歌詞に道筋をつけよう。構成を決めることの必要性について
こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。
「いい詞を書く方法」シリーズ。
今回は、歌詞の構成を考える、です。
歌詞を書くテーマが決まって実際に詞を書くにあたって、
全体の構成をどうするか、を考える必要があります。
どうやって構成を考えるのか。
構成を考えたからどうなるのか。
よくある歌詞の構成
一般的に、よくある構成としては、
Aメロ
↓
Bメロ
↓
サビ
という流れです。
同じ流れが、1番、2番と繰り返して、
最後にもう一回サビが来る、
もしくは、Cメロが入ってサビに来ることが多いです。
曲先で歌詞を書く場合は、この構成がすでに決まっていることになります。
逆に、詞先で歌詞を書く場合、構成を決めてやる必要があります。
どういう順番で、どういう流れで言葉を読んでもらうか、は重要なポイントです。
それと同時に、歌詞を書く、ということは曲が付くことにもなります。
曲もどういう流れで聞いてもらうかが重要なので、
歌詞としても曲としても、構成が決まることは重要なことです。
なんのために構成を考えるのか
では、なんのために構成を考えているのか。
一般的な構成の、それぞれの役割を書いてみると、
それぞれ、「起承転結」の役割を果たしています。
Aメロ(起:導入)
↓
Bメロ(承、転:サビへの溜め)
↓
サビ(結:盛り上がり!)
という感じです。
実際に歌詞っぽくしてみると
Aメロ(また、いつもの日常が始まる)
↓
Bメロ(でも今日は君と出会ったんだ)
↓
サビ(Happy!今日は一日Happy!)
みたいな。
サビに向かって盛り上がっていくために、
Aメロ、Bメロは前振りとして使われるわけですね。
もっと大枠で見ると、1番、2番、最後のサビというのも同じ感じ。
1番(いつもの日常だけど君に会えてHappy!)
↓
2番(君に会えない日もあるけどその分会えたらHappy!)
↓
最後サビ(Happy!人生ずっとHappy!)
みたいな。かなりのリア充のようですね。
1番、2番は「君に会えた日」がHappyだと言っているのですが、
それを踏まえて、最後のサビで「人生がずっとHappy!」と締めくくっています。
1番、2番それぞれで、Aメロ→Bメロ→サビと盛り上がっていくサイクルを回しておいて、
最後の最後、全てをまとめて、全部Happy!と最大に盛り上げる形です。
こうして構成しておくと、歌詞を読んでいる側、曲を聴いている側に主張がわかりやすく、
かつ盛り上がり所がわかりやすいというメリットがあります。
読み手側に読む道筋をつけるということになりますね。
歌モノの曲が一般的にずっとこの構成をとられてきたことからも、
これが聞きやすい形なんだ、というのが分かって頂けるかと。
逆に、その原理を逆手にとって、
あえてずっとAメロみたいな雰囲気の曲にしてもいいし、
あえてずっとサビみたいなな雰囲気の曲にしてもいい。
わざとそういう「道」を作ってあげてもいいです。
ずっとAメロだと、長々と説教をしているような曲になると思いますし、
ずっとサビだと途中でしんどくなるとは思いますが。
表現としてそれがいい、と感じるなら、そんな構成もアリだと思います。
決めてから書く v.s. 書きながら決める
さて、構成をどうやって決めるか、ということなんですが。
基本的には、Aメロ→Bメロ→サビという一般的な形があるので、
先に構成を決めてしまって書く、というパターンもあります。
決めてしまうメリットとしては、制限ができて書きやすいということです。
歌詞を書く際にポイントになることなんですけど、
あまりに自由がききすぎると、決め手がなくて何を書いていいかわからなくなります。
先に構成を決めておくと、ここに起、ここは承、転、そして結、と流れが決まってくるので、
あとは当てはめて書くだけ、という考え方もできます。
逆に、制限がある方が書きにくい!という人は、書きながら決めてもいいと思います。
筆が乗ってきた、と思うままに書いていったら、Bメロっぽい部分がなかった、とか、Cメロっぽい部分がなかった、とか。
それならそれで、そういう構成の曲にしてしまえばいいわけです。
Bメロがないとダメ!という決まりがあるわけではないですからね。
ただし、それで伝えたいニュアンスが伝わっていないならダメです。
たとえば、こんな感じで書いてみると。
~~~~~~~~~~
毎朝見かけるいつもの顔が
昨日と少し違う世界を伝えてる
僕はテレビを見る暇もなく
パンをかじって家を出る
でも、君と出会えてHappy!
今にも歌い出しそうな気分
満員電車は満席の大ホール
ありがとう、昨日と違う世界
~~~~~~~~~~
どうでしょうか。
なんだか急に「君」に出会っていますね。
「いつも通りの日常だけど『君』に出会えてハッピー!」という内容ですが、
なんで「君」に出会えたらハッピーなの?
「君」って誰? 君の名は?
こういう場合は男の子と女の子が入れ替わる必要がありますね
こういう場合は、起承転結の「承、転」あたりが必要ですね。
~~~~~~~~~~
毎朝見かけるいつもの顔が
昨日と少し違う世界を伝えてる
僕はテレビを見る暇もなく
パンをかじって家を出る
でも、急いで入ったコンビニで偶然
かわいい君と出会った必然
目が合ったその瞬間から
恋の火花が飛び散る
君と出会えてHappy!
今にも歌い出しそうな気分
満員電車は満席の大ホール
ありがとう、昨日と違う世界
~~~~~~~~~~
はい。どうでしょう。
ちょっと無理やりな例だったかもしれませんが。。
でも、これで、「偶然入ったコンビニでかわいい女の子に出会って一目ぼれしたから、ちょっと日常にハッピーが訪れたよね。」ということが伝わるかと。
逆に、今回で言うBメロの部分がいらない、無くても意味が通じるようであれば、
あるいは、無い方が含みを持たせて深みが出るな、なんてことであれば、
積極的に削ってしまって、構成を変えてしまってもいいかもしれません。
まとめ
ということで、歌詞の「構成」についてでした。
Aメロ、Bメロ、サビという構成で盛り上がりを形成できるので、
基本はその流れに沿って作るのがやりやすいですが、
その効果をふまえつつ、別の構成にするのも自由です。
伝えたいこと、ニュアンスを伝えるための構成にしよう、ということです。
それではまたー。
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— でんすけᔦꙬᔨボイストレーナー (@densuke_snail) March 9, 2018
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