ボーカルは他の楽器以上に音の「カッコよさ」を追求すべし!


こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

今回は、ボーカルの取り組み方の話。
ちょっとイメージ先行な話っぽいですが、
考えるきっかけにしてもらう話として書いてみます。



バンド出演時「良い音出してんな」と言われた話

少し前の話ですが、ライブに出たときの話。

他のバンドのギタリストさんが、
うちのバンドのギタリストさんに対して
「あんたうまいやん」と喋っていたことがあって。

その時のほめ方というのが
いい音、出してんなー
というセリフだったわけです。

バンドをやっていたりすると特に思うのは、
ギタリストの方は「音を追求する」という考え方が強いこと。

ベース、ドラムの方ももちろんどう弾けば「いい音」になるのか、という研究をされているんですが、
ギターの場合は特に、エフェクターを駆使して色々音色を変えるのが役割とも言えるので
そういう意味でも「いい音」を追求している場合が多いと思うのです。

というか、「ギタリスト」=「『いい音』を追求する」
という文化が強力な気がする。

対して、ボーカリストは

それに対して、ボーカリストの場合。
だいたいほめられるのって、
「歌うまいね!」
なんですよ。

「うまいね」って、具体的にどういうことだ?

いや、それを言いだすと「いい音」ってなんやねん、という話もあるんですが、
「うまい」というほめ方って、「いい音」以上に曖昧な気がするんです。

「うまい」=「いい音を出している」
なのかというと、そうでもない。

例えば、ボーカリストに対して
「いい音出してんなー」と言う場面って、
あんまり見たことないですよね。

ギターの「いい音」とは

ギタリストが言う「いい音」というのはどういうことかというと。

・左手がミスなく動く
・右手が雑音なくちょうどいい加減の音を出す
・エフェクターでの音作りがいい

の総合評価ではないかと思います。

雑音が鳴ったりしないように演奏技術が求められるのと、
エフェクターで曲に合った雰囲気の音色を作れているが求められる。
ちゃんと邪魔をせずに、主張できる音が鳴らせているか。

ボーカルの「上手い」の評価とは

対して、ボーカルの「上手さ」って、
どういうものが挙げられるのか。

具体的な「上手さ」というのを説明しようとして、
以前、こんな記事も書いたりしましたが。

41.結局、歌が上手いってどういうこと?上手くなりたい人へのヒント

ギターの「いい音してる」と対応することを考えると

演奏技術、という面でいうと
・音程が外れない
・リズムも外れない
・高音まで出せる
というところが一番目立つ点かと。

一方、音色が作れている、という面でいうと
・歌唱テクニックが上手く入っている
・声量が出せている、やせた声じゃない
・いわゆる「表現力」
というようなことかと思われます。

ボーカルは「音色作り」すべし

で。
ボーカルに対して「うまいね」と言われる場合。

先ほど挙げた
・演奏技術
・音色作り
の両方を言われているのかというと。

「演奏技術」だけを言われていることが多いのではないか?
と思うわけなんです。

なぜそう思うかというと。
・「音がいい」というほめられ方がほとんどないから
・そこそこ音程やリズムが合っていれば「上手い」と言われがちだから
・ボーカリスト自身がそう考えている節があるから
なんです。

僕がボーカリストの歌を聴いていて、
「歌えてはいるけど、どうも物足りない」とか
「あそこはもっとこういう表現で味を出した方が良いんじゃない?」とか
そう思っていたとしても、
わりと周りでは「うまかった」という評価が多かったりします。

そこは、社交辞令でそう言われているかもしれないし、
本当にそう思って言われているかもしれないけれど、
「より良いもの」を追求し始めると
「よりいい音」を追求する必要が出てくるわけです。

つまり、「音色作り」をもっとやるべし、と。

ボーカル自身が「音色作り」に興味を持ってない

バンドでボーカルをやっている人でも、
あるいはボーカルスクールにやってくる人でも、
そこそこ歌えるな、という人であっても。

実際に歌ってもらって、
「自分の歌、どう思いましたか」と感想を聞くと、
だいたい、音程やリズムのミス、あるいは高音が出せないこと、
ぐらいしか答えが返ってこないことが多いんです。
あとはそこそこ歌えた、と。

でもそれって、ボーカル自身が「音色作り」に興味を持っていないからではないかと。

もちろん、上手い歌を目指す上では、
音程やリズムのミスを直していくのは大事です。
高音が出せることは有利になるでしょう。

でも、多少の音程ずれ、リズムのミスがあったとしても、
「なんだかこの人の歌、聞いちゃうんだよな」という歌もある。
高音なんか出せないんだったら裏声にしちゃうか、キーを下げちゃえばいい。
何ならメロディを勝手に変えて、音程を下げちゃえばいい。

それよりも、もっと「いい音」が出せなかったか、
カッコいい音で歌っていたかという視点で分析したい。
「カッコいい音」の定義の中にも、音程、リズムがあっていることが含まれているでしょうが、
そこから「音色」が抜け落ちてしまっている人が多いんじゃないだろうか。

「カッコいい音」をもっと追求しようよ。

まとめ

ということで、ボーカルは「カッコいい音」を追求しよう、という話でした。

ボーカルも「楽器」です。
他の楽器が「いい音」を追求している中で、
ボーカルだけが追求しなくて良いわけはない。

それは、ちまたのボーカルスクールやボイトレで言われるような
音程がずれないように、とか
高音が出せるように、といった限定的な内容ではなく。

ほかの人が聴いて「いい音出してんな」と言われるような
魅力的な音を出すのが、いい歌の条件なんだろうと思います。

「いい音」、出そうぜ!

それではまたー。


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