【歌声解説】KinKiKids堂本剛さん、堂本光一さんの歌唱力を解説


こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

歌声解説シリーズ。
今回はKinKiKidsの堂本剛さん、堂本光一さんです。

メッセージにて、堂本剛さんの解説リクエストをいただきました。
ありがとうございます。
せっかくなので、KinKiKidsお二人の解説として書いてみたいと思います。

ジャニーズ関連のアーティストさんは
ネットを使わない方針らしいので、
YouTubeに動画がないのですよね。。

そういう意味で、解説記事を書くのが難しかったんですが、
別の動画サイトを使うことで書こうと思います。



KinKiKidsについて

デビュー以来、シングル売り上げ1位を記録し続け、
ギネスにも認定されたというKinKiKids。
2017年現在に至るまで、
記録を更新し続けているというすごさ。

それぞれソロ活動も精力的に行っていて、
テレビ番組の出演をはじめとして、
堂本剛さんはファンクを基調とした音楽をやられていたり、
光一さんは舞台「Endless SHOCK」を主宰し続けていたり、
それぞれカラーの違う活動をされています。

2017年は、堂本剛さんが突発性難聴という病気を発症し、
一時的に活動を制限されていたりしましたが、
現在は、聞こえる音をヘッドフォンで制御するなどして
何とかライブをこなしている、という状況のようです。
これから完治することを願っております。

そんなKinKidKidsの歌声解説。

KinKiKids「硝子の少年」

では聞いてみます。
KinKiKidsと言えばこの曲。
「硝子の少年」

KinKiKids「Destiny」

短かかったので、もう一曲。
FNS歌謡祭で歌われた新曲「Destiny」

KinKidKids堂本剛さんの歌唱力1 流れるような歌い方

堂本剛さんの歌い方の特徴は、
なんといっても「流れるように」言葉を発するというところ。

音楽用語的にいうと「レガート」で歌い続けている、と言いましょうか。
区切る必要のないところは極力区切らない、
そんな歌い方を選んで歌ってらっしゃるようです。

例えば。
「Destiny」の方の0:26あたりからの剛さんパート。
「あの日あの時に・・・」
「恋へ落ちたけれど・・・」
のあたり。

無理やりひらがなに直すと
「ぁぬおひ ぅあのときに・・・」
「こひへぅおちたけれど・・・」
という感じ。

ひらがなで書くと、なんかアホみたいになりますが。。
ディスってるわけじゃないんですよ。マジで。

先ほどのひらがな、
色のついてる「ぅあ」、「ぅお」あたり。
この小さい「ぅ」が軽く効いているのがポイント。

これをごく軽く発音していることによって、
前のフレーズから途切れずに次のフレーズに移っている感じです。

この、つなぎの、ある意味では「余計な」発音、
あまりに強調してしまうと、
今度はくどくなりすぎて、また違うキャラクターになってしまう。

こういう「つなぎ」の聞かせ具合が絶妙で、
堂本剛さんらしい歌い方が出来上がっているのかと思います。

KinKidKids堂本剛さんの歌唱力2 立ち上がりが遅めの声

堂本剛さんの歌い方の特徴、
歌声がゆっくりと立ち上がってくる、というところ。

例えば、
「硝子の少年」の方の出だし、0:10あたり。

「雨が躍るバスストップ」
これを、剛さんの歌い方っぽく無理やり言葉にすると、
「あ、めぇがぁ ぅおどる nバスストォップ」
という感じ。
・・・伝わりますかね・・・?

色を変えたところ
「めぇがぁ」、「トォ」あたりに注目してみると、
一旦軽めに、吐息混じりに近い「め」を発音しつつ少し音を伸ばす、
それから改めて母音の「え」を発音し直す、
というように、
言ってみれば二段階に分けて発声しているような感じです。

これをやることで、
「流れるような歌い方」をさらに助長しますし、
吐息混じりにすることで「なまめかしさ」「エロさ」も出てくる
でも、やりすぎてないから、いやらしくない。

これは、
声門閉鎖(声帯を閉じる動作)と
息を吐く量を
バランスよく制御する
ことでできる技。

ここまできれいに制御できてるシンガーさんも
なかなかいないのではないかと思います。

KinKidKids堂本光一さんの歌唱力1 アタック強めの声

一方、堂本光一さんですが。
アタックが強めに出てくる声という感じです。

剛さんの「流れるような」歌い方とは対照的に
一音一音を力強く、
破裂させるようにアタックしながら歌う歌い方になっています。

その特徴が一番分かりやすいと思うのは
「Destiny」の方、
0:13あたりからの出だし、
「この瞬間へと」の部分。

明らかに一言一言をていねいに「置きに」いっている感じ。
一音一音、ビートを刻むようにはっきりと置いていっています。

この歌い方によって、
情熱的に歌い上げる雰囲気が生まれ
普段はクールだったり(悪く言えば物事に興味がなかったり)する光一さんが
歌うと情熱的になる、というギャップが生まれるわけですね。

ときどき力みすぎて
「まるで積木み『た』い」のように
勢いあまって声を出してしまう場面もありますが、
そんな情熱が有り余ってしまう部分も含めて
光一さんのキャラクターなんだと思います。

KinKidKids堂本光一さんの歌唱力2 はっきりした発音

先ほどの「アタックが強め」というのとつながる話ですが、
発音がはっきりしているというのが
光一さんの歌い方のもう一つの特徴。

剛さんのように、流れるように歌う場合、
母音を混ぜながら、少し子音を崩して、
フレーズとフレーズを滑らかにつないだりしていましたが、

光一さんの場合は、なめらかなつながりよりも
一言一言のインパクトを大事にしている感じです。

どの言葉を取ってみても、
子音、母音ともにはっきりと発音している。
それが、アタック感を強める要因にもなっています。

これ、光一さんが舞台「Endless SHOCK」をやっていることと
無関係ではない、と思われます。

舞台でセリフをしゃべるとき、
言葉の発音をはっきりさせて
しっかりと響かせるように声を出さなければ
客席に届かないことになってしまいます。

そういう意味で、舞台俳優さんは発声に気を遣うのですが、
その舞台での発声が、光一さんの歌にも影響しているものと思われます。

ソロでの活動が、
KinKiKidsとしての音楽活動に活かされている、
ということですね。

KinKidKidsの声を踏まえて、歌の練習するなら?

剛さんのように流れるような歌い方と、
光一さんのように一つ一つはっきりと歌う歌い方、
歌い方がかなり違いますが。

どちらかの歌い方が得意、
もう一方は苦手、
という方もわりと多いものです。

例えば、こんな発声練習をやってみてください。
スタッカートとレガートを交互に繰り返すものです。

 

 

スタッカートは、区切りながら「ハッハッ」と声を出すこと。
レガートは区切らずなめらかに「ハァーァーァー」と声を出すこと。

やってみると気づくかもしれませんが、
どっちかが苦手、という人、割と多いです。

スムーズに切り替えながらできるようになると、
スタッカート気味にリズミカルに小気味よく歌いながら、
必要な時にはレガートで滑らかに、
ということで、表現の幅を広げることができます。

剛さんパートも、光一さんパートも
どちらも本人っぽく歌いたい!
という場合は、この練習をどうぞ。

KinKidKids堂本剛さん、堂本光一さんの歌声を例えると

KinKidKidsの歌声を何かに例えてみようのコーナー。

堂本剛さんの歌声は「月」
堂本光一さんの歌声は「太陽」
です。

月と太陽。

まさに、お二人の歌い方は正反対と言ってもいいほど
まったく別のキャラクターを持っています。

流れるような、たおやかな歌い方をする剛さんは、
どちらかというと夜に浮かぶ月のよう。
三日月のように線の細い美しさを見せることもあれば、
満月のように明るく光る大胆さを見せることも。

一方、情熱的に歌い上げる光一さんは、
太陽のように力強く輝く印象。
夏の太陽のように暑くまぶしい時もありますが、
あたたかく頼りがいのあるような一面もあります。

正反対のキャラクターではありますが、
その二人でやっているからこそのハーモニー。
月と太陽、両方が存在しているからこそのKinKiKids。
本当にうまく融合していると思います。

・・・なんか、すごいヨイショしてる感じになってるけど、
ほんとにそう思ってるからな!
僕の嫁がKinKiKidsの大ファンだから
気を使ってるとかじゃないんだからなっ!!

いやほんとに。
ギネス記録保持者というのもうなずけるぐらい
いいデュオだな、と思います。

まとめ

ということで、KinKidKids堂本剛さん、堂本光一さんの歌声解説でした。

剛さんは流れるような歌い方、
光一さんはアタックを強めに情熱的に歌う歌い方。
好対照のデュオです。

もうデビュー20年だそうで、
ベテランですよね。
これからの活躍にも期待です!!

それではまたー。

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4 thoughts on “【歌声解説】KinKiKids堂本剛さん、堂本光一さんの歌唱力を解説”

  1. 匿名 says:

    現在も剛さんの左耳は重症です。
    以下Yahoo!ニュースより抜粋
    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171219-00000106-dal-ent

    (左耳では)真ん中の音が重症で聞こえてなくて、下の音があんまり聞こえてません。上の音は正常で聞こえているのが左耳の状態。鼓膜の一番近くに綿を詰めて、20デシベル音圧を下げる耳栓をして左耳は音をカット。ヘッドホンをして、右耳だけで歌っています。そういう状況をとらないと頭の中で音がフワーってハウリングしちゃうんですよ。自分の声も、歌っていても頭蓋骨でビービービービー響くので、聞いている音がかき消されていく状況がでてくる

    1. densuke says:

      コメントありがとうございます。

      活動復帰されたあたりで、
      「ヘッドフォンをしていればライブができるので大丈夫」という状況だ、
      ぐらいに認識していたので、
      僕の認識が甘かったようです。すみません。

      本文の方も少し修正しております。

  2. 匿名 says:

    堂本光一さんの参考CDが、何故、舞台のサントラなのでしょうか?ソロライブDVDもあるのに。

    1. densuke says:

      コメントありがとうございます!

      舞台「Endless SHOCK」をやられていることが、
      KinKiKidsの楽曲の歌い方にも影響している、
      ということを書かせていただいている記事なので、
      舞台のサントラをご紹介しても不自然ではないと思ったのですが。。

      せっかく情報をいただいたので、
      ソロのライブツアーの方も参考に挙げさせていただきます。
      ありがとうございました。

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