【歌声解説】[Alexandros]川上洋平さんの歌い方、歌唱力を解説
こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。
今回は、[Alexandros]の川上洋平さんの歌い方、歌唱力を解説してみます。
[Alexandros]、ご存知ですか?最近はずいぶん有名になってきたので、
ご存知の方も多いかもしれません。
[Alexandros]ってなにもの?
バンド名 [Alexandros] です。
「アレキサンドロス」と読みます。
カッコ[]も含めて、バンド名です。
Alexandros、ではないです。[Alexandros]です。
カッコつける、という意味があるとかないとか。
元々は、[Champagne](シャンペーン)という名前だったのですが、
フランスのシャンパーニュ地方の地域名の保護を理由に
シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会(C.I.V.C.)日本支局から要請されて
改名に至ったのだとか。
僕、[Champagne]時代からけっこう好きだったので、
改名したときはちょっとビビりましたけど。
いまではここまで有名になりました。
ちなみに、関東では「アレキ」と呼ばれることが多く、
関西では「ドロス」が多いらしいです。
僕は「ドロス」派です。
マクドナルドみたいですね。
「マック」派か「マクド」派か。
そんなマクドナルドみたいな[Alexandros] 歌声解説をやっていきましょう。
ワタリドリ
近年の[Alexandros]の代表曲はこれ、ではないかと。
「ワタリドリ」
[Alexandros]川上洋平さんの歌唱力1 高い!
あのね。
とにかく、高い。
高いんだよ。音程がさ。
最高音は、hiEです。
(hiEなどの音名が分からない方はこちらをどうぞ。)
1:04あたりからのフレーズ。
サビの「ワタリ『ド』リ」のところ。
これ、男性の裏声でもかなり高いところです。
単発で出すだけなら何とかなる所ですが、
歌の流れの中で急にこの音を出すのはかなり大変。
しかも、歌で使えるしっかりとした声を出さないといけない。
ちなみに、僕が知っている中での[Alexandros]の最高音は、
「Run Away」という曲のサビで出てきます。
1:16あたりからのフレーズ。
「中途半端な『ま』んぞくで」
『ま』がhiF#です。裏声でも相当高い。
これ、どうやって出すねん、という話ですが。。
まずは、裏声を出すところからです。
発声練習用の音源等も使って
まずは出しやすい音程から。
慣れてきたら少しずつ音程を上げていく感じで、徐々に練習しましょう。
のどに力が入りがちですが、
できるだけ、それ以外の部分で支えてあげるように。
頭に声を抜けさせる、お腹や下半身で声を支える、というイメージをより強く持っていることが大事です。
hiF#まで出そうとすると、かなり喉が締まる感じになりやすいです。
ある程度仕方ないんですけどね。
でも、のどが痛いな!と思ったら素直に練習をやめましょう。
関連する記事として、こんな記事もどうぞ。
体の動き、表情筋を使おう!歌が上手くなる体の動きの話
一瞬ひざを入れると、高い音を出しやすいかも、というヒントに。
[Alexandros]川上洋平さんの歌唱力2 英語の発音のカッコよさ
川上さんは、幼少期にシリアで生活をされていたようで、
英語の発音がいい感じです。
「ワタリドリ」でも、冒頭から英語です。
「I wanna fly so high Yeah. I know my wings are dried」
ネイティブな発音ができる人というのは、
省略してもいい単語が分かっているものです。
たとえば、「Yeah」は前後と繋がっていて、
「ハーィェァィノウ」となって
日本人にはかなり聞き取りにくい感じに。
英語の少し崩しめの発音と、日本語の発音とのコントラストが
一種不思議な雰囲気を感じさせる要因の一つになっているように感じます。 [Alexandros]を歌うのであれば、英語の発音はそのまま真似をしちゃうのがいいと思います。
まずは、何を言っているかわからないまでも、音で聞いて覚えてしまう。
省略しているような細かいところもよく聞きつつ。
音で覚えてから歌詞を見直してみたほうが、いいと思います。
特に、英語が苦手、という人はそう。
「ハーィェァィノウ」と音で覚えたものが
High と Yeah と I knowが重なってできてるんだとわかると、
それぞれの単語が多少でも混ざるように微調整がしやすいと思います。
先に「High と Yeah と I know」を与えられると
どう崩して歌っていいのかわからなくなるので。
参考にこちらの記事もどうぞ。
英語の歌詞が苦手な人へ、英語の発音をきれいにして歌おう
[Alexandros]川上洋平さんの歌唱力3 放り投げるような語尾
放り投げるような語尾、というのも特徴のひとつ。
0:32あたりからのフレーズ
「飛べるもの落ちるもの」の最後。
「落ちるものーぅ」という感じですね。
少し音程を落としながら終わる感じ。
放り投げて終わるような、少しぶっきらぼうにも見せつつ
次のフレーズへの橋渡しもしています。
すこしだらっと伸ばしていることで、途切れずに次のフレーズに移る効果を狙います。
折に触れてこの歌い方が出てくるので、
実際にやってみたときとやってみないとき、
感じを試してみるといいと思います。
僕もちょっとだけやってみました。
前半が放り投げる感じ(ちょっとだけ)、後半はやらない感じ。
後半の方が、音がプツっと切れている感じになるのがわかりますかね。
どちらがいいかは、もちろん場面によるのですが、
これをうまく使って音をつなげていっているのも
[Alexandros]の歌い方の特徴のひとつかと。
[Alexandros]川上洋平さんの歌唱力4 サ行の生々しさ
これは歌唱力という観点とは少し違うかもしれません。
というか、一般的には「NG」とさえ言われること。
サ行がうるさいです。
正確に言うとサ行だけではないのですが。
たとえば出だしの
「I wanna 『f』ly 『s』o high」
の「フ」とか「ソ」
つづいての
「『つ』ば『さ』仰げばって 『ひ』とは言う」
わかりますか?
すべて「スッ!」という息の音が聞こえる発音になってます。
これ、一般的には「うるさい」と嫌われる音です。
レコーディング後の処理にて、
「ディエッサー」と呼ばれるエフェクターで低減させようとする音なんです。
一般的な歌のレッスンでも、この音が鳴らないように指導されることが多いはずです。
例えば「ソ」なら、発音は「SO」ですが、
母音の「O」に重きを置いて、子音の「S」は軽く発音する、という感じ。
しかし、[Alexandros]の場合、おそらくですが、わざとこれを残している。
というか、強調しているようにすら聞こえます。
これによって、何とも言えない生々しさも出てきます。
好みは分かれるんでしょうけど。
表現としての「息の音」も注目してみるといいと思います。



まとめ
ということで、[Alexandros]川上さんの歌声解説でした。
とにかく、高いです。
この人は、それに尽きる。
英語のカッコよさや、息の音をわざと残す方法など、
[Alexandros]ならではの表現が光ります。
既にご存知だった方も、初めて知った方も、
[Alexandros]。聞いてみてはいかがでしょう。
それではまたー。
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— でんすけᔦꙬᔨボイストレーナー (@densuke_snail) March 9, 2018
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