【歌声解説】安室奈美恵さんの歌唱力を解説


こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

今回は安室奈美恵さんを取り上げてみたいと思います。

小室哲哉プロデュースでミリオンヒットを連発し、
「アムラー」と呼ばれる社会現象を引き起こし、
その後もヒットチャート上位にランクインし続けている
まさに。平成を代表する「歌姫」ですね。

2018年9月18日に引退する、と表明したことで大きな話題となり、
早くも「アムロス」が起こっているという話も。

そんな安室奈美恵さんの歌声解説。



CAN YOU CELEBRATE?

では聞いてみましょう。
・・・ほんとはほかの曲にしようかと思っていたんですが、
安室奈美恵さんと言えばこの曲、というところがありますよね。
安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE?」

 

安室奈美恵さんの歌唱力1 母音のつぶれ方

安室奈美恵さんの歌い方の特徴のひとつは、
母音のつぶれ方だと僕は思っています。

たとえばわかりやすいのは
2:51あたりからのサビ終わりのフレーズ
「これでもまだ 悪くはないよね」

めちゃめちゃ大げさに書きますと、
「けれでもめでー うぇるくはねいよねー」
という感じです。

・・・いや、馬鹿にしてるんじゃないですよ。
文字ヅラにするとなんか小バカにしてるように見えますが。。

確かに、これ、ボイストレーニングなんかをすると
「母音が崩れてる!」と直されそうなもんですが。

この曲、このフレーズで、アムロだからこそしっくりくるのかもしれない。
と思っています。

母音がはっきりしていないと、響きが重たくなりがちになります。
ちゃんとした母音で発音すると、
もう少しはっきりと、高らかに歌っている印象になると思うのですが、
このフレーズでこの歌い方をしていることで、
単純に明るく喜びを歌いあげているだけではなく
色んな感情が涙になってこみあげてくるのをこらえながら歌っている

という臨場感が感じられるように思うのです。

この、母音が崩れるという現象、
高音になると、割と誰でもそうなりがちです。
安室奈美恵さんも、この高音で崩れるクセは他の箇所、他の歌でも出ているので、
狙ってやっているのではなく、クセでやっているのだと思います。

全ての箇所でこの「母音の崩れ」が功を奏しているわけではないと僕は思っていますが、
それが安室奈美恵さんの歌い方の特徴として
無意識のうちにリスナーの耳になじんでいるような気はしています。

安室奈美恵さんの歌唱力2 流れるような歌声

先ほどの動画を見て
「あれ、アムロって、こんな歌い方だったっけ?」
というのが僕の最初の感想でした。

それが、流れるように歌っているなということ。

昔の安室奈美恵さんは、ところどころ「引っかかり」がありながら歌っていた印象があったので。
例えば、こんな感じ。

 

最近の歌い方は「キャニュキスミー トゥナーイ」という感じなのに対して
昔のは、大げさにいうと「キャニュキス ミー トゥナ アーイ」
みたいな感じ。
・・・文字で伝わるんかいな・・・

「ん」とか「っ」で書いたようなところに、少し引っ掛かりがあるわけです。

これ、なぜ引っかかりがあったのかというと、
音程を変化させるのに、声を出しながら制御するのが難しいため、
一旦ブレーキを踏んでから、次の音を置きに行く
という出し方をしているものと思われます。

最近の歌い方でこの「引っかかり」が無くなったのは、
長年歌ってきたことで、単純に制御する能力が向上した、ということもあるでしょうし、
一旦ブレーキをかけるのがしんどい、ということもあるのではないかと思います。

車でもなんでもそうなんですが、
一旦ブレーキをかけて、もう一度発進させようとすると、
初速を出すのにはエネルギーが必要なんです。

なので、途中途中でブレーキをかけるよりも、
流すように歌ってしまった方が、結果的に楽

そんなこともあって、今の歌い方に変わっていったのではないかな、と想像しています。

安室奈美恵さんの歌声を踏まえて、歌の練習するなら?

安室奈美恵さん、昔は引っ掛かりがあったけど
最近は流れるように歌っている、
という点。

これ、「引っ掛かりながら歌ってしまう」人って意外と多いもので。

ちょっと、こちらの発声練習などしてみてください。
「スタッカート」と
「レガート」を交互に繰り返すものです。

 

 

スタッカートは、区切りながら「ハッハッ」と声を出すこと。
レガートは区切らずなめらかに「ハァーァーァー」と声を出すこと。

どっちかが苦手、という人、割と多いです。

スムーズに切り替えながらできるようになると、
スタッカート気味にリズミカルに小気味よく歌いながら、
必要な時にはレガートで滑らかに、
ということで、表現の幅を広げることができます。

安室奈美恵さんの歌声を例えると

安室奈美恵さんの歌声を何かに例えてみようのコーナー。

「ダイヤのクイーン」とかどうですかね。

いわゆる「歌姫」と呼ばれるような方って、
高らかには歌うんだけど、どこかしらに重みがある声をしていて。
かわいらしい、というよりも
どっしりと構えて、包み込んでくるような歌い方の人が多い印象ですが。

安室奈美恵さんもそんなシンガーの一人かと思います。

なもんで、
歌姫→クイーン、という連想です。

ハートじゃなくて、ダイヤにしたのは
ハートの方がかわいらしい印象になりそうかなと思って。
ダイヤの方が、硬派な感じもありつつ、
ゴージャス感もあって、イメージに合っているような気がしています。

ということで、「ダイヤのクイーン」いかがでしょうか。

まとめ

ということで、安室奈美恵さんの歌声解説でした。

長年「変わらずに」第一線を走ってきた
と言われたりするかと思うのですが、
少しずつ「変えながら」やってきてらっしゃるのだと思います。
歌声ひとつとっても、やはりそう。

単純に「上手くなった」と言ってしまうのは簡単ですが、
年齢に応じてふさわしい歌い方、できる歌い方もあるでしょうし、
周りの環境の変化もたくさんあったのだろうと思います。
その変化に対応してきたからこそ、
「第一線を走り続ける」ということができたのだろうと想像しています。

いずれにしても、引退の日まで
注目の的であり続けるのは、変わりないでしょうね。

それではまたー。

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