11.リズムを基礎から理解しよう(拍子編)

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こんにちは。ボイストレーナーのでんすけ(@densuke_snail)です。

リズムを理解する基礎知識編。
前回は音符の長さを解説しました。

今回は「拍子」です。
四分の四拍子、とかね。

この拍子の話、仕組み自体はそんなに難しいわけではないのですが、
音楽初心者の方には割とおざなりにされたりする話でもあります。
ボーカリストの方は特に。

でも、音楽をどう捉えて、どう表現するか、
を考えるうえで、基礎的な知識になりますので、ぜひ押さえておきましょう。

ただし、
なぜこの手の話がちょっと敬遠されがちなのかというと、
音楽の歴史やジャンルによってとらえ方が様々あること、
ルールと慣習がごちゃまぜになって説明されることが多いことから
やや混乱を招きやすい話でもあるからです。

今回は、楽譜上の拍子記号のルールについての説明と、
拍子が変わることによる音楽表現のやり方、とらえ方を少し紹介する、
というところまでにとどめようと思います。

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そもそも拍子とはなんぞや?まずは四拍子から

まずは、拍子とは何ぞや?という話から。

楽譜で言うと、左端のほうに書いてある、数字のことですね。
11_hyousi_1
この場合は、四分の四拍子(4/4拍子)です。

ではこれだと?
11_hyousi_2
そう、四分の三拍子(3/4拍子)ですね。
そのまま分数だと思って読めばいいわけです。

ではどういう意味か。
四分の三拍子を例にとると、
一小節の間に、四分音符が、三つ、入るから、四分の三拍子
です。
楽譜で書くと、こういう感じです。
11_hyousi_3

同様に、四分の四拍子だと
11_hyousi_4
ですね。

かんたーん!

拍子が変わったらどうなるの?4/4拍子と3/4拍子の違い

楽譜上で、一小節の長さが変わるのはわかるけど、
だからなんなの?
ということで、実際に音を聞いてみましょう。

まずは、オーソドックスな四分の四拍子。
11_hyousi_4

つづいて、四分の三拍子。
あえて、音符の数を同じにしてやってみます。
11_hyousi_5

ほら、3つずつに区切って音を鳴らしているように聞こえませんか?
あと最後!最後気持ち悪くない!?
テンポも音の長さも、さっきの四分の四とまったく一緒なのに。

そうなんです。
まったく同じ音の並び方でも、
拍子が違うだけで感じ方がまるで違ってくるんです!

では、試しにもう一個、
四分の二拍子の例を。
11_hyousi_2on4
どうでしょう。
「タントン」「タントン」「タントン」「タントン」
という感じです。
行進で歩いているような、肩たたきをしているような。

拍子変わればアクセントも変わる

さて、拍子が変わると、印象が変わるという話ですが。
なぜ印象が変わるのか。

それは、アクセントの位置が変わるからなのです。

さきほどの例で聞いてもらった音源、ピアノと一緒にメトロノームを鳴らしていました。
あの音、1拍目だけ音が違いましたよね。
「チーン」って鳴ってましたが。

あれは、ここにアクセントがある、つまり、小節の頭がある、ということを表してくれているのです。

ここで、強拍弱拍という言葉を覚えたいと思います。
アクセントを強く感じる拍が「強拍」、弱く感じる拍が「弱拍」、そのままですね。

基本的には、1拍目は「強拍」、それ以外は「弱拍」です。
ただし、四分の四の場合は、3拍目を中強拍という言い方をして
ほかの弱拍よりは意識しましょうねー、という位置づけになっています。

うまく歌を歌いたい、リズム感をよくしたい場合。
1拍目は確実に「強拍」であることを意識することが重要です。
それだけでリズムの感じ方が変わってきます。

ただ、注意してほしいことがありまして。
難しいことを言い出しますが、強拍、中強拍だからといって、必ずしも強く声を出すわけじゃないということです。
「意識を持つ」とか「ニュアンス」という言葉で片づけてしまいがちなんですが、
周りと少し違う音を出す、というのがポイントです。
強く声を出す、わざと柔らかくする、エッジボイスを混ぜる、など。

どうすれば正解、というわけではないのですが、
いずれにしても、まずは強拍を意識してリズムを感じながら歌う、
これを覚えていただければと思います。

八分のなんとか

四分のなんとか、という拍子があるのであれば、
八分のなんとか、という、八分音符を基準にした拍子もあります。

まずは、八分の六。
11_hyousi_6on8

つぎ、八分の八。
11_hyousi_8on8

ですね。
なんか、一小節が長くなった気がしませんか?
でも、全て同じ速さ(テンポ)です。

さて、この拍子の話が出てきてよくわからなくなりがち、なのが、
たとえば、「四分の三」と「八分の六」の違い。

11_hyousi_5
11_hyousi_6on8

なにか気づきませんか?

じつは、「四分の三」の四分音符を、全て八分音符に変えると、
一小節に八分音符が六つになるんです。
つまり、同じ楽譜になるじゃありませんか!(ありませんか!

では、実際にやってみましょう。
11_hyousi_3on4_8note
11_hyousi_6on8
ほら、同じに・・・
ん?なんか違う?

じつは、これこそが「四分の三」と「八分の六」の違いです。
先ほど、強拍と弱拍があるということを書きましたが、
「四分の三」と「八分の六」で、強拍と弱拍の位置が違うのです。

わかりやすく楽譜にしてみますと。
11_hyousi_3on4_kyoujaku
11_hyousi_6on8_kyoujaku
上は一小節が「コツコツコツ」という感じなのに対し、
下では「コツツコツツ」という感じです。

となると。
八分の八でいうと、どうなるのか?

実は八分の八という拍子は、あまりお目にかかることがありません。
また、アクセントの付き方としても、
弱弱弱弱弱」、「弱弱弱弱」、「弱弱弱弱」
という3パターンが挙げられたりするなど、
一つに決まっているわけではなく、少々ややこしいです。

このあたりが拍子の話をするときのややこしさの一つです。
つまり、八分の八だからここにアクセント、というのが常に決まっているわけではない
ということなのです。

いちばん一般的な四分の四でさえも、
普通は1拍、3拍を強拍、中強拍と考えるのですが、
ロックンロールでは2拍、4拍と言われていたり、
ジャンルによって、曲によって様々です。

これ以上細かく分類するとかなり高度な話になるのでやめておきます。
ただ、そういう例外や特殊事例もあるんだけど、
基本的には、これまで書いてきたことが基本、ということで理解しておいてもらえればよいかと思います。

各拍子の実例

では、実際の曲には何拍子が使われているのか。
実例をいくつかご紹介してみたいと思います。

四分の二拍子(2/4拍子)

まずは四分の二拍子です
きんたろう

」さかり「」ついで「」んたろ「」ーですね。
僕は「まさかりかついだ」だと思ってました。

また、二拍子、というのは「行進曲」に使われる拍子でもあります。
ヨハン・シュトラウス1世作曲、「ラデツキー行進曲」

基本的には歌モノの曲を実例に挙げようと思っていましたが、
さすがにこれ以上わかりやすい例はないと思ったので、挙げておきます。

四分の三拍子(3/4拍子)

つぎは四分の三拍子です
「うみ」

」みは「ひろ」いな「おお」きい「」ーですね。

あとは、千と千尋の神隠しの主題歌でもある、
木村弓さんの「いつも何度でも」

 

四分の四拍子(4/4拍子)

四分の四拍子はありふれすぎてて、挙げなくてもいいかと思いましたが、
一応挙げておきます。
「きらきら星」

もう一つ。「大きな古時計」
動画は平井堅さんバージョンです。

 

八分の六拍子(6/8拍子)

八分の六拍子です
「ありがとうさようなら」

特にバックで引いているギターが
「タトトタトト」のリズムを刻み続けているのに気づいていただければと思います。

もう一つ。
さだまさしさんの「精霊流し」

八分の六は、こういう哀愁漂う感じの曲が多いですね。

補足説明・精霊流しについて。6/8拍子?12/8拍子?

精霊流しの拍子について。
コメントにて、12/8拍子なのでは?とご質問をいただきましたので、
こちらで解説しようと思います。

まず、バックのギターの音。
これを、あえて四分の四で書いてみると、こんな感じになります。

実際に「ぷりんと楽譜」さんなんかを見ると、
四分の四拍子として譜面を起こされているものもあります。

でもこれだと、三連符の表示が多すぎて、読みづらい。。
ということで、拍子を変えて書いてみましょう。

すると、こうなります。

八分の十二!ですね。

先ほど、精霊流しは八分の六拍子、とご紹介しましたが、
いつの間にか八分の十二拍子になっています。
小節の切れ目を四分の四の譜面に合わせると、こうなります。

これを、単純に小節を半分にしてあげると、
八分の六にすることができます。
真ん中に小節線が入っているだけですね。

実は、先ほど紹介した「ぷりんと楽譜」さんでも、
八分の六で書いている譜面もあります。

あれ、じゃぁ、どれが正しいの?という話ですが。。

ここまで書いてきてアレですが、
ぶっちゃけ、どれでもいいと思います。
正しいリズムを伝えることさえできれば。

ただ、僕がなぜ精霊流しを「八分の六だ!」として紹介したかというと。

さだまさしさんの歌い方に注目すると
年の なたの もいで
とアクセントが付いているように聞こえます。
(メロディ的に、そこで音が伸びているからアクセントっぽく聞こえる、という側面もあるかと思いますが)

となると。
拍子は八分の六で、それぞれ一拍目にアクセントを当てている、
と考えると、考えやすいのかと思います。

もし八分の十二で、一拍目にアクセントを当てているとすると
年の あなたの もいでが」
のようになるためです。

・・・とはいえ、こういったことが
画一的に「こうだっ!」と決まっているわけでもなかったりします。
音楽的な解釈を細かく反映して拍子を決めて譜面にしている場合もあれば、
単に書きやすい or 読みやすいからその拍子にしている、という場合もあるかと。

こういう、「どうとでも書けちゃう」というのが
拍子のわかりにくさの理由のひとつにもなっているかと。

記事の途中でも書きましたが、
「基本的にはこういう考え方なんだよ」
という理解の仕方をして頂ければいいのかと思います。

究極的には、音楽的により美しいと思うやり方で演奏できれば、
拍子の数字がなんであろうが関係ない、ということなんですけどね。

その「音楽的により美しい形」がなんなのか、
できるだけ具体的に伝える手段のひとつに「拍子」がある、
と考えて頂ければいいのかと思います。

まとめ

一小節に四分音符が四つ入っているのが、四分の四拍子
一小節に四分音符が三つ入っているのが、四分の三拍子
です。
拍子によって音のまとまりが違うので、感じ方が違います。

ジャンルによってアクセントのつけ方は多少違いますが、
基本的には1拍目にアクセントを持ってくる、という意識で歌うと
リズム感を感じやすい歌い方ができるようになります。

それではまたー。

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4 thoughts on “11.リズムを基礎から理解しよう(拍子編)”

  1. 真崎深雪 says:

    質問させて下さい

    精霊流しの譜面を探すと4/4拍子でした
    http://www.print-gakufu.com/sample/sp/score/130395/121272/

    3連符が多用されているので、付点四分音符を基準に書き換えたとしても、12/8拍子ではないかと思いますが、何か勘違いしているでしょうか
    どうか教えて下さい

    1. densuke says:

      ご質問、ありがとうございます!
      この欄だけでは回答しづらかったので、記事を更新しています。
      精霊流しの動画紹介の直後に書いてます。

      確かに、4/4をそのまま八分に書き換えると12/8が自然だと思いますので、
      勘違いではないと思いますよ。

      同じぷりんと楽譜さんでも、いくつか6/8で書いてある譜面もあります。
      記事内でも書いたように、元々の解釈の違い、あるいは書きやすさの面でどっちにするか、という話かと思います。

  2. 真崎深雪 says:

    解説、ありがとうございます。
    まさに、6/8=2拍子、6/12=4拍子ですね
    あなたの の あ
    が〜 の が
    が、強拍と言うより中拍に聴こえてきました。
    助詞には(ここでは「が」)には強拍を置かない方が良いという先入観かもしれません。
    6/8を意識して歌うとどんな感じになるか、試してみたいと思います。

  3. 真崎深雪 says:

    すみません。
    書き間違えました。

    まさに、6/8=2拍子、12/8=4拍子ですね。

    の間違いです。

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