80.ボーカルも他の楽器を知っとこう!キーボードの仕組と役割、絡み方
こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。
なんだかシリーズ化してしまったボーカル以外の楽器も知っておこうシリーズ、
今回はキーボードです。
キーボードって、バンドに一つあるだけでなんか華やかになる感じがありますよね。
音楽に一味つけるための楽器、ということが言えそうです。
形から察するに、ピアノと一緒でしょ?と思われるかもしれませんが。
まあ乱暴に言ってしまうと確かにそうなんですが、
もうちょっと真面目にキーボードについて理解を深めてあげましょう。
ちなみに、これまでにドラム、ベース、ギターやってきました。
その辺の記事はこちらから。
80.1.キーボードとはなんぞや
そもそもキーボードとは。
ピアノと同じように、白鍵と黒鍵が並んでいて、ドレミファソラシド、そして半音階も含めて1オクターブ12音階、
それを数オクターブ並べた楽器が、キーボードです。
じゃあピアノと何が違うんじゃい?
というと、最大の違いは音色を選べるということです。
ピアノの音はもちろん、オルガンやストリングス、ブラスやギターにパーカッションまでできる!
というのが最大の特徴です。
何でもありです。何でもありな楽器です。
人によっては、なんかズルい!と表現する人もいますが、便利なものは使ったらええ。
80.2.キーボードの大きさ表現
キーボードは機種によって大きさが違います。
鍵盤の数で大きさを表現します。
だいたい、61鍵、76鍵、88鍵あたりが標準のようです。
1オクターブ12鍵なので、それぞれ5、6、7オクターブちょっと、ということですね。
キーボード中級、上級者になってくると、61鍵、76鍵では足りなくて、88鍵がいいらしい。
特にポップスの曲では、鍵盤の数が足りなくて表現しきれなくなるものがあるようです。
88鍵になってくると、見た目にも持ち運びにも、かなりデカくて重いです。
マイキーボードを使ってる人がいたら、いたわってあげましょう。
逆に小さいものだと30数鍵とか40数鍵もあるようですが、これだとだいぶ小さいので遊び用だと思ったほうがいいと思います。
80.3.キーボードの役割
さて、キーボードの音を聞いてみましょう・・・
と言ってはみても、音色がなんでもありな楽器なので、何でもできます。
とはいえ、いわゆるバンドサウンドの中でキーボードがよく担う役割としてはだいたい決まっていて、
- ピアノの音で、ピアノの代わりをする
- ストリングス、ブラスなど、簡単に準備できない楽器の代わりをする
- PADなどの雰囲気を出す音を鳴らす
といったとこでしょうか。
キーボードは、基本的には上物(ウワモノ)楽器とされます。
ウワモノってナニモノ?と思った方は、前回の記事を参照のこと。
ピアノ、ストリングス、ブラスなどでメロディを奏でている場合は、完全にウワモノですね。
ピアノの場合、コード弾きでリズムを刻んでいることもあるので、少し土台の役割もしています。
前々から使っている例、Superfly「愛をこめて花束を」のAメロを、ピアノなしでやるとこんな感じ。
ピアノを入れるとこうなります。コード弾きでリズムを刻んでいるパターンですね。
ちなみに、ストリングスとは、バイオリンやチェロなど、一般的にオーケストラで使われる弦楽器のこと。
ブラスとは、トランペットやサックス、トロンボーンなどの管楽器のことです。
このあたりの楽器の音を使うと、オーケストラっぽい雰囲気が出て壮大な曲のイメージになります。
バンドサウンドをやると、ストリングスやブラスの演奏者を用意するのが難しいのと、
実際にライブでやるとなると音響的にいろいろ大変になるので、キーボードが代わりにその音を担うことがあります。
あと、PADという言葉は聞き慣れないかもしれないですね。
パッド、と読みます。
フワーっとした雰囲気のような音を伸ばして、雰囲気を作るための音のことを言います。
電子的な音のこともありますし、ストリングスが音を伸ばしているような場合もあります。
「愛をこめて花束を」のBメロでストリングスがフワーっと鳴ってくる例があります。
まずは、ストリングスなし。
ストリングスあり版。
なんとなく後ろの方で、ファーという音が鳴っているのがわかりますでしょうか。
こういう、雰囲気的にファーっと伸ばしている音も、キーボードの役目になったりします。
80.4.キーボードとシンセサイザーの違い
よく混同されがちなのが、キーボードとシンセサイザーって同じ楽器?という話。
ちょっと違います。
キーボードは、あらかじめプリセットされた音色を選んで使うだけです。
ピアノにしよう、ブラスにしよう、ストリングにしよう、という選択をするのですね。
対してシンセサイザーは、音色を自分で作ることができる楽器です。
プリセットされている音色を選ぶこともできるので、そういう使い方をすればキーボードと同じですけどね。
音色を作る、というのをもうちょっと具体的に言うと、
素人にはなにがなんだかさっぱりわからないつまみがたくさんついていて、
音の波形をいじったり、波形を合成したり、一定の間隔でエフェクトをかけたりして
自然界にないような音を微調整しながら作り出すことができる楽器です。
・・・一言ではまとめるとわかりにくいですが、まぁ、例えば同じストリングスの音を出すにしても、
音の伸び具合や、音色の質感を、微妙に(もしくはダイナミックに)調節してニュアンスを変えることもできる、ということです。
80.5.ボーカルはキーボードをどう聞くか
さて、書いてきたようにキーボードの役割は上物だったり雰囲気だったりするので、
ボーカルは何を聞いておくかというと、なんとなく鳴ってるなーというのを聞いておく程度かと思います。
キーボードが作り出す雰囲気を感じ取って歌う、というのがボーカルの仕事かもしれません。
ストリングスで大らかな雰囲気になっているのに、トンガってシャウトしてしまっては雰囲気に合わないでしょうし。
そうかと思うと、コード弾きやメロディでも、リズム感のあるフレーズを弾いていたりすることもあるので、
その時は一緒にノってあげるといいと思います。
そういう意味では、自由度の高い楽器であるため、
毎度毎度、キーボードはどんな音で何を弾くんだ?というのを聞いておくと
その場の雰囲気、ノリがわかって歌いやすくなるかもしれません。
まとめ
キーボードについてでした。
基本的には何でもできる楽器であるがゆえに、キーボードが作り出す雰囲気というのを感じ取って
それに合わせるように歌っていくのが良いのかと思います。
あと、キーボードは持ち運びが大変です。特に88鍵もあると。
機材の移動も、音楽をやるのに大事な要素ですので、そのあたりも気を使えるようにしておきたいものです。
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— でんすけᔦꙬᔨボイストレーナー (@densuke_snail) March 9, 2018
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