【歌声解説】名探偵コナンの主題歌も!GARNET CROW(ガーネットクロウ)中村由利さんの歌唱力を解説
こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。
歌声解説シリーズ。
今回はGARNET CROWを取り上げてみたいと思います。
GARNET CROWといえば。
2013年に惜しまれつつ解散しましたが、
オリコントップ10入りを何度も達成するなど、
メジャーアーティストとして成功したバンドです。
名探偵コナンの主題歌にも複数の曲が使われたことで、
聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
そんなGARNET CROWのボーカル、中村由利さんの歌声解説。
GARNET CROW「夏の幻」
では聞いてみましょう。
GARNET CROW「夏の幻」
2000年に名探偵コナンの主題歌として使われた曲です。
GARNET CROW中村由利さんの歌唱力1 母音のあいまいさ
中村由利さんの歌の特徴として、
母音の発音があいまいというのが挙げられるかと。
たとえば、0:18あたりからのAメロの途中のフレーズ。
「今日ケンカした君のことばかり考えてた」
特に「ア行」の言葉があいまいな発音に。
「今日ケン『カ』した君のこと『ばか』り『か』ん『が』えて『た』」
やや「え」の発音に近かったり、こもって聞こえてこなかったり。
この母音のあいまいさがあることによって、
- 外国語のようなエキゾチックさが出る
- 次の言葉にスムーズにつながって滑らかに聞こえる
- アンニュイな雰囲気が出る
という効果があるのかと思います。
このあたりが、GARNET CROWの歌の雰囲気を決定づけていると言ってもいいのかも。
裏を返せば、発音があいまいだと、
狙ってもないのに上記のような効果が出てしまう、
ということで、
ボイストレーナーとしてはすごく気になるポイントなんです。
なので、歌が上手くなりたい!と思っている方は、
まずは発音をはっきりできるようにしてから、狙って崩すようにしましょうね。
というのがボイストレーナー的アドバイスにはなりますが。
GARNET CROW中村由利さんの歌唱力2 奥にこもったような発声
先ほどの「母音のあいまいさ」にもつながる話ですが、
口の奥の方にこもるような発声をされています。
舌の付け根のあたり、舌根といいますが、
ここがあまり効果的に動いていないことで、
口の奥の方に空洞ができにくく、響きがぼやけがち、
ということになっているのかと思います。
これも、「ボイトレ的」に言えば治したくなるポイントではあります。
が、良い効果としてとらえると、
- 発音と相まって、アンニュイな雰囲気が出る
- 温かみのある声になりやすい
- 響きが低めになりやすく、男性っぽい中性的な魅力が出る
といったところでしょうか。
サビにしても、転調して明るい曲調に変化しているのに、
はじけきらずに、落ち着いた雰囲気を残している。
もちろん声のトーンは少し上がってるんだけど、
どこかしら憂いを思い起こすような声。
そういったギャップを感じる歌声である、というところも、
GARNET CROWの歌の魅力の一つになっているのかと思います。
GARNET CROW中村由利さんの歌唱力3 アタック感強めの声
さて、もう一曲聞いてみたいと思います。
2011年に名探偵コナンの主題歌にもなった曲。
GARNET CROW「Misty Mystery」
全体的に、アタック感が強め、というか、
区切りをしっかりとつけるような歌い方もみられます。
たとえば、0:32あたりからの出だし
「Why 見えぬ明日へと」
これを、ものすごく大げさに書くと、
「Why 見『っ』えぬ明日へ『っ』とー」
のように、かなりしっかりと区切って発音している箇所が随所にみられます。
この「Misty Mystery」でもそうですし、
さきほどの「夏の幻」でもそうですが、
曲の全体を通して、区切るところはしっかり区切っているという感じです。
「発音があいまいで・・・」ということも上述しましたが、
つなげて音を出している箇所は、滑らかにつながって出てきます。
逆に、このように意図的に(もしかしたら無意識に?)
刻むように区切って発音するところも随所に作っています。
この「滑らかにつなぐ」と「しっかり区切る」が混在することで
ただダラっとつながっているわけでもなく、
ただ単純にハキハキと歌っているわけでもなく、
いいバランスでメリハリが効いている、
という歌に聞こえるのかと思います。
GARNET CROW(ガーネットクロウ)中村由利さんの歌声を例えると
GARNET CROW 中村由利さんの歌声を何かに例えてみようのコーナーです。
「黒執事」とか、どうですかね。
これです。
いや、たとえで出しておきながらナンですが、
僕、黒執事みたことないんですよ。
なので、完全にイメージなんですけどね。
「黒」と「執事」という言葉のイメージのみですが。
確かに女性の声なんだけど、男性っぽさのある
中性的な魅力がある声だというところと、
落ち着きがあって「シュッ」としてそうな雰囲気が
「執事」っぽさ。
少し低めに響いてきて曇りのある、
どこかしら憂いを帯びるようなアンニュイな感じが
「黒」っぽさ。
そんなわけで、例えるなら「黒執事」でいかがでしょう。
たぶん、ただの「執事」じゃないんだよな。「黒」なんだよなぁ。
ちなみに、コナンの主題歌も歌っているので
コナンのキャラで例えてみようかと思ったのですが、
あんまり思いつきませんでした。
灰原かなー、でも、ちょっと違うなー。
まとめ
ということで、
GARNET CROW(ガーネットクロウ)中村由利さんの歌声解説でした。
ボイストレーナー目線でいうと、
初めからこの歌い方を目指しちゃうと、この歌い方しかできなくなるよっ!
ということになるわけですが。
ただ、GARNET CROWというバンドで、この曲だからこそ、
この歌い方が活きてくる、という側面もあるのだと思います。
もうGARNET CROWは解散してしまったので、新しい楽曲は聞けませんが、
過去のCD等はいろいろ売っていたりしますので、
気になる方はぜひチェックしてみてください。
それではまたー。
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— でんすけᔦꙬᔨボイストレーナー (@densuke_snail) March 9, 2018
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大好きなGARNETCROWを解説していただき本当にありがとうございます!
大好きなGARNETCROWの歌声解説ありがとうございます。
ただ、他のアーティストにはあったこの人の歌声を例えるなら。はもうやめてしまったのですか? あれ楽しみにしてたので。
コメント、ありがとうございます!
「例えるなら」コーナー、期待されてたんですね。
ありがとうございます。
追記してみました。
ブログ書いてる方からすると、
反応がないとウケてるかどうかわからないもので。
あんまりウケてる自信がなかったので最近書いてませんでした。
こうして反応をいただけると非常にありがたいです。
次回からは書くようにしようと思います。
すみません。反映されていなかったのでコメント投稿失敗したと思って同じ内容のコメント送ってしまいました。
GARNETCROWはダークでミステリアスな印象があるので『黒執事』という例えは納得しました。
今後もブログ更新楽しみにしています。