69.声をきれいにミックスしよう!ボーカルミキシング実践手順

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こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

前回の記事では、ミックスとは何か、という基礎知識を書きました。
今回は、実際にボーカルに対してミックスをやってみよう、というテーマでお送りします。

DAWソフトを使ってじっくり音を作る、というのをやっていきますが、
ライブやスタジオ練習、カラオケなどでも使えるような知識も織り交ぜて書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。

それでは参りましょう。



69.1.ミックスで何をすればいいのか

前回の記事でも書いた通り、ミックスとは、音のバランスを整えてきれいに聞かせる処理というわけですが、実際のところ何をすればいいのか?

  • 音量バランスの調整
  • イコライジングで音質の調整
  • リバーブ等で空間の調整

大まかに分けると上記の通りでしょうか。
それぞれに解説をしてみたいと思います。

69.2.音量バランスの調整

音量バランスと言えば、ボーカルと他の楽器とのバランス、があります。
それもあるのですが、もう一つ、ボーカル単体での音量バランスも大事です。

どういうことかと言うと、Aメロで音量が小さくなりすぎてしまった、とか。
さびだけ力みすぎて声が大きくなりすぎてしまった、とか。
高音を出そうとして思わず声を張ってしまった、とか。

人間の演奏ですから、どうしても音量のデコボコができてしまうので、それを抑えてあげるのもミックスの仕事です。

例えば、この場面。ボーカルの録音だけしてミックスをしていない音源です。

「夢見てた」と「未来はー」の音量差が大きいですね。
これを、コンプレッサーと呼ばれるツールでならしてあげるとこんな感じ。

同じような音量に落ち着きました。

ちなみに、コンプレッサーとはこんなツールです。
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グラフの横軸がもとの音量、縦軸が加工後の音量。
右上に行くにしたがってグラフの傾きが緩やかになっているのがわかるかと思います。
元の音量が上がってきたら、加工して音量を落としてね、ということです。

あまりかけすぎると不自然になりますが、コンプレッサーをかけてから音量を上げることで、音量が上がりすぎない、という効果を期待することができるのです。

69.3.イコライジングで音質の調整

イコライジングとかイコライザとかなんやねん!という方は、
イコライジングの記事も参考に。

ねらった周波数帯の音を増減させるツールのことをイコライザと言います。

例えばこちら。先ほどのコンプレッサーのみをかけた状態です。

これだと、ちょっと暗くこもってるなーという印象を受けるので、イコライザでいじってみました。
少しボーカルが前に出てきて、聞こえやすくなるかと思います。

イコライザの画面がこちらです。
600Hzあたりを4dBぐらい上げている感じです。あと、90Hz以下をカットしてます
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いわゆる中音域(MID)と呼ばれる帯域を上げると、声が前に出てくる印象になりやすいです。
また、低すぎる周波数帯域は人間にはあまり聞こえないのでカットしています。

ボーカルを聞こえやすくするなら単純に音量を上げればいいんじゃないの?と思われるかもしれないので、
音量だけを上げたパターンも作ってみました。
600Hzあたりだけを上げたときよりも、少しごわごわして聞こえませんか?
聞こえなくてもいい周波数帯も一緒に上がってくるので、逆に聞きづらくなる場合もあります。

というように、簡単なイコライジングを紹介しました。
カラオケなどでは調整できませんが、スタジオ練習でミキサーを使う場合は必ずイコライザがついていますので、いろいろいじって効果を試してみてください。
MIDを上げれば万事解決、と言うわけでもないのがこのイコライジングの難しいところなので、試行錯誤してみてください。

69.4.リバーブ等で空間の調整

最後に、リバーブをかけてみます。

まずはリバーブをかける前。イコライジングまでやった音源をもう一度。

では、リバーブを軽くかけてみましょう。

角が取れてちょっと丸くなったようなイメージも出てきますね。
そのせいもあって、音程やリズムのずれが少しぼやけるので、多少ごまかすことができるといううれしい効果もあります。
また、すこしだけ後ろに下がって遠くから聞こえるような聞こえ具合にもなっているかと思います。
そのあたりを踏まえつつ、リバーブの量を加減してみてください。

ちょっと、リバーブをかけすぎた例をひとつ。

・・・お風呂場にいるのかな?あるいは、選挙演説で遠くの方からスピーカーでしゃべってるような。
まあかけすぎるとこんな感じになるということです。

リバーブはカラオケにもついている機能です。エコーと言う名前が一般的かもしれません。
音程やリズムのずれが少しごまかせたりもするので、かけすぎない程度にかけておくといいと思います。

まとめ

ということで、ミックスの手順ということでお送りしました。

ミックスにおいては今回紹介したコンプレッサー、イコライザー、リバーブを使う流れが大体一般的かと思います。
僕が実際に歌ってみた動画を作成した際には、もう少し細かいことまでできるツールを使っていろいろやっているのですが、基本的には今回書いたようなことをやっているだけです。

レコーディング時だけでなく、ライブの時や、カラオケの時にも使えるツールがありますので、ぜひそれを使って自分の好みの音を作ってみてください。
特にリバーブはカラオケにもついています。音程やリズムのずれが少しごまかせる効果もあるので、カラオケを上手く聞かせるためには、やりすぎない程度にうまく使っていけばよいと思います。

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