68.ミックスとは何か?声をきれいに聞かせるミキシング基礎編
こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。
今回は、ボーカルのミキシングの話をしようかと思います。
・・・ミキシング?なにそれおいしいの?
という方は、
ミキサーの使い方の記事や、
StudioOneでミックスをする方法なども参考にどうぞ。
要は、ボーカルの声をそのほかの楽器の音と合わせて鳴らす際に、音量のバランスなどを取ること、これがミックスです。
ミックスをすることをミキシングと言うのです。
レコーディングまではやらない人でも、スタジオやライブハウスでの音量バランスのとり方だったりとか、
カラオケで音量やリバーブ(エコー)を調節したりするのもミックス、ミキシングです。
ということで意外と身近なミックスのお話。
68.1.ミックスって必要なの?
ミックスって、そんなに必要なものなの?とお思いのあなた。
必要です!
ということで、こんな例を挙げてみます。
最近よく使うMr.Children「足音~Be Strong」を例にして。
ちなみに、僕の歌ってみた動画はこちらです。
で、まずはミックスした方から。
まだちゃんとミックスしていない、ボーカルを録音しただけの状態。
はい、ほぼボーカルが聞こえないですね。
ちょっと極端な状況を例に出してみましたが、印象がずいぶん違うのがわかるかと思います。
なにそれ、ボーカルの音量を上げればいいだけなんじゃないの?
というのは、半分ぐらいはおっしゃる通りです。
音量の上げ下げでバランスを調節するだけでも、立派なミックスです。
周りの音に合わせてボーカルを調整してあげる、これがミックス。
音楽が電気機器を使って再現されるものである以上、ミックスしないことには音楽として成立しないわけです。
68.2.ミックスって何をするの?
先ほども書いた通り、音量のバランスを取るのがミックスです。
じゃあ、音量を上げればいいじゃん。
ということで、ボーカルの音量だけを上げたのがこちらです。
ここで改めてもう一度ミックス済みのものを聞いてみましょう。
なんか違いますよね。まだボーカルが前に出てこないというか。きらびやかさも違うし。
ミックスは、音量を上げるだけでは終わりません。もう少しいろんなツールを使って音を作っていくことをやります。
そこで、ミックスによく使われるものを列挙しておきますと。
- イコライザー(EQ)
- リバーブ(エコー)
- コンプレッサー
イコライザーとは、ねらった周波数帯域の音を増減させてくれるものです。
イコライジングの記事でも解説しましたので、こちらもぜひ。
リバーブ(エコー)とは、ホールなどの反響音を再現するものですね。
これは、ボーカルエフェクターの記事でも扱いました。
実際にリバーブをかけた音も確認できますので、参考に見てみてください。
ちなみに、カラオケでは「エコー」という名前で呼ばれることが多いかと。音楽業界的には「リバーブ」と呼ぶのが一般的。
コンプレッサーとは、簡単に言うと音のばらつきを抑えてくれるものです。
もうちょっとちゃんと言うと、大きすぎる音を圧縮して小さい音にすることで、音量が大きくなりすぎなくする、というもの。
人間が演奏する楽器、特にボーカルはどうしても音のばらつきが出てしいやすいので、コンプレッサーを使って耳ざわりをよくします。
色々挙げましたが、要するに、音量のバランスを取るのと、音をきれいに加工して聞かせる、ということをやるのがミックスです。
68.3.実際に現場ではどうすれば調整できるの?
イコライザーだのリバーブだのがあるのはわかったけど、実際にどうすればいいの?
まず、カラオケの場合。
大体の機種でボリューム調整とエコーの調整(リバーブの調整)ができるようになっていますので、やってみて下さい。
まあカラオケに慣れている人は積極的にいじっていたりすると思いますが。
あまりエコーをかけすぎるとモワモワしますが、かけないと寂しい感じになるので、いい具合を探してみましょう。
そのほかの調整は、基本的にはできません。というより、自動的にいい具合に聞こえるような調整がされているようです。
次に、ライブやスタジオ練習の場合。
ミキサーを使って調整をすることが多いです。改めて、ミキサーの使い方の記事をこちらに載せておきます。
ミキサーでは、音量の調節やイコライジングができるようになっています。
それ以外のリバーブなどの効果については、エフェクターを準備すれば実現できます。
ライブの場合だと、ライブハウス側でリバーブぐらいは準備されているので任せておいていいと思いますが、ほかにねらった音を作りたいというのであれば、エフェクターを持って行ってPAさんと相談してください。
レコーディングの場合。
「歌ってみた」などをやってみたい人や、実際にCDを出したい人などはレコーディングをすると思いますが。
この場合は録音した音を聞きながら、それぞれのエフェクトをどれぐらいかけるか、という調整を細かく行えるので、腰を据えてじっくりとやればいいと思います。
DAWソフトやエフェクターなどの機材がスタジオにそろっていたり、自分で持っている場合もあるでしょうから、そのあたりを色々駆使してじっくりと良い音を探してください。
まとめ
ということで、ミックスについて、基礎知識的なものを書いてみました。
「歌ってみた」などのレコーディングをされる方はよく聞く言葉かもしれませんが、
趣味でカラオケにいくだけ、と言う人はあまりなじみがないかもしれません。
が、ミックスという作業があるんだ、ということを知っておいてください。
色んな楽器が鳴っている音楽において、それぞれの楽器の音量バランスを取り、音をきれいに加工する、というのがミックスです。
当然、ボーカルに対してもミックスの作業をする必要があるわけですね。
今回は基礎知識編としてミックスの概要を書きましたが、実際にどうやってやっていくのかは次回書こうと思います。
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— でんすけᔦꙬᔨボイストレーナー (@densuke_snail) March 9, 2018
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