが低いまま一気にhiCまで上げられるという、
いわゆる「声の支え」がかなりしっかりしていないと出せないやり方です。

「声の支え」については、こちらの記事もどうぞ。

63.しっかりした歌声を手に入れたい!声の「支え」を使おう

エレファントカシマシ宮本浩次さんの歌声を例えると

宮本さんの歌声を何かに例えてみようのコーナー。

僕の勝手な意見ですが。
ファイナルファンタジーシリーズの「ベヒーモス」みたいだなと。

とにかくどっしりと構えているところが
宮本さんの低めに響かせる声のどっしり感に通じるのと。

ひそかにポテンシャルを隠し持っていて
びっくりするぐらいの強力な技を繰り出してくるところが、
時に感情を爆発させるような声を出す宮本さんの歌い方に通じるのと。

なんか、そんな感じ。

あと、見た目が武骨な感じなのも、なんか共通点っぽい。

ということで、ベヒーモスになりました。

まとめ

ということで、エレファントカシマシ宮本浩次さんの歌声解説でした。

響きが低いままで歌うこととで、
どっしりと構えた力強い歌になっている。
ときにひずみが出たり、音程のズレが生じたりしますが、
それらがいい味になって宮本さんの感情を伝えてくれます。

・・・なんか、知らない僕が勝手に言うのもナンですが、
多分、不器用な人なんじゃないかと思うんですよ、宮本さん。
不器用ながらに、本気で音楽と向き合って、
真剣に声を出した結果、こういう歌い方になって、僕らに届いてくるのかと思います。

これからの活躍にも期待ですね!

それではまたー。

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2 thoughts on “【歌声解説】エレファントカシマシ宮本浩次さんの歌唱力を解説”

  1. くれはし says:

    早速の解説、ありがとうございます!
    エレカシの歌は、実際に歌ってみると思いのほかキーが高くてびっくりすることが多いのですが、低めに響かせる歌い方から来ているのかなあと思いました。音をずらす(ずれる)ことで印象に残るテクニックは初めて知りました!今度から意識して聴いてみます。

    1. densuke says:

      コメントありがとうございます!

      そうなんです。宮本さんはあぁいう声質なので、そんなに高い音は出さないと思いがちなんですが、意外とかなり高音まで出てるんです。
      音程も、基本的にはきっちりと合わせて歌っているので、そのうえで、細かいブレが味になっている、という感じです。

      他にも歌声解説書きますので、ぜひご覧くださいませー。

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