22.テクニックを身につけて歌唱力を上げよう!フォール編
テクニック編。
続いては、フォールというテクニックです。
22.1.フォールとはなんぞや?
さて、前回はしゃくりを取り上げました。
少し低い音から発声し始めて、音を上げていくテクニックでしたね。
低い音から高い音、があるということは。
高い音から低い音があってもいいじゃないか。
要するに、しゃくりの逆バージョン。これをフォールといいます。
その名の通り、落とす、ということですね。
22.2.フォールが使われている例
22.2.1.spitz「空も飛べるはず」
フォールが印象的なのは、スピッツじゃないかなー。
と個人的には思っています。
実際に聴いてみてください。「空も飛べるはず」
「この胸にあふれてるー」の「るー」
「きっと今は自由ーに」の「じゆーう」
のところ。
音が落ちていることにお気づきでしょうか。
これがフォールです。
スピッツの草野マサムネさんはよくこういう歌い方をしていて、
なんとなくアンニュイな雰囲気を醸し出す要因の一つになっています。
ちょっと下手なんですが、僕もやってみました。
フォールしてる版
フォールしてない版
色んなところでフォールさせてますね、僕。。
スピッツっぽく歌おうとするとこのフォールを多用したくなってしまうので、
不必要にフォールしてしまいがちですが、よく聴いたら本人はそこまで多用してない!
ということに気づくと思います。
上のフォールさせまくってる版は、少しくどいかもしれませんね。
フォールしてない版のほうが素直で好感が持てますが、後半は少し面白みがなくなっている気がします。
フォールするとこ、しないとこ、うまく織り交ぜるのが大事ですね。
22.2.2.aiko「花火」
他にもよく使われる例として、フレーズの終わりにフォールさせて余韻を残す使い方があります。
aikoの「花火」
「上から花火をみおろしてー」の「てー」
サビの最後「火をけしたーああー」の「ああー」
極端に音程を落として終わっています。
aikoの独特の音程感とも相まって、切ない余韻を残す歌い方ですね。
22.3.フォールをうまくするポイント
フォールを入れるポイントは3つ。
- 高低差
- 高音から低音に下がるスピード
- 声がかすれないこと
高低差について
先ほどのスピッツの例では、言葉と言葉の間のつなぎとしてフォールが入っていました。
この場合、次の始まりの音に向かって落とす、ということになります。
言葉だけではわかりにくいので具体的に言うと、
「この胸にあふれてるーきっと」の場合。
「る」の音から「き」の音まで滑らかに落とすように「るーきっと」とやります。
対して、フレーズの終わりにフェードアウトするようにフォールさせる場合。
先ほどのaikoの例でいうと、どの音まで落とす、というのは決まってないと思われます。
ただ、なんとなく全音+半音程度落としているように聞こえます。
これに関しては、どの程度落とせばいい、というセオリーは無いように思いますが
どれだけ落とすかによって印象が変わりますので、気持ちいいところで、といったところでしょうか。
スピードについて
スピッツの例でいうと、「る」の音から「き」の音までリズムが決まっていますので
それに合わせて滑らかに落とす、ということになりますね。
対してaikoの例でも、リズム通りに落とす、というのは同じです。
長く音を伸ばしていても、拍の頭で音を切るタイミングがあるため、
そこに向かって音程を落とす、ということになります。
声をかすれさせない!
フォールは音程を落とすだけなので、
声帯をゆるめるため、声帯周りの筋肉を少しずつゆるめていくことになります。
そのとき、息遣いはずっと一定です。
これを間違えて吐く息を少なくしてしまうと、声が出なくてかすれてしまいます。
特に上のaikoの例ではフェードアウトさせているような印象を受けるため
余計に気を付ける必要があります。
まとめ
音程を落とす、フォールというテクニックを紹介しました。
切なげな余韻を残すテクニックですね。
リズム感良く音程を落とすことと、最後まで声がかすれることなく出せるようになれば
スピッツやaikoのようなアンニュイな歌い方ができるようになる、はず!
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— でんすけᔦꙬᔨボイストレーナー (@densuke_snail) March 9, 2018
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