【歌声解説】藤原さくらさんの歌唱力を解説
こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。
歌声解説シリーズ、
今回は藤原さくらさんを取り上げてみたいと思います。
コメントにて、解説リクエストをいただきました。
ありがとうございます。
2015年にメジャーデビュー、
若手女性シンガーソングライター、
そして女優も。
ライブでは、アコギやガットギターでの弾き語りスタイルが多いみたいです。
そんな藤原さくらさんの歌声解説。
藤原さくら「春の歌」
まずは聞いてみましょう。
藤原さくら「春の歌」
spitzの春の歌のカバーですね。
3月のライオン、という映画の後編の主題歌になっています。
藤原さくらさんの歌唱力1 息多めの声
藤原さくらさん、かなり息を多めに吐いて声を出していますね。
どこが、というわけではなく、全体的になのですが。
たとえば、
0:20あたり「食べられそうなすーベてを食べた」
この「すー」の音の抜け具合。
最初から多めに息を吐いていないと、
声が徐々になくなっていくような、スーッと消えていくこの感じは表現しづらいです。
この「息が多い」ということで、
声質が柔らかく、温かみのある印象になります。
藤原さくらさんの歌の世界観を形作る一番の要因ではないかと。
藤原さくらさんの歌唱力2 一瞬のどにひっかけるような声
ところどころ出てくる特徴として、
一瞬だけのどにひっかけるようにして出す声というのがあります。
たとえば、
0:12あたりの出だし「思い足でぬかるむ道をきた」
とか、
1:06あたりのサビのフレーズ「愛と希望より前にひびく」
とか。
一瞬だけ声帯を締めて、裏声のような声を出してから
元の地声に戻る、という感じです。
演歌や、民謡のような歌い方でよく見受けられるものです。
他にはL’arc-en-Cielなどのビジュアル系ロックで大げさに使われることも。
声を詰まらせながら歌うような印象になって、
むせび泣いているような、胸が苦しくなるような感じを受ける歌い方です。
藤原さくらさんの歌唱力3 わざと半音ずらす
0:12の出だしから「重い足でぬかるむ道をきた」
のフレーズ。
本来、mid2C#の音を、半音ぐらい落として出しています。
ちょっと歌ってみました。
前半が「本来の」音程、後半が藤原さくらさんっぽい歌い方です。
本来はもう少し高いはずの音を、押さえつけられているような感覚になり、
息を多めに使った歌い方と相まって、
なんだか萎えてしまいそうな、抑圧されたような気分を感じて
より暗い印象の歌になっているように感じられます。
藤原さくらさんの歌声を例えると
藤原さくらさんの歌声を何かに例えてみようのコーナー。
アロマ付き加湿器、ですかね。
よく、こういう歌声を「スモーキーな声」と表現されたりするのですが、
まさになにか「もや」がかかったような雰囲気の声です。
水蒸気でもやもやさせてくるんだけど、
ところどころ特徴的な「香り」を漂わせてくる。
ただ息が多めで柔らかい声だけではなく
ちょっとしたテクニックも入れて「香り」を付けてくる、
そういう感じ。
まとめ
ということで、藤原さくらさんの歌声解説でした。
若手なのに、ちょっとベテランっぽい存在感があるというか、
妙に説得力のある歌声をしていますね。
歌手に、女優に、
これから活躍の場を広げていってくれることと思います。
それではまたー。
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— でんすけᔦꙬᔨボイストレーナー (@densuke_snail) March 9, 2018
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ただ柔らかいだけでなく、一瞬の裏声などで引っかかりのある音が入ってくるのが心地よいと思って聴いているので読んでいて納得しました!
リクエストに応えてくださってありがとうございました!コメント遅くなってしまってすみません。
テクニックとして音程をずらす、というのがリクエストした3人に共通していたところが印象に残っています。プロの方は正確な音程で歌うことが全てだと思っていたので……。
楽しく読ませていただきました。ありがとうございました!
魅力を感じる方がいらっしゃるのは理解しました。
でもあの音程はずしは、わたくしは苦手です。
不安定な感じがとても苦手です。
ごめんなさい、正直な感想でした。