とにかく情報量を多く教えるだけではダメ。ペースを合わせる教え方
こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。
「教える」技術を考えるシリーズ。
今回は、生徒側にペースを合わせよう、という話です。
一方的にしゃべってくる人、いませんか?
一方的にしゃべってる人に、なってませんか?
今回はそんなお話。
教える側のペースで教えてしまうパターン
ボイトレで例えてみると。
たとえば一曲歌ってみてもらったところで
「ここと、ここと、ここの音程が外れている、
ここと、ここと、ここのリズムがおかしい。
ここと、ここと、ここの表現が不自然で、
ここと、ここと、ここの呼吸が乱れてブレスがおろそか。
ここと、ここと、ここは歌詞を間違えてて
ここと、ここと、ここはもっと丁寧に。
そもそも腹式呼吸ができていないのと
歌うために必要な体作りができていなくって
声に張りがなく、伸びもないから迫力も出ない。
もう一回やりなおし」
・・・と言われたら?
「えっ・・・」となりますよね。
教える側は善意で伝えているかもしれません
(上記だと悪意があるように見えますが。。。)
ただ、教えてもらう側としては、状況が飲み込めません。
情報量が多すぎ、改善ポイントが多すぎるから。
これで
「せっかく教えてるのに、全然理解してくれない!」
というのは、ちょっと、どうかと思いません?
ボイトレに限らず、どんな分野でも、
何かを教える時に、こういう「情報過多」になっているパターンはよくあります。
気を付けたいものですね。
噛み砕くのも教える側の仕事
先ほどのような大量の指摘が正しいとしても。
結局伝わらない、聞く側が飲み込めないようでは、
教えている意味はありません。
それをわかりやすい単位まで紐解いて、噛み砕くのも
教える側の仕事です。
まずは、「できていないこと」の原因を考えてみましょう。
「てきていないこと」というのは、
たいていの場合、基礎的な内容が固まっていないことによって発生する、
末端的な現象であることが多いです。
例えば先ほどの例で行くと。
「音程が外れている、リズムがおかしい、表現が不自然」
などの現象の原因は、発声の基礎ができていないことであることが多いです。
「歌詞を間違えている」ことから
この曲をあまり覚え込んでいない、ということもわかります。
「呼吸が乱れる」ということから、
まずは呼吸がきちんとできていない、ということがわかります。
そこで、
まずちゃんとした呼吸のやり方を覚え込んで、
そこからきちんとした発声をやって、
そして曲を覚えること。
そういう「基礎を固める」ことをやっていくと、
おのずと、さきほど指摘していたような内容が改善していくはずです。
・・・ということを、教える側は伝えないといけません。
ただひたすらに「音程!リズム!ブレス!やり直し!」と言ったところで
ミスっていることはわかりますが、どうしたらいいのかわからないので
やみくもに繰り返したり、理解できないフラストレーションが貯まる一方です。
根本原因の探り方
できるだけ噛み砕いて教えても、
それでも相手が理解できない or 実践して上手くいかない
時もあると思います。
そんなときは、さらに根本原因をさぐってみるか、
理解して実践できるまで我慢して見守ってあげるか、です。
たとえば、「歌詞が覚えられない」という悩みがあった場合。
そんなの「覚えるしかない」と思うかもしれません。
それ以上噛み砕いて教えられることはないと。
でも、どうやって歌詞を覚えているのかを聞いてみると、
歌詞カードとにらめっこして、丸暗記するみたいに覚えているかもしれません。
それだと、非常に覚えにくいんです。
歌詞は、メロディに乗せて覚えたり、
耳で聞いて体で覚え込ませたりした方が、体に入りやすいです。
また、丸暗記するように覚えるよりも
歌詞の意味を考えて情景を思い浮かべたほうが親しみがわいて覚えやすかったりとか。
というように、そもそもなんで覚えられないのか、
覚え方をどうやっているのか、を聞いてみると、
案外「もっといいやり方」がありそうだったりします。
- そもそも、どうやってやるべきなのか
- 今のやり方はまちがっていないのか
を丁寧に掘り下げていくと、教えるべき内容が見つかることがあるはずです。
相手のペースに合わせる
もう一点、
理解して実践できるまで我慢して見守ってあげる
というのも大事です。
根本原因を見つけ出して、
それを「こうしたらいいよ」と伝えてあげる。
で、あとは実践するだけ、なのであれば、
あとは「相手のペースに任せる」べきです。
できる人からすると
「なんでこんな簡単なことができないんだ!」
となりがちですが、
そう言ってる本人も、最初はできなかったはずで。
できるようになるまでには、ある程度の時間と練習量が必要です。
もちろん、明らかに練習量が足りない、のであれば
それを指摘するべきなのですが、
試行錯誤をしている最中にあれこれ言われると
「情報過多」でよくわからなくなります。
目的、目標がはっきりして練習しているのであれば、
あまり余計な小言を言わない方が良いと思います。
まとめ
ということで、相手のペースに合わせる、という話でした。
基本的に、教える対象が1人であることを想定してます。
複数人数が相手だと、より複雑な話になりそうですが、
基本的な考え方は一緒じゃないかと思います。
目についたミスをとにかく指摘する、だけではなく、
どういう原因でそうなっているのかを噛み砕いて伝えること、
原因を取り除くために実践している時は、あまり余計な口を出さない。
というのが、良い教え方ではないかと思います。
それではまたー。
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— でんすけᔦꙬᔨボイストレーナー (@densuke_snail) March 9, 2018
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